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2005.12.24

『悪人と美女』

この作品はカーク・ダグラスが熱演する映画業界物ドラマです。この邦題だと何の話かわからなかったりします。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1952年 MGM アメリカ作品
原題◆Bad and the Beautiful→『悪人と美女』という邦題は何となくコスチュームプレイのチャンバラ物のような感じであまり合っているとは思えず。イマイチなセンスのヘタな直訳です。
スカイパーフェクTV312 CSN1ムービーチャンネルにて。画質はよいです。
プロット 良心のない映画プロデューサーに悩まされる話しのようです。
音楽 デビッド・ラスキン

キャスト
カーク・ダグラス→映画プロデューサーのジョナサン・シールズ
バリー・サリバン→映画監督のフレッド・アミエル
ラナ・ターナー→映画女優のジョージア・ロリソン
ディック・パウエル→作家のジェームズ・リー・バートロー
グロリア・グレアム→バートローの奥さん ローズマリー
ウォルター・ピジョン→映画プロデューサーのハリー・ペブル
ポール・スチュアート→映画プロデューサーのシド
ギルバート・ローランド→スターのビクター(ガウチョ)リベラ
イヴァン・トリーソルト→大監督のエルスティン
レオ・G・キャロル→普通の映画監督
サミー・ホワイト→ジョージアのエージェント ガス
バネッサ・ブラウン→映画監督のフレッドの奥さん ケイ
エレイン・スチュアート→エキストラの女優 ライラ

ビンセント・ミネリ監督の演出はよいと思います。ミュージカル専門監督だと思っていたので普通のドラマは大丈夫なのかとなりますが無難に演出していました。やるじゃん。
この作品のプロデューサーはジョン・ハウスマンです。後に俳優で『名探偵再登場』(78年)等に出演したりしています。
撮影はロバート・サーティーズです。同姓同名の父親の方です。息子とはキャリアが重なっているので混同しやすい。


映画業界の内幕物で、最初に映画プロデューサーのジョナサン・シールズという人物は非常に嫌われていると描写があります。何故嫌われたかと回想で16年前になります。
良心のないプロデューサー。これが普通の映画プロデューサーの姿だそうです。


映画監督のフレッド・アミエルの場合。
ジョナサンに会いに行くフレッド。この2人は映画界で成功しようとコンビとなって自分たちを先輩プロデューサーのハリー・ペブルに売り込みに行きます。それでB級ホラーの猫男云々を撮らされることになります。

このB級ホラーの試写の描写が興味深い。覆面試写会=スニーク・プレビューというやつで観客は何も知らされずに見ることになり見終わったらロビーに置いてあるアンケートのカードに記入することになっています。

2人は次の作品はB級ホラーの続編ではなく本格ドラマにしようと色々と交渉することになります。交渉なら君に任せるとフレッドは自分の脚本を渡したのが運の尽きで脚本はジョナサンに横取りされて監督も自分以外の人になり手柄は独り占めされることになります。これで2人の仲は終わるこになる。

この2人は何となく製作のジェームズ・B・ハリスと監督のスタンリー・キューブリックのコンビを連想させます。キャラクターはこの作品とは逆になるような感じですけど。


映画女優のジョージア・ロリソンの場合。
端役止まりで酒浸りの生活からスカウトして自分のプロデュース作品の主役に抜擢して熱心に面倒を見ます。それは結局演技をよくするためだけで映画が完成したら君とはもう終わりだとなります。


作家のジェームズ・リー・バートローの場合。
仕事をじゃまをする奥さんに悩まされているけど幸せな生活をしているとこを映画の脚本を書かないかと誘われて契約したらこき使われてジョナサンの計略で遠ざけた筈の奥さんは飛行機で事故死することになります。それでも仕事をさせるジョナサン。
タイプライターを両手人さし指打ちでした。

17年目にしてシールズ・プロダクションは終わることになります。再起をかけてということで3人が呼ばれていたとわかります。

ウォルター・ピジョン扮する映画プロデューサーのハリー・ペブルはB級映画専門の映画プロデューサーでまだ若いジョナサン・シールズを雇い、後にジョナサンの共同プロデューサーとなります。映画が好きなどちらかといえばまともな映画プロデューサーのようです。ジョン・ハウスマンの分身なのかな。

熱演大好きのカーク・ダグラスの熱演とどうかなと見るとやはり大熱演でした。いつものことです。後半にヒゲのカーク・ダグラスは何となくショーン・ペンに似ています。熱演ならショーン・ペンもカーク・ダグラスには負けていないと思いますけど。

ラナ・ターナーが雨の中クルマを運転しながら号泣するシーンが少し長くて間が空いてしまっています。これだけ長いときっと事故が何かが起きる筈と見ていたらクルマが止まっただけでした。腰が抜けた。これはスター女優に気を使っているからなのかい。内幕物のさらに内幕のような。

映画は脚本が大事といいますが映画が撮り上がる前に唯一形になっているのが脚本だけというのが本当のことなのかも。その出来のよい脚本というやつをそのまま映画にしてもまずいし、脚本を無視して演出してもまずいことになります。映画の難しいとこです。
どうすればいいかとなると、撮影事情に精通していて映画の完成した状態がわかっている監督がその出来のよい脚本を元に絵コンテを描きます。この絵コンテ作りでホトンド映画は完成となりで後は撮るだけにすればというのが理想的となります。→絵コンテ云々はアルフレッド・ヒッチコック監督の映画作りのことです。

映画は企画が動き始めたらコントロールが効かなくなるような感じがします。それを何とかするのがプロデューサーの役目ですか。

この作品中の大監督のエルスティンがもっと派手に演出しろとジョナサンに要求されると「クライマックスばかりではメリハリがつかない」と正論を言ってました。クライマックスばかりというのは現在のハリウッドアクション大作群のことではないですか。当然面白くはなくなってしまいます。


先行の映画業界内幕物の2本、ビリー・ワイルダー監督の『サンセット大通り』(50年)は凄く辛口で、ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督の『イヴの総て』(50年)はかなり辛口で、これらの作品の後追い便乗作品のようです。この2作に比べれば甘口に出来ています。MGMらしい。
そんなわけで標準的映画業界内幕物なよい作品でした。

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