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2006.03.16

『バニシング・ポイント』(1996年)

この作品はチャールズ・ロバート・カーナー監督、ビゴ・モーテンセン主演のカーアクションのリメイクです。別名『バニシング・ポイント 激走2000キロ』ともなっているようです。
私にとって注目のリメイク作品で見ました。オリジナルの1971年版は私が大好きな作品の1つです。
このオリジナルの1971年版は監督の腕は関係なく偶然出来てしまった奇妙な佳作だと思ってます。クルマが走るだけで奇跡的にカルトな映画が出来てしまったのです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1996年 アメリカ作品 TVムービーのようです。
原題◆Vanishing Point
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
TVムービーなのでCF用の黒味があった。タイミングの悪い入れ方でした。スター・チャンネルはCFがありませんがホントにCFに入ってたらアタマにくるでしょう。ダッジ・チャレンジャーのエンジン音は1971年版の方がいい。
プロット 妻に会いに結果的に暴走する話のようです。1971年版に比べて話しは非常にわかりやすくなっています。

キャスト
ビゴ・モーテンセン→湾岸戦争帰りのジム・コワルスキー
クリスティン・エリス→コワルスキーの奥さん
ジェーソン・プリーストリー→DJのザ・ボイス
スティーブ・レイルズバック→保安官
キース・デビッド→FBIのタフト

チャールズ・ロバート・カーナー監督の演出はよい思います。
出来過ぎの『バニシング・ポイント』1971年版以外はイマイチな演出のリチャード・C・サラフィアン監督より下手だと、もはや映画監督とは言えなくなるのでほっとする。

1971年版は同じくちゃんとプロローグに戻る手法にはなっています。
アイダホ州リドル復活祭の朝。
→1週間前となる。
→ニューメキシコ州アルバカーキ(金)
→色々あってまたアイダホ州リドル復活祭の朝に戻ります。

1971年版と同じくフラッシュバック多用もあります。
フラッシュバックの使い方は1996年版の方が上手いと思えます。
1971年版はフラッシュバックの使い方がエライ唐突なのです。でもこれがマイナスになっていないのが偶然の恐ろしいところ。

暴走するエクスキューズは違ってました。
1996年版の方が分かりやすいくて同情をさそいます。そもそも白バイの点数稼ぎから始まったようです。
1971年版は意味もなくデンバーからサンフランシスコに15時間で行けると賭けをしたはずなのですが走っていればそれもどうでもいいような感じになってました。この無意味さに1996年版は負けています。

FBIは足を引っ張る法則に従ってここでも悪役を担当していました。
罪状はどうでもよくメンツのために捕まえようとしていました。実際ありそうなのが困ったものです。
他の作品でも色々な足を引っ張るFBIがいますが1番面白い足の引っ張り方のFBIはピーター・ジャクソン監督の『さまよう魂たち』(96年)のジェフリー・コムズだと思います。ぶっ飛びなおかしさでした。

オリジナルでは1971年の作品に1970年式のクルマが走ることになってて、リメイクでは1996年の作品に1970年式のクルマが走ることになってます。これだとクルマが走るにしても全然意味が違うように思えてしまいます。
で、1996年版ではレストア車専門の陸送屋とは随分都合がいい設定です。これは無理やり1970年式ダッジ・チャレンジャーを出すための設定のようです。やっぱりダッジ・チャレンジャーに替わるクルマがなかったようです。この点は同情出来る。ダッジ・バイパーでは無理ですか。
レストアしてチューンナップした1970年式ヘミ・チャレンジャー。ヘミはチューナーの名前?426の数字はキュービックインチの単位だと思われます。よくわからん。
「70年式ホワイト・チャレンジャー」の手配するセリフがありました。これは1971年版と同じです。
カーアクションは全体的に1971年版の方がいいようです。ホイールスピンにタイトターンのショット。これがいいんです。
黒のダッジ・チャージャーとの度胸試しチキンゲームのシーンがありました。1971年版ではパトカーとそんな感じのシーンがありました。

警察無線の受信機に携帯電話使用と1971年版より装備は進んでいました。
その他にも湾岸戦争上がりの装備で暗視装置や煙幕等も使用してました。あまり装備過剰だと違う映画になってしまいますがここは何とかバランスしていたようです。1971年版の装備はカーラジオのみでした。
前輪がパンクのシーンもちゃんとありました。ヘビ獲りの男も出てきました。
ダッジ・チャレンジャーをとらえる逆ズームのショットもありました。
1996年版はソルトレイクシティを通るので塩湖の上を走るシーンがありました。
1971年版のホンダCL350(赤)のバイクに全裸で乗ってたヌードライダーは1996年版では出ていません。これは残念。替わりに黄色のブラにデニムのショートパンツの女性ライダーが出てました。ヤマハDT250(赤)に乗ってました。2サイクルエンジンなのに何故か音は4サイクルの音でした。CL350は4サイクルなのでこれはオマージュというかご都合主義か、まあいいけど。
検問突破のシーンもありました。1996年版は何の伏線もなくいきなり突破してましたけど。ここでも屋根に乗っけてある偽装のパトライトが1971年版より凝ったものになっていました。

主演俳優の比較。
1971年版のコワルスキー=バリー・ニューマンと1996年版のコワルスキー=ビゴ・モーテンセン、俳優としてのポテンシャル、キャリアではビゴ・モーテンセンの方が全然上でしょう。でもこの俳優の差が1971年版ではマイナスになっていないのが偶然の怖さと強みです。

アイダホ州といえば何かと話題のクリントン大統領がいたところのようです。
白バイ2台はホンダのVツインのシャフトドライブ。アメリカでは何て称してた?→CX500?
セルフサービスのガソリンスタンドが出てました。私はまだ使ったことがない。

こう見ますと1971年版はクルマに興味がない人には全く受け付けないと思えますがカルト作品だと思います。
1996年版はラストに救いを持たせていました。ここは評価の別れるとこですが何ともいえない感じです。

そんなわけで1971年版の偶然の出来のよさには全くかなわない1996年版でした。でも1996年版はオリジナルの1971年版に敬意をはらっている悪くはない作品でした。


オリジナルの1971年版の感想はここです。→『バニシング・ポイント』1971年版


他のカーアクションで・・・
イタリアのミラノを舞台に英国車ミニが主役の犯罪コメディ『ミニミニ大作戦』1969年版(69年)もお勧めです。普通のクルマとしてルパン三世の愛車フィアット500がたくさん出ています。
スタントドライバーが『バニシング・ポイント』1971年版と同じ人が担当しているのでカーアクションが何となく似ている『ゲッタウェイ』(72年)
本編はイマイチですが色々なクルマが走ってる『激走!5000キロ』(76年)
バイクはカワサキZ1000でクルマはOHV V8エンジンの『マッドマックス』(79年)
赤いBMWが走りまくる『ザ・チェイス』(94年)
1950年代のキャデラックが出てる不条理ホラー『ジーパーズ・クリーパーズ』(2001年)
日本の新しめのクルマが走りまくる『ワイルド・スピードX2』(2003年)
プリマス・バラクーダとキャデラック・エルドラドが対決する『ハイウェイマン』(2003年)
等々の感想があります。

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コメント

ヘミについてですが。
これはHemispherical(ヘミスフェリカル~半球状の)が意味する様に、エンジン燃焼室の形状を指します。当時はクライスラーにおいてはこれ以上ないハイスペックエンジンでした。
主にレース用として使われていましたが、マスタングに対する目玉として、ストリート用にセッティング(というかデチューン)してリリースされていました。
自分も1台目のチャレンジャーはヘミエンジンでしたが、非常にコンディション維持が難しく、手放しました。今は後悔しきりです。今のチャレンジャーは6PAXですが、あの何処までも高音のサウンドを奏でて突き抜けるヘミの乗り味は忘れられません。
今日クライスラーが経営破綻しました。
もうあの頃のようなクルマはこのエコブームのご時世では二度と出てこないでしょう。
残念でなりません。

ヘミについての詳しいコメントありがとうございます。

実際にヘミエンジンのダッジ・チャレンジャーに乗っていたのですか、これは凄いですね。私なんか映画を見るだけで満足していました。
実際に乗ればいいとこも悪いとこも直接に感じることが出来るので得難い経験になっていると思えて羨ましい限りです。

OHV、V8、大排気量エンジン、外観のデザイン等々・・・1970年代のアメ車は奇跡のようなクルマだったと改めて思えてきます。

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