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2006.02.04

『ハーヴェイ』(1950年)

この作品はヘンリー・コスター監督、ジェームズ・スチュアート主演のファンタスティック・コメディです。結構変わった設定で有名です。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1950年 ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆100分
原題◆Hervey
プロット◆主人公にだけ見える身長6フィートのウサギのハーヴェイをめぐる話のようです。
音楽◆フランク・スキナー
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。この作品がお気に入りなら買っても後悔しない画質です。
◆日本語字幕が何か変、Dr.Mr.Miss.Mrs.とやたらと付いています。別にかわまないけど何か変。
◆日本語字幕の表示されるタイミングも少し遅れ気味でした。この日本語字幕はアメリカで付けたのかもしれません。

キャスト
ジェームズ・スチュアート→ハーヴェイが見えるエルウッド
ジョセフィン・ハル→エルウッドの姉ヴィータ・シモンズ
ビクトリア・ホーン→ヴィータの娘マートル・メエ
ウィリアム・リン→ガフニー判事
セシル・ケラウェイ→チャムリー院長
ペギー・ダウ→看護婦Miss.ケリー
チャールズ・ドレイク→サンダースン医師
ジェシー・ホワイト→ウィルソン看護人
ハリー・ハインズ→顎の出ている老人Mr.ミーグルス
グレース・ミルズ→Mrs.ショーボネ
ナナ・ブライアント→チャムリー院長夫人
ウォーレス・フォード→タクシーの運転手Mr.ログフレン
クレム・ビーバンズ→門番のハーマン・シンメルプルッサー
ノーマン・リービット→最初のタクシー運転手ヘンリー


ヘンリー・コスター監督の演出はよいと思います。ヘンリー・コスター監督作品はファンタスティック・コメディの『気まぐれ天使』(1947年)を見てました。

タイトルのハーヴェイは最初からいることになっています。話が早くていいです。
会話のシーンは長回しで撮っています。ですが切り返しているときもあった。よくわからん。
さすが元が舞台劇なので人物の出し入れが上手で、セリフも面白いのが多くていいです。
精神病院では突然医者と看護婦がメロドラマになったりジェームズ・スチュアートを追ってきた看護人がジョセフィン・ハルの娘にいきなりナンパを始めたりと全体的にはかなりぶっ飛んでいる感じがします。


プロローグ。
今日も上機嫌で出かけるジェームズ・スチュアート扮する町1番の変人のエルウッド。
それを見ているエルウッドの姉ヴィータは娘マートル・メエの婿探しパーティの準備をします。エルウッドは1日帰ってこない筈とのこと。
念のために顧問のガフニー判事にエルウッドに尾行兼引き止め役を付けますが、尾行する筈の検事の部下ミニンガーは飛出したとたんに転倒して病院送りになっていました。これはギャグ?

行きつけの12番街店チャーリーズに行きます。顎の出ている老人Mr.ミーグルスと話しをしてて新聞記事から自宅でパーティがあることを知りすぐに帰宅することにするエルウッド。

家では親類のエテルおばさんのMrs.ショーボネが来たとこでエルウッドも帰宅してパーティを台なしにします

エルウッドだけに見えるハーヴェイは背の高さが6フィート(約180cm)のウサギということです。喋ることも出来るらしい。もちろん超常現象を起こすことも出来るようです。

そんなわけで姉親子とエルウッドの3人はタクシーで精神病院へと向かいます。
担当のサンダーソン医師がエルウッドの姉ヴィータから話しを聞きますがあまりにも感動的過ぎる話し方のせいで姉ヴィータが患者と間違われてしまい強制的に入院させられてしまいます。エルウッドは通行証を受け取り出て行きます。
弟を入院させに行って自分が入院させられてしまいます。

病院の庭で院長夫人と会話するエルウッド。Pookaなる言葉を使います。
電動の門に感心するエルウッド。

何だか頼りない精神病院が出てきます。
看護人は患者のことをサイコなんて呼んでいたりします。今は無理な設定です。看護人が患者を探しに行く時は殴打用の凶器ブラックジャックを携帯してきます。少し違うような感じですがやる気充分ではないかい。
制服にコートを羽織るだけで外出姿になるのはいい。特に看護婦さんが素敵でいいです。
ようやく間違いに気がついてあわてる病院関係者達。

自宅に戻る姉のヴィータ。
弟のエルウッドを入院させようとしたけど間違えられて入院させられて逃げてきた姉のヴィータのセリフが傑作で「ウサギのように逃げてきた」と、かまします。そのウサギが問題で病院に行ったんでしょう。
エルウッドを追って病院の看護人がやって来ます。いきなりヴィータの娘マートル・メエをナンパする看護人。ぶっ飛んでいます。

絵を持ってくるエルウッド。この絵を壁に飾ります。
それでウサギとエルウッドの肖像画になっているのを気がつかない姉のヴィータが絵をバックにしてチャムリー院長に勘違いな絵についての講義の図も笑えました。
絵は写真とは違う写実ではないとのこと。講義の内容がもっともなのでなるほどだからこの絵はウサギが見えているのかと納得出来ます。
ようやく絵が違うことに気がついたヴィータのセリフ「あれは母ではありません」きます。これも傑作。このセリフの対するチャムリー院長の冷静なリアクションもいい。

酒場チャーリーズにて、バックで踊る人達はいらない感じでした。
エルウッドがいることを知りチャーリーズに乗り込む病院関係者のサンダース医師にケリー看護婦とウィルソン看護士の3人。
ハーヴェイのことを語るエルウッド。
ウィルソン看護士が抜けて話しは続きます。ハーヴェイと出会った時のこととか。

ハーヴェイに追われて病院に戻るチャムリー院長。
院長にはハーヴェイが見えているようです。これは何の意図があるのかよくわからない。ハーヴェイが見えるのが1人なら妄想ですが2人なら真実ということなのか?別々に見ているから集団的妄想ではないことになります。

エルウッドの治療の注射をするとこがクライマックスになっているようです。
姉がハーヴェイを見ることが出来るままの弟でいいと思い直すのがこの作品のポイントのようです。

ハーヴェイに残ってもらうようにエルウッドに頼む院長。
エルウッドのとこに残ることになったハーヴェイと別れてしまうのかと思ったらそうではなくエンドとなります。


ジェームズ・スチュアートはウサギのハーヴェイが見えるキャラになりきっていた。顔が全然違います。『めまい』(1958年)での鬱病演技と同じと言ってもいけません。

ジョセフィン・ハルは『毒薬と老嬢』(1944年)で孤独な老人に安らかな死をプレゼントする親切な殺し屋コンビの1人です。
酒場のおじいさんミスター・クラッター=ザ・パーテンダーは『見知らぬ乗客』(1951年)でメリー・ゴウ・ラウンドに潜った人か?→ディック・ウェッセルという人。
院長を演じるセシル・ケラウェイのは『奥様は魔女』(1942年)に出ていた人のようです。

Pookaとは?→アイルランドの民間伝承に出てくるいたずら好きの化け物というより妖精のようです。


少し変わった主人公を暖かく見守るほのぼのとしたノリの作品かと思ったら結構ぶっ飛んでいました。なにしろ実の弟を病院送りにしようとする話なんですから。
予想とは違っていたけどよい作品でした。



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