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2006.02.18

『暴走特急』(1995年)

この作品はジョフ・マーフィ監督、スティーブン・セガール主演の俺様アクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1995年 アーノン・ミルチャン-セガール ナッソー・プロダクション/リージェンシーエンタープライズ/ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆100分
原題◆Under Siege 2: Dark Territory
プロット◆列車ハイジャックに巻き込まれる話しのようです。
音楽◆ベジル・ポルドーリス
ワーナー発売のDVDにて。画質はよいです。ヘリコプターはドルビーデジタルで5.1サラウンドがバリバリでいい感じ。これがいい。

キャスト
スティーブン・セガール→史上最強のコック ライバック
キャサリン・ヘイグル→ライバックの姪サラ
モーリス・チェスナット→ポーターのボビー
エリック・ボゴシアン→コンピュータ担当のデイン
エベレット・マッギル→実戦担当の傭兵の隊長ペン
ブレンダ・バーキ→パスワード保持者のギルダー大尉
デビッド・ジアノポーロス→パスワード保持者の男トリリング
サンドラ・テイラー→バーテンのケリー、プレイメイト風
Afifi→ペン隊長の手下 黒人女性
ピーター・グリーン→ペン隊長の手下#1
ニック・マンクーソ→CIAのブレーカー
アンディ・ロマーノ→ベイツ提督
カートウッド・スミス→クーパー将軍

ジョフ・マーフィ監督の演出はよいと思います。
カット割りとシンクロした説明セリフ全開はよいです。非常にわかりやすい。
衛星、列車、ステルス爆撃機、破壊、爆発、撃墜、激突はCGとミニチュアで処理されてた。
脚本は凝っているといっていいでしょう。でもラストはもう無茶苦茶になってるけど。
悪役コンビのエリック・ボゴシアンとエベレット・マッギル、この2者のバランスはまあまあなような。
デンバーからL.A.の列車が舞台です。この設定に随分助けられて全編ノンストップアクションになっています。
カットバックが多用されていた。忙しいこと。いいもんです。
ヘリが出るタイミングや人物の出し入れのタイミングもよかった。
鉄橋上の図は合成でよいです。今の技術は凄いです。断崖絶壁上のシーンも合成でリチャード・ユリシチのマット画がよいです。『ブレードランナー最終版』(1982/1992年)の頃に比べれば技術も上がりそんなに不自然には見えなくなった。
合成が見事です。列車シーンでの窓の外の景色はホトンドはブルーバック合成とのことです。言われないとわかりません。
ステルス機F-117登場はライブフィルムの流用と編集で何とかしています。爆発はミニチュア使用。こういうの好き。

スカイパーフェクTVの番組でメイキングを偶然見ることが出来ましたが、列車シーンは殆どブルーバックの合成だそうです。これは驚いた。知らないで見ていたから全然そうは思わなかった。撮影技術的にも見どころがあります。


プロローグ。
極秘攻撃衛星テスト成功のシーンから始まります。
ダブルのパスワードの図。伏線になっていた。

カッコよくスティーブン・セガール扮する史上最強のコック、ケーシー・ライバックが登場します。

キャサリン・ヘイグル扮する姪のサラが登場。ごく普通に登場しています。扱いはそんなに悪くない。
デンバー発L.A.行きの列車に乗ります。乗客のテロリストやポーター等のキャラ紹介があります。列車内の客のテロリスト#1のピーター・グリーンは目立ちます。
極秘攻撃衛星のオペレーター2人も乗っています。

テロリスト達が登場してコロラドの基地を襲撃してヘリコプター2機を奪います。
エベレット・マッギル扮するテロリストの親玉ペンが登場。
ヘリコプターはドルビーデジタル5.1サウンドがよく似合います。
この作品はヘリコプターが見事に撮れていて映画に出るヘリコプターは何か特別な乗り物なのかと思わせます。
イングマル・ベルイマン監督でヘリコプターが降りてくるショットが印象的な作品があるそうですがぜひ見たいものです。→『鏡の中にあるが如く』(1961年)がこれにあたります。

列車をハイジャックするテロリスト達。
先行の2人がどいたとこでロングでヘリコプターが登場するタイミングがいい。これはいいシーンです。
ハイジャックしたら極秘攻撃衛星のオペレーター2人を脅迫してパスワードを入手し、オペレーター2人を片づけます。

ハイジャックした攻撃衛星のデモの図。
中国 広州の表向きは肥料を作っていることになっている化学兵器工場爆破します。
ミニチュアで簡略されているシーンでした。こういうのは好きだな。作戦室ではまだ単なる故障だと結構お気楽なCIAとクーパー将軍です。
臨時の依頼でアラブの富豪の前妻が載ってる旅客機爆破。1回10億ドルとのことです。金の振り込みを確認してからというのがアイロニーが効いてる。

不謹慎ですがEnterキーを押すのがこんなに気持ちよく描写されているの初めて見ました。面倒くさいプログラミングやらコマンド入力を編集で省いているのもあるみたいでパコンとEnterキーを押すのが見てて気持ちよい。この作品のハイライト?になります。それだからラストは気の毒になる、もうEnterキーが押せなくなった。死んでしまうのだから関係ないか。

ライバックはアップル製のニュートンを使い電話でファックスを送ろうとします。
後にテロリスト側に回収されて中身を見られてしまいます。ここからテロリストは相手がライバックだとわかります。

ライバックとテロリスト達のアクションで。
女狙撃手がカーブにさしかかった時狙撃するのはロジカルでよいです。
トンネル内で跳弾利用の図もありました。潰れた弾丸で被弾するとそれは悲惨な状態になるでしょう。

首謀者デインから本部への連絡です。
この通信はフランスからですのギャグはよいです。
技術的なことになると目がない設定はよい。技術屋のスピリットにあふれている。
エリック・ボゴシアンは自分でセリフを追加しているものと思えます。極悪非道なのことをしている割には愛嬌がある、いいキャラです。

ライバックとポーターのコンビはテロリスト側の大切なデータCDを奪います。
コンピュータ担当のデインは大切なコードが入ってるデータCDを奪われて焦っていました。プログラマーなのにバックアップも取っていないのですか?と突っ込みたくなるがまあいいです。
急停車のシーンがありますが列車はそんなに簡単に止まれないのでは。まあいいけど。
クリフハンギング・アクションがあります。合成が見事です。

Enterキーを押して2機目のステルス機F-117を衛星からの攻撃で撃墜するシーンは私のお気に入りです。進行する列車とカットバックするとこがいい。

件の暴走特急とガソリン満載の貨物列車の列車衝突のディレクションはちゃんと合ってた。
このクライマックスの列車衝突シーンはミニチュアが全開となっています。
でもラストのボゴシアンは気の毒。ドアで指切断は見ててイマイチ。

相変わらず自信満々で登場のスティーブン・セガールでした。最初から最後まで自信満々でした。ラストの対決でもセガールが押しっぱなしでした。
ディテールが妙にリアルというか説得力があります。ハンドガンの狙いを付けて発砲するそして命中が見てて説得力十分なのです。格闘シーンは文句ない動きですし。俺様アクションですが、ほどよい俺様具合になっています。


キャサリン・ヘイグル紹介の図はそんなに凝ってはなかった。
人質になって腕を上げた状態で長時間同じ姿勢は続けられないのでは。まあそんなこと気にしてたらこの作品は見れないか。
顎の線がもう危ない感じ。20過ぎたらもう40のクチですかな。
ブレンダ・バーキ、この人は『ガンヘッド』(1989年)に出ていた人のようです。

テロリスト#1のピーター・グリーンは結構セリフのあるキャラでした。ルックス的に印象に残ります。
ニック・マンクーソ、どこかで見た名前だと思ったらロバート・ロッジアのTVシリーズ『FBI特別捜査官』での主人公と同じ名前なんだ。名前負けしてるのでは。
ニック・マンクーソのCIAブレーカーは前作と同じキャラで家族に危険が及ぶとなると内緒で電話して実家へ行けと言ってました。前作では失敗したら責任は全部コックに押し付けようと相談をしてたりとセコクていいキャラです。
政府高官達のキャストにまで予算が回らないのかこの高官達は何か弱い。

テロリストで黒人女性の人がいましたがなかなかいいです。黒系のコスチュームはイカします。セリフも少ないし典型的なモデル上がりといった感じ。

今はあまり評価は高くありませんがもうちょい経つと評価が上がる作品だと思います。これは文句なく面白い作品です。
そんなわけで私のお気に入りアクションでスティーブン・セガールの最高傑作だと思えます。設定にも助けられてノン・ストップ・アクションとなっています。

スティーブン・セガールはこの頃がピークだったと思えてきました。段々と奇行が目立つようになっていたような。有名になってから正気を保つのは大変なとこだとわかります。
2005年現在では各国をロケして渡り歩いているような、ドサ回りアクション・スターとなっているようです。これもこれでいいのでしょう。


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コメント

セガール アクションの中では「沈黙の戦艦」が一般的に評価が高いようですが、私は本作が一番だと思っています。 上の解説でロイさんも同様に言っておられ、我が意を得た感じです。
狭い列車内でセガールとポーターがなかなか発見されないこと、最後の列車の衝突から生還するなど、かなりご都合主義もありますが、そんなことは気にならないくらい面白いです。
この映画は本物の列車を使って撮影したことが売りだそうですが、車窓からの風景がすべて合成とは驚きました。 中盤、セガールが崖にぶらさがるシーンも当然特撮でしょうが、これも本物と見まがう迫力です。 
傭兵隊長役のエベレット・マッギルは終盤セガールにあえなく倒されますが、全身鋼鉄製みたいで見るからに強靭な感じです。 アメリカのアクション映画の警護役などで、このような鍛え上げられた感じの男をよく見ますが、スポーツ選手か海兵隊あがりなどで、こういう役を専門に行う集団でもあるのでしょうか。 ロイさんご存知でしたら教えてください。

ナカムラ ヨシカズさん、コメントありがとうございます。

『沈黙の戦艦』も悪役がトミー・リー・ジョーンズが出てるから悪くないけど、この『暴走特急』はもっといいと思っています。邦題に『沈黙・・』が付いてないから宣伝がやりにくいのが唯一の難点かもしれません。

アクション専門の俳優要請集団ですか、ありそうな感じがしますが、残念ながら私はよく知りません。
で、ハリウッドには多分あると思えます。

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