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2006.02.23

『ダーティハリー』

この作品はドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の刑事アクションです。いわゆる多大な影響を与えたという作品です。新しいフォーマットを作ったともいえます。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1971年 マルパソ・カンパニー・プロ/ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆103分
原題◆Dirty Harry
プロット◆シリアルキラーのサソリ男と対決する話しのようです。
音楽◆ラロ・シフリン 音楽がカット割りとシンクロしてます。これはミュージカルです。素晴らしい。
ワーナー発売のDVDにて。画質は非常によいです。DVDはTV放映や以前のビデオソフトであったボカシがなくなっていました。
音楽はステレオになっています。前のDVDより左右のセパレート感が上がっているようです。
効果音はドルビーデジタル5.1chになっています。ヘリコプターの音が後ろに回っていました。全体的にクリアになってて細かい効果音も聞きやすくなっていました。イーストウッドはまだ生きてるから監修くらいはやっていると思えるので、これは後から直してもいいとしましょう。色々と後から直す基準についての私自身のポリシーがあります。→ビデオソフト化の手直しの段階

キャスト
クリント・イーストウッド→ハリー・キャラハン警部補=ダーティハリー
アンディ・ロビンソン→無差別狙撃のサソリ男
レニ・サントーニ→相棒のチコ
ジョン・ミッチャム→太っているフランク
ハリー・ガーディノ→それなりの上司ブレスラー
ジョン・ラーチ→無難な署長
ジョン・バーノン→無能で傲慢な市長
ジョセフ・ソマー→嫌みなロスコ地方検事
ウィリアム・ペーターソン→法律の権威のバナーマン判事
ダイアナ・デビッドソン→プールで撃たれる女性
アルバート・ポップウェル→決めセリフを言われる銀行強盗の黒人
ウッドロー・パーフリー→ハンバーガー屋のオヤジMr. Jaffe
マーク・ハーツェンス→黒人の警察医
デブラリー・スコット→14歳の少女アン・マリー・ディーコン
ジェームズ・ノーラン→酒屋のオヤジ
ルース・コバート→スクールバスのマーセラ・プラット


ドン・シーゲル監督の演出はよいと思います。
ハイテンション・アクションで異様な緊張感が全編を貫いています。ヘリコプターが飛んでいたりクルマが坂を上がって下るだけでも緊張感があります。
全編に渡り見せ場の連続となっています。

ラロ・シフリンのスコアも最高です。音楽がカット割りとシンクロしてるのが気持ちいいこと。音楽がカット割りとシンクロしてるのがミュージカルのことだったら、この作品もミュージカルになってしまいますよ。
音楽がカット割りとシンクロしてるポイントを特集したいくらいです。

市電のベル。霧笛。他は何だっけ?S.F.が舞台なので至るとこで市電のベルの効果音が聞こえます。
カリフォルニア・ホール、シーザーズ・スタジアム、ゴールデンゲートブリッジ。と出てました。地図で調べましょう。
S.F.名物の路面電車はちゃんと画面に出ていました。。

嫌なことは何でもハリーに押し付ける設定になっているようです。これには今頃になって実感出来たりします。現実はこうなっています。

プロローグ
殉職警官記念碑の描写から、狙撃シーンとなります。
プールで泳ぐ女性が狙撃され死亡します。黄色い水着の女性。
クリント・イーストウッド扮するハリー・キャラハン警部補が登場してタイトルとなります。音楽が素晴らしい。
死体が運ばれていくシーンではプールに血が流れているのが残っています。
射角を推定して狙撃したビルを調べるハリーとなっています。ビルの屋上には空薬莢が落ちています。アンテナには脅迫状。

市庁舎にて。
スライドで拡大表示の脅迫状。
署長に上司ブレスラーもいます。この事件の担当はキャラハン刑事となっています。
市長に捜査の報告をするハリー。
「また騒ぎを起こしたら許さんぞ」と意気込む市長に答えるハリー。結構有名なシーンです。

ホットドッグ屋にて。食事のハリー。
有名な「このハンドガンは・・・」セリフがある銀行強盗との攻防があります。
この作品でS&W44マグナムの売上を飛躍的に伸ばしたというエピソードがまた有名です。
ところで止まれの「ホールト」と「ストップ」の使い分けはどうなってんの?、この作品でも使い分けています。

病院にて。
黒人ドクターとハリー。
ハリーの奥さんの話が出かかります。

ヘリコプターで移動中のハリー。
ハリーは降ります。飛び立つヘリコプターが周囲を旋回しています。こんなシーンでも妙に緊張感があります。

で、上司と打ち合わせとなります。
助手というか相棒を押し付けられます。レニ・サントーニ扮する相棒のチコが登場。

ハリーはチコのことを「気の毒だぜ」とくる。これはいいセリフです。
「死ななければ出世する」とも言ってます。
フランクからダーティ・ハリーの由来の話し。
街の模型からオーバーラップでシーン転換で聖ピータース教会へとなります。

聖ピータース教会付近にて。昼間です。
黒人女性を狙撃しようとするサソリ。サソリを演じるアンディ・ロビンソンが本格的に登場。茶のトランクに入っているボルトアクションのライフルを組み立てます。
ホントは銃を現場で組立てると射撃精度が悪くなるので精度調整したまま状態で運ぶのがいいのですが、組立てる方が映画的なのでこれでいいとしましょう。

警察のヘリコプターが事前に発見してサソリの狙撃は失敗となります。逃げるサソリ。これも名シーンです。音楽がカット割りとシンクロしてます。これはミュージカルです。

夜。クルマにて。ハリーとチコ。
茶のケースを持った男を尾行したが覗きと間違われて袋だたきにされるハリー。お笑いの一席のようです。
これはギャグなの?緊張感たっぷりの作品の中では唯一ホッとするとこです。

カリフォルニア・ホールにて。
次には投身自殺志願者の説得にあたるハリー。
色々と忙しく雑用をこなします。これがダーティ・ハリーの由来なのか。
投身自殺者のことをジャンパーと言ってました。これはシンプルでわかりやすい、で、日本語は同じことでも漢字平仮名カタカナだけで違う意味になり時期的にもすぐに死語になったりしたがるのもあって非常にむずかしくなっています。

クルマが坂を上って下ります。何故か緊張感があります。
黒人少年が狙撃された現場に行くハリー。

警察にて。
打ち合わせです。今度は同じ場所にサソリをおびき出して逆に待ち伏せをする作戦をとります。
ハリーの使うボルトアクションのライフルですがウィンチェスターで48口径のマグナムのボルトアクション・ライフルを使います。
同じ場所を何度も襲撃するタイプがいるそうです。

聖ピータース教会付近にて。夜です。
コイットタワーが見えたような。コイットタワーは聖ピータース教会の近くにあるようです。
教会のネオンの下で待ち伏せるハリーとチコ。71がハリーのコールサインです。
覗きから現われたサソリと激しく撃ち合うがさそりは逃亡します。
ネオンを撃ちまくって逃げるサソリです。これは予想もしていない攻撃で立ち往生のハリーとチコです。
ここではサソリは何故かボルトアクションのライフルではなくてシュマイザーのサブマシンガンを持っていました。何で?

警察にて。
次にサソリは14歳の少女アン・メアリー・ディーコンを誘拐して脅迫となります。
ハリーの「死んでる」のセリフがいい。
身代金が増額され10万ドルから20万ドルとなります。このロジックがいい。狂ってます。

電気屋にて。
ワイヤレスマイク=ワイヤーを借りるハリー。

警察にて。
カネを預かるハリー。黄色いバッグ。
スコッチテープを使うハリー。飛び出しナイフを仕込むためです。

ヨットハーバーにて。夜です。
身代金を持って受け渡しに行くハリー。公衆電話巡りで引き回されます。
トンネル内でチンピラに絡まれるハリー。これで少し遅れたのか老人が公衆電話を取ってしまいます。

受け渡し場所のデビッドソン公園の十字架下にて。
オカマのアリスがいます。
フリーズと声がかかってから目出し帽のサソリにボコボコにされるハリー。
気が変わったと称するサソリにハリーが撃たれそうになるとこでチコの援護があります。銃撃戦となります。サブマシンガン対リボルバーではリボルバーの方が分が悪い。
ハリーは反撃してナイフでサソリの脚を刺します。突然刺すサプライズとサソリの反応が凄いです。

救急病院に駆け込むサソリ。
1ショットのみ。

警察にて。
ハリーが休んでいます。ここで責任逃れな上司です。ダーティ・ハリーの真の所以です。
救急病院からナイフ傷の男を治療したと電話があってハリーは事情聴取に向かます。
電話で話してたらもう病院なシーン転換がいいです。

救急病院にて。
ハリーと太ってるフランク。
この救急病院の医者のキャラクターがいい。本物の人?
男の正体がわかります。シーザー・スタジアムに住んでいるとのこと。

シーザースタジアムにて。
カギのかかってる柵を乗り越えるハリー。脇腹が痛そう。
見てるサソリ。捜すハリー。
サソリの自室に踏み込みます。コンロの薬罐は熱い。サソリは近くにいるとなります。
追うハリー。サソリはグラウンド内に逃げます。
フランクの手でスタジアムの照明が次々と点灯されていき、ハリーの「ストップ」のセリフ。名シーンです。音楽が効果音のようにデザインされて素晴らしい。カット割りとシンクロしてます。これはミュージカルです。

ハリーは50m位離れていてもリボルバーで狙いをつけることが出来るようです。ホントかよ?と思いたくなりますがイーストウッドがロングバレルのS&W44マグナムを構えている絵には圧倒的に説得力があるのでそんなものかなとなります。

サソリのキャラクターがまた凄い。自分がハリーをボコボコにしたことを棚に上げて「君に撃たれたんだ、弁護士を呼んでくれ」ときます。
そんなこんなで引くカメラで溶暗となります。

金門橋近くの現場にて。
少女は死んでいました。

地方検事事務所にて。
呼ばれたハリー。捜査報告書を皮肉たっぷりに酷評されまます。
「これでは起訴出来ない」と地方検事。
「また狂う」とハリー。
これまた名シーンとなっています。

サソリを私服で尾行するハリー。
公園にて。ピースマークのベルトのバックルが目立つサソリです。
ストリップバーにて。

殴り屋を雇うサソリ。
黒人ボクサー崩れといった感じの男です。
ハリーに恨みを果たそうと200ドル分たっぷりと殴られます。逆恨みで執念深いサソリです。

病院にて。
ベッドで運ばれるサソリ。マスコミにハリーにやられたと称しています。
ここでシーン転換の妙があります。TV画面からブリッジしているという感じ。

警察にて。
署長に説教されるハリー。もうどうでもいいやという感じのハリーです。

病院にて。
チコを見舞うハリー。警察は辞めるとチコ。
病院を出るとこでチコの夫人との会話シーン。死んだ奥さんの話を出して珍しく感情的になっているハリーです。これは相棒がいなくなるからでしょう。

今度は酒屋に押し込みハンドガンを奪うサソリ。
酒屋のハンドガンは何故かワルサーP-38です。関連がわからん。

スクールバスをハイジャックするサソリ。
子供に歌わせるサソリです。トラウマになりそう。

市庁舎です。
呼ばれるハリー。
サソリから電話です。子供達とドライブと称してます。
カネを運ぶだけなら運び屋を断るハリー。市長室を出ます。

スクールバスです。
ぶち切れるサソリ。演技ではなくマジで怖がってる子役達です。
ここでのサソリが子供を脅す殴るシーンはかなり強烈です。
演じたアンディ・ロビンソンが私生活でこの作品のキャラと混同されて嫌がらせを受けたというエピソードが納得出来ます。

スクールバスはフランシス通りに入ります。
橋の上にはハリーがいます。発見して逆上するサソリ。
バスの上に飛び乗るハリー。中から発砲するサソリ。そのままの状態でスクールバスは採石工場の砂山に突っ込みます。

工場内に逃げ込むサソリ。追うハリー。
逃げるサソリは工場を出て釣りをしてる子供を人質にとります。やることが何処まで行ってもしょうもないサソリです。
プロローグの銀行強盗に言ったセリフが繰り返される有名なラストのシーンとなります。

バッジを投げ捨てるハリー。何故か左手で投げてます。
エンドとなります。


全編に渡って妙に緊張感があリます。変な映画です。よい映画はみんな変?なのかも。そんなわけで有名なだけはあるよい作品でした。


メイキング・インタビューを見て。
昔の刑事アクションはこうでしたとギャング映画を引用していました。ワーナーですからギャング映画はお手の物です。
ロバート・ユーリックって誰ですか?『ダーティハリー2』(1973年)に出ていた人かも→そうでした。私刑白バイ警官隊の1人でした。
エバン・キムは『ダーティハリー5』(1988年)に出ていた人のようです。
偶像=アイコンとなるようです。


この作品を初めて見た人の感想が聞きたいものです。どこかで見たようなシーンの寄せ集めなんて言われそう。でもこっちがオリジナルなんですよ。
→もう見てましたなんてあるかも。引用され過ぎです。

モーガン・フリーマンの『コレクター』(1997年)の続編『スパイダー』(2001年)で身代金受け渡しのシーンを『ダーティハリー』そのまんまにやっててビックリしました。イーストウッドと共演作『許されざる者』(1992年)もあるモーガン・フリーマンが『ダーティハリー』を知らないわけはないと思えるので。どうしてもやりたかったのかもしれません。


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コメント

この映画は3回目ぐらいですが、観るたびに良くなります。
40年ほど前の映画だけにイーストウッドも若く、安心して見ていられます。
新しい相棒のチコは根性のあるいい刑事に見えましたが、最後 奥さんのためとはいえ辞職には少しガッカリです。 命がけとなれば当然といえますが、最初のキャラどおりカッコいいところを見せてほしかったです。
ハリーが地方検事と判事に、不法侵入とサソリへの人権無視とでつるし上げられるシーンは、映画の中とはいえ腹が立ちました。
洋の東西を問わず、”法律は人命より尊い”法律家がいるものですね。
ロイさんは車にお詳しいが、この解説では銃にも造詣が深くていらっしゃいますね。 イーストウッドのマグナム44は、本当にカッコいいです。

ナカムラ ヨシカズさん、コメントありがとうございます。

この作品を初めて見た人の感想はどうなんですかね。あまりにも他の引用されてるので、もう見ていましたとなったりして・・・

クリント・イーストウッドの相棒役は『ダーティハリー』シリーズの他でもホトンドが死んでて唯一生き残ってるのがこの作品のチコなので、それはそれで貴重なキャラだと思えます。

PART.5でも生き残ってますよ。
防弾チョッキのおかげで。

はじめまして、映画マニアの高校生です。
このダーティハリーはぼくが一番好きな映画です。細かい演出やアクション、キャラハン刑事のキャラクター性、俳優クリント・イーストウッドの格好よさ等など・・・。今のところこれを超える映画はないと思っている、ダーティハリー狂信者です。
ちなみにサソリが使っている銃器の関連性ですが、二式テラ銃、MP40、ワルサーP38と全て第二次世界大戦における枢軸国側、つまりアメリカから観て敵に当たる(と同時に打ち負かした)国の銃に統一して、サソリの厭らしさを引き立たせようとしたのではないでしょうか

ショックレーさん、コメントありがとうございます。

ダーティハリーはクリント・イーストウッドの最高の当たり役でしょう。この作品は間違いなく代表作だと思います。

狙撃に使っていたライフル銃はウィンチェスターM70あたりかと思っていましたが全然違うのですね。なるほど。
下世話な考えだとハリウッド作品の悪役がアメリカ製の銃を使うわけにはいかなかったのかもしれません。

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