『絹の靴下』(1957年)
この作品はフレッド・アステア、シド・チャリシー主演のMGMミュージカルです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1957年 アーサー・フリード・プロ/MGM アメリカ作品
原題◆Silk Stockings
DVDにて。画質は非常によいです。
プロット 任務を果たせない話しのようです。要するにミュージカルの定番ボーイ・ミーツ・ガールな話しです。
音楽 コール・ポーター
キャスト
フレッド・アステア→映画製作者のカンフィールド
シド・チャリシー→ソ連から来たニノチカ
ジャニス・ペイジ→映画スターのペギー
ピーター・ローレ→共産党員のブランコフ
ジュールズ・マンシン→共産党員のビビンスキー
ジョゼフ・ブロフ→共産党員のイワン
ジョージ・トビアス→新任のマルコビッチ
ヴィム・ソネベルド→ピアノ弾きのボロフ
ルーベン・マムーリアン監督の演出はよいと思います。
ステレオサウンドをギャグにしているこの作品ですが、DVDではドルビーデジタル5.1chサウンドになってたりします。
オリジナルのエルンスト・ルビッチ監督、グレタ・ガルボ主演の『ニノチカ』(39年)は見たような気がしますが、もう忘れていたりします。
新聞と足が繰り返し映されるプロローグから始まります。ロシアのピアニストが映画音楽を担当ということです。
そのピアニストを呼び戻すためにモスクワから共産党員が3人やって来ます。ではなくもう来てたりします。これはギャグなの?
この3人の相手をする3人のダンサーのドレスの色のわけ方も1950年代らしい。ダンスも素敵なよいシーンでした。
ソ連では送り出した3人が戻ってこないので、腕利きを共産党員を送ることになります。それがシド・チャリシー扮するニナ・ヨシュチェンコということです。
このシーンで芸術担当の高級党員?で新任マルコビッチの愛人のバレエダンサーがこれで私がプリマになれるというコネのギャグがあります。このギャグは共産主義ギャグというわけではないようですけど。
パリにやって来る共産党員のニナニナ・ヨシュチェンコ党員。さっそく定番の共産主義ギャグがあります。
人間関係は化学反応云々とやっています。ケミカルリアクションと言ってます。この作品では否定的に使われていますが、現在では肯定的に使われていたりします。現在では1+1が2以上になる人間関係をケミストリーと言ってます。
パリにやって来るハリウッドスターのペギー。
記者会見のとこからミュージカルナンバーとなります。今では映画はスターではなくギミックで客を呼ぼうとしているとテクニカラー、シネマスコープ、ステレオフォニックサウンドと出てきます。ここのシーンもいい。
ステレオフォニックサウンドのとこでは見事にドルビーデジタル5.1chでサラウンドしています。
絹の靴下を履くニナのミュージカルナンバーは素敵です。シド・チャリシーの脚が素敵でドレス姿も全部が素敵です。
そんなこんなで共産党員のニナ御一行はいったんロシアに帰ります。あちこち移動しているのでここで一息といった感じになりかけますがミュージカルナンバーがあるので退屈はしません。
フレッド・アステアのダンスは全く乱れがないですね。多分死ぬほどリハーサルを繰り返しているのでしょう。パートナーとのダンスが完璧にシンクロしているのも感心しますが相手役の人は大変でしょうね。それでもアステアが「私が合わせるから大丈夫」と言ってるのでしょうと推測する。
フレッド・アステアとシド・チャリシー、2人のダンスナンバーが素敵です。撮影所内でダンスするシーンではチャリシーのコスチュームがスカートでなくなるとこが2ヶ所ほどあったりします。何となく気になった。
シド・チャリシー扮するソ連から来たニナ・ヨシュチェンコことニノチカ。チャリシーの歌は吹替かもしれません。脚とダンスは絶品です。
映画スターのペギーを演じるジャニス・ペイジはピンナップや緊縛写真が山ほど出ている人?かと思ったがそれはベティ・ペイジでした。またうろ覚えな人の名前を混同しています。
共産党員のブランコフを演じるピーター・ローレはすぐにわかりましたが後の2人がわからない。どうやら背が高い共産党員のビビンスキーを演じるのがジュールズ・マンシンらしい。もう1人の共産党員のイワンを演じるジョゼフ・ブロフはよく知りません。
ところでピーター・ローレと何で出ているでしょう。『M』(31年)や『暗殺者の家』(34年)等が印象的な背の高くない個性派俳優です。
そんなわけで素敵なミュージカルのよい作品でした。
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