『Needing You』(2000年)
この作品はジョニー・トー/ワイ・ガーファイ監督でアンディ・ラウとサミー・チャン主演のロマンティック・コメディです。
少し見て面白かったので見ました。私はハリウッド製の1930~1940年代のロマンティック・コメディが大好きで、同じようなノリだったので見ようと思いました。監督やキャストは全く知らないで見ました。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
2000年 香港作品
原題◆Goo laam gwa lui
プロット やっぱりあなたが好きなのよというロマンティック・コメディのようです。
スカイパーフェクTV310衛星劇場にて。画質はよいです。
キャスト
サミー・チャン→ヒロインのOLキンキー
アンディ・ラウ→ビジネスマンのアンディ
レイモンド・ウォン→若くて金持ちのロジャー
ジョニー・トー/ワイ・ガーファイ監督の演出はよいと思います。
全体的に細かくカットを割っています。細かいだけではないサム・ペキンパー監督みたいな編集がいいです。
見ててもたれそうなシーンはカットしているのがいい。出来の悪い作品でよくある本筋とは関係ない別れ話を延々と見せられたらこまりますから。このへんの描写は上手いです。
会社にて、通風口を通ってあっという間に噂が広まる図がありました。噂って通風口を伝わるのかいな。細菌物サスペンスアクションの『アウトブレイク』(95年)では通風口を通って病原体が広まるシーンがあってこれが普通なのでは思えますが。通風口ではなく伝声管なのかいと突っ込みたくなるとこがよろしい。
話しに出てくる『アンディ・ラウの逃避行』(90年)って何ですか。といった具合に主演がアンディ・ラウとは知らずに見ていました。キャストを全然知らなくても十分面白かったです。見終わってから調べたら主演がアンディ・ラウなのかとようやく分かりした。
サミー・チャン扮するヒロインのキンキーはエキセントリックな出だしでずっとそのままで通していました。とても魅力的です。
イライラするとトイレの掃除をしたり買物をしまくったりとなっていました。クルマでは車内をティッシュで拭きまくったりもやっていた。
家族と同居してて、家族からは痩せてて地味な娘なんて言われています。
バイクが趣味という設定になっています。会社のデスクの周りにはバイクの写真が貼ってあります。それにしてもバイクの改造箇所を詳しく解説するヒロインとは珍しい。
ヒロインが愛のお札を無くしてしまったがそのお札の行方は?と引っ張ります。
香港から中国本土に向うがタクシーの運転手に騙されてあちこち引き回されるヒロイン。香港と中国本土の地理交通関係はどうなってる。よくわからん。
で、ヒロインのキンキーを助けに行くアンディ、接待ではやたらとキンキーをかばうアンディです。こういうのは好きだな。
アンディ・ラウ扮するビジネスマンのアンディは仕事の鬼です。
女性関係もお盛んとなっています。成り行きでキンキーに恋愛指南を一々携帯電話を通じてすることになっています。これが面白い。
初めて見るアンディ・ラウはシリアスもコメディもこなせるいい男で香港の大スターらしいけど見ててそれがよくわかります。
クルマはホンダ・アコード。買ったバイクはカワサキZXR(排気量不明)
キンキーの前の男ダンは短髪で芸術関係の仕事らしい。インド料理店で振られるキンキーの図。
携帯電話がよく出ています。後タイトルからエリクソンのタイアップのようです。
キンキーの恋人候補の若くて金持ちなロジャーはバイクに乗っています。親子ともにバイクに乗っているのがいい。大型バイクのホンダRVF(排気量不明)が出てきます。
で、大型バイクの姿勢をコントロールするにはコツがあります。とにかく重いので人間の力だけでは動かせません。
極低速ターンでの倒れ込みを回避するのためにスロットルを微調整してトルクをかけて車体を起こすようにすること、止まるたびにフロントフォークが縮んでノーズダイブして怖い思いするのを避けるために後ブレーキを止まる寸前に上手く使ってノーズダイブをしないように止まること、この2点は必ず使いこなさないければいけません。何故かというと極低速で転倒する危険があるからです。
極低速で転倒すると大きな怪我はないけどえらく恥ずかしいことで、バイクの方はウインカーが折れたりカウル等にはしっかりとキズは付くしホントこまったものなのです。
そんなわけで私の好きなハリウッド製の1930~1940年代ロマンティック・コメディのテイストがある御機嫌なよい作品でした。
この話しを日本で作ればなんて思うと、出来るのはとんでもないキャスティングとボンクラな監督の組み合わせでヨタヨタにモタモタのすれ違い物か溝口健二監督作品の出来損ないのような絶叫演技物でしょう。また余計なことを考えてしまった。
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