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2006.02.26

『ブレードランナー最終版』

この作品はリドリー・スコット監督のカルトなSFドラマです。いわゆる多大な影響を与えたという作品です。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1982年/1992年 ラッドカンパニー/Run Run Shaw/ワーナー アメリカ=香港作品
◆後タイトルにはマイケル・デーリー/リドリー・スコット・プロとなっています。
1982年の作品を1992年に再編集した最終版です。
ランニング・タイム◆116分
原題◆Blade Runner:The Diretor's Cut
プロット◆レプリカント達がやって来て寿命が尽きる話しと主人公の男とレプリカントのヒロインのラブロマンスの2本立てになっているようです。
音楽◆ヴァンゲリス これは傑作なスコア。才能のある人はいるものだと感心します。
ワーナー発売のDVDにて。画質はよいです。

キャスト
ハリソン・フォード→ブレードランナーのリック・デッカード
ショーン・ヤング→実はレプリのレイチェル
ルトガー・ハウアー→レプリのリーダー ロイ・バッティ
エドワード・ジェームス・オルモス→仕事熱心なガフ
M.エメット・ウォルシュ→上司のブライアント
ダリル・ハンナ→レプリのプリス
ブライオン・ジェームス→レプリのリオン
ジョアンナ・キャシディ→レプリのゾラ
ウィリアム・サンダーソン→気の毒なJ.F.セバスチャン
ジェームズ・ホン→眼球製造者
ジョー・ターケル→タイレル社の社長
不明→蛇造りのアプドーラ・ハッサン
ハイ・パイク→チャイナタウンのタフィー・ルイス

リドリー・スコット監督の演出はよいと思います。

この作品はSFのフィルム・ノワールでもあるはずなんですが、そう思って見てもそれほどでもなかったりします。ヒロインのレイチェルはファム・ファタールでもないようですし。これは待つヒロインです。これもこれで悪くないですけど。
ずっと降ってる雨のせいだけではないけどフィルム・ノワールにしてはウェット過ぎる感じもします。

嫌々仕事としてやっているデッカードと造られた者でありながら全身全霊をかけているレプリのロイ・バッティとではキャラの差は歴然としています。
結局ロイ・バッティに許してもらうデッカードでしたが、ここでは全力で行動した結果ですからいいのではと思えます。

人1人に空間が空く構図はいい。ワイドスクリーンののよいとこです。
これは英国流だと何処かで読んだ覚えがある、森一生の本『森一生 映画旅』だったかな?
フレームの使い方を堪能しました。英国流の空白の空け方はいいですな。これを楽しめるのは他には1960年代の大映くらいしかない?

ユニコーンの夢が何でデッカード本人のレプリにつながるのかどうしても私にはわかりません。国語を授業を思い出して嫌な感じです。

この作品を見てからはオリオンではなくオライオンだとなりました。
風の効果音がいいです。
セットはあちこちのとこから使い回されているようです。

タイトルはこれは傑作の優れ物です。音楽と合っています。
前説字幕があります。
L.A.2109年11月の字幕が出ます。

寄るカメラ、青い瞳のクローズアップとカットバックしてタイレル本社の全景となります。ここも傑作。

タイレル本社内では新入社員リオンに対するVKテストが始まります。試験官はブレードランナーのホールデン。
レプリとばれそうになったのでリオンは発砲となります。

雨の街中です。広告の飛行船?が飛んでいます。
ハリソン・フォード扮する元刑事デッカードが登場。そば屋に入ります。2つで十分ですよですが、いまだに意味がわかりません。
上司ブライアントの使いガフが迎えに来ます。パトカー995に乗って空中を移動します。

上司ブライアントの事務所にて。
元ブレードランナーのデッカードは脅迫されて任務につくことになります。
打ち合わせとなります。6匹のレプリカントが1匹殺されて残り5匹とのことです。
レプリカントを何匹と数えてる上司ブライアントです。スキンジョブとも言ってます。4年の寿命となっているレプリカント。

レプリの映像資料ですが立ち姿の回る状態で撮影されています。
これと同じ映像を『風と共に去りぬ』(1939年)の主演女優スクリーンテストの映像で見たことがあります。ビビアン・リーがぐるぐると回っていました。なるほどあの人間離れした美しさのビビアン・リーはやはりレプリカントだったのかと納得したものです。←納得するなよ。

パトカー995でタイレル本社に向かいます。
フクロウがいる部屋でレイチェルが登場。
タイレル社長も登場してレイチェルでVKテストとなります。
タバコを吸うレイチェル。ここはフィルム・ノワールです。

レイチェルは自分がレプリカントだと知りません。
記憶の話しをするデッカードとタイレル社長。

タイレル本社からリオンが泊っていたフンターバーサーホテルに向かいます。
明かりが点滅するのが何故か印象に残ります。
ホテルで家捜しとなり、ウロコと写真を見つけます。

レプリのリーダー、ロイ・バッティが登場。リオンと合流します。
目を造る研究所に押し入ります。ここでJ.F.セバスチャンの名を聞き出します。

デッカードは自分のクルマで移動中。トンネルを通ります。
で、アバートに帰ります。
エレベーター内にはレイチェルがいます。97Fへ。9732号室。
部屋に入ります。
デッカードは意地の悪いことをレイチェルに言って追い返します。
レイチェルの過去の記憶をベラベラと喋っています。
そんなわけで1人で飲んでるデッカードです。

街中です。レプリのプリスが登場。
J.F.セバスチャンとコンタクトします。このシーンが何故か『マイ・フェア・レディ』(1964年)を連想させます。バックのある石造りの太い柱から?
プリスはJ.F.セバスチャンのアバートに行きます。
人形やロボットが多数います。

デッカードのアパートにて。
ピアノを弾いてます。ユニコーンの夢。多数の写真。
見つけた写真をサーチします。これは名シーンです。「ストップ」のセリフが印象的。
ところでここに写っている女性は誰?ゾラ?

出かけるデッカード。
ウロコを出店で調べてもらいます。
人工のウロコ。サカナではなくヘビとのことです。製作者はアプドーラ・ハッサン。
ここで鳥が暴れるとこではハリソン・フォードはマジで驚いているようです。とてもヒーローには見えません。

アプドーラ・ハッサンの店に行って聞き込みをします。
タフィ・ルイスの名が出ます。

タフィ・ルイスの店に行きます。
おごりの酒を飲みます。レイチェルにTV電話をかけて飲みに来ないかと言いますがあっさりと断られます。
ミス・サロメのスネーク・ショウが始まります。
デッカードはミス・サロメにコンタクトしますが逆に首を締められます。ここは人が来てミス・サロメ=レプリのゾラは逃走します。追うデッカード。

街中での追跡となって何とか仕留めます。
デッカードが後ろから女を撃ってしまうとこはあまり気にならなかったりします。撃たれるのがレプリだからというわけではなくてハードボイルドな描写バランスが一因だと思います。

一仕事終えて酒を買うデッカード。
ブライアントがやって来て街中で打ち合わせとなります。後4匹とのことです。3ではと聞き返すとレイチェルも含むとのことです。
そのレイチェルは近くに姿が見えたりします。

レオンに捕まるデッカード。ボコボコにされて殺されかけます。
ここはレイチェルに助けられます。

デッカードのアパートにて。
2人きりです。ピアノを弾くレイチェル。
で、ピアノのとこにデッカードが来てレイチェルと横顔2人のクローズアップ。ここは美しいシーンです。
キスをするデッカード。逃げるレイチェル。
レイチェルがいくつなのがよく知りませんがキスされたら記憶が飛んでしまうようです。キスした時は実質何歳だったんだろうね。体は成熟しているのに精神は幼いアンバランスが凄い。

J.F.セバスチャンのアバートにて。
レプリのリーダー、ロイ・バッティがやって来てプリスと合流します。もう2人きりだと言うロイ・バッティ。
J.F.セバスチャンを説得してチェスにかこつけてタイレル社長と会おうとします。

タイレル本社にて。
エレベーターの途中で待機するロイ・バッティとJ.F.セバスチャン。
社長を負かして会って話しをすることになります。
ロイ・バッティがいても驚かないタイレル社長。
修理しろとロイ・バッティ。
議論の果て、タイレル社長にキスしてから頭を砕いて殺すロイ・バッティ。続いてJ.F.セバスチャンも殺されたようです。

トンネル内をクルマで移動中のデッカード。
止まって連絡を取ります。ここでJ.F.セバスチャンのプラッドベリ・アパートの名を聞きます。友人を装ってTV電話をかけます。
止まってるとこを警察や子供達に絡まれているデッカード。
子供達にクルマから部品を取られる描写があります。日本語がちゃんとしている。

プラッドベリ・アパートに行くデッカード。
プリスが凝固して待っています。
一騒動あって何とかプリスを仕留めるデッカード。もうかなりヨレヨレになっています。
そんなとこにロイ・バッティが到着します。
待ち伏せるデッカードですが初弾が外れてしまいます。初弾が外れたらもう策がないデッカードです。
ハンドガン(ブラスター?)は何が発射されているのか?着弾のエフェクトだとタダの弾丸ではないようです。ミニミサイル?それとも光線ではなくパルス?何なんだろう?

プリスを殺した代償に指を折られるデッカード。増村保造監督の『兵隊やくざ』(1965年)に同じようなシーンがあったりします。
デッカードは必死こいて逃げることになります。ここからは命がけの鬼ごっこになっています。

壁を登ってるとこでブラスターを落としてしまうデッカード。唯一の攻撃方法を失って絶望的な状況となってしまいます。
寿命がせまり薄れ行く意識をハッキリさせるために自分の手の平に釘を刺すロイ・バッティ。こちらもかなり壮絶な状況となっています。

こっちの番だからと鉄パイプでロイ・バッティをめった打ちにするデッカード。
この行動を褒めるロイ・バッティ。屈折してるレプリです。
ここで「スポーツマンライク」なるセリフが出ます。印象に残ります。
「スポーツマンライク」なる言葉はこの作品で知った言葉です。「スポーツマンライク」とはあまり使いませんが引用したくなるのです。

ビルの屋上へとデッカード。追うロイ・バッティ。
ようやくビルの屋上に出たデッカードですが、ロイ・バッティも上がって来たのでやもうえずに隣のビルにジャンプすることなりますが上手く行かずぶら下がった状態となります。
デッカードは違いあっさりとジャンプに成功するロイ・バッティ。
落ちる寸前のデッカードの手を掴んで引っぱり上げて助けます。

デッカードを許したとこで、ついに寿命が尽きるロイ・バッティ。
鳩が飛びます。ジョン・ウー監督作品ではない。

ガフがパトカー995でやって来ます。
バックに空飛ぶパトカーが降下してきたようです。何回か見て初めて気がつきました。これはワイドスクリーンの効果なのかもしれません。上昇してきて少し降下するのがホントなようです。記憶ってのはあてになりません。
ガフはデッカードにブラスターを投げ渡します。

レイチェルを忘れていたという感じでアパートに戻るデッカード。
レイチェルは寝ていました。死んではいません。無事です。
2人でアパートから逃亡します。エレベーターのドアが閉じたとこでエンドタイトルとなります。

最初の1982年版はこの後に付け足しがあります。
あってもいいような感じのシーンでした。
このエンドですとレイチェルは歳をとらないがデッカードは歳をとる。何だか江戸川乱歩の短編『押絵と旅する男』のようです。
私は1982年も1992年のどちらのエンドでもかまわないと思います。
ナレーションはあった方がフィルム・ノワールらしくていいと思います。説明セリフではないいいセリフを満載してくれればもっといい。


ハリソン・フォードは好演なのでしょう。やる気のない演技が演じるキャラにそのまま当てはまっています。
ところでハリソン・フォードはわけのわからないままに演技をしているように見えます。
何回も見ているとわかりますが正直言ってハリソン・フォードもショーン・ヤングもそんなに上手くはないようです。

ショーン・ヤングの代表作はこの作品1本だけでした。
奇行女優で他のキャリアがたいしたことなくても、後世まで残り多大な影響を与える作品のヒロインを務めたので名が残ります。これで充分だと思えます。

結局『エイリアン』(1979年)、『ブレードランナー』(1982年)はリドリー・スコット監督にとって負担になっているような感じがします。キャリア前半でエライ物を作ってしまったようです。
同じ英国の先輩アルフレッド・ヒッチコック監督はキャリア終盤で撮った『サイコ』(1960年)『鳥』(1963年)が負担になっていたことを連想しました。


そんなわけでこれは傑作です。カルトとなってるのがよくわかるよい作品でした。

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