『ベリー・バッド・ウェディング』(1998年)
この作品はキャメロン・ディアス主演と通好みキャストの風変わりな話しのサスペンスだと思って見ましたが違っていました。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1998年IEG アメリカ作品
ランニング・タイム◆101分
原題◆Very Bad Things
プロット◆死体を処理してドツボにハマル話しのようです。
音楽◆スチュアート・コープランド
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
キャスト
クリスチャン・スレーター→トラブルメーカーのボイド
ダニエル・スターン→バーコフ兄弟の兄アダム・バーコフ
ジェレミー・ピベン→バーコフ兄弟の弟マイケル・バーコフ
リーランド・オーザー→介添人のトミー
ジョン・ファブロウ→花婿のカイル・フィッシャー
キャメロン・ディアス→花嫁のローラ
ジーン・トリプルホーン→アダム・バーコフ夫人のロイス
コービ・タイ→ストリッパーのティナ
ピーター・バーグ監督の演出はよいと思います。
貧乏揺すりをする花婿と介添人の2人のシーンからその数日前と回想に入ります。
昔懐かしの画面を横切るワイプを多用しています。これでキャラ紹介をしている。
男5人がミニバンに乗ってバチュラーパーティだとラスベガスに繰り出します。
ホテルにて。TVではWWFのプロレスを放映してて酒を飲んでヤクをやって、500ドルでOKのストリッパーも来てとパーティが盛り上がって死亡者が出るわけです。
ヤクでラリる演技指導は経験者というか常習者のクリスチャン・スレーターが務めてるんでしょう。製作総指揮の1人として張り切ってたのか?。
死体があるバスルームのドアが自然と開いてしまうショットがあります。これはアルフレッド・ヒッチコック監督の死体コメディ『ハリーの災難』(1956年)みたい。その後死体を埋めに行くし。
で、この作品は『ハリーの災難』そのままではないようです。
ホテルにて、もう1人殺します。それでもテンションの上がってるクリスチャン・スレーターが「大した変更ではない」とかましてくれます。
ホテルから抜け出して死体処理の道具を調達しに5人が買物をします。普通はここから足がつくような気がしますけど。電動ノコギリ、ビニール袋、数個のトランクにスーツケース、モップ、マジックリン?(アメリカ名不明)等をそろえているようです。
何事にも全力を尽くす姿勢はいいものです。
死体2つを埋めに砂漠にて。
懐中電灯の逆手に持つのはこれが正式な持ち方なのかと妙に気になります。
埋める寸前になってアダムの意見でこの死体の埋め方がダメだ。バラバラにしても埋めるときは元に戻さなければならないとなります。ユダヤ教だとそういうことのようです。これでホントにビニール袋に包んだままですけど人型に並べて確認を取っています。ブラックです。
何事にも全力を尽くす姿勢はいいものです。
当然、事がスムーズに運んでいるわけではなくクリスチャン・スレーターのトンデモない言い分の演説や人格に対する議論等でもめています。
死体を2つ埋めたとこでランニングタイムのまだ半分もいってなくて、これで後半からラストまで持つのかいと心配になりました。
後半は5人の動揺ぶりとキャメロン・ディアス扮する花嫁の結婚一直線ぶりが見どころになっているようです。
バーコフ兄弟の兄アダム・バーコフが動揺していつ喋るか分からなくなり揉めて弟のマイケル・バーコフにクルマで轢かれて退場となります。この件で弟のマイケル・バーコフまでおかしくなります。
最初からおかしいクリスチャン・スレーターのボイドは張り切ってこの事態の収拾にあたっています。
ですがラストになってカネをよこせなんて言ってはいけません。
タダより高いものはない、これをプラスに解釈すると、無償の行為ほどカネには変えられないし美しいとなります。ホントか?
そんなわけで、カネを要求したらこれまでのクリスチャン・スレーターの行為の価値は下がってしまいます。
兄アダム・バーコフが死んだのはいいのですが、今度はその遺言が気になる残り4人の図となります。
こうなったら奥さんのロイスを何とかしないといけなくなります。兄アダムの残したメモのことでロイスから問い詰められデタラメを言って何とかごまかしていました。これも見物です。
張り切っているクリスチャン・スレーターのボイドが口封じに奥さんのロイスを殺しに言って逆に殺されかけていました。殺しに行って殺されていたのでは洒落にならないのでそれこそ必死になって殺しにかかってます。それともこれは『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)の引用なのかい。
アダムとトミーは眼鏡をかけています。混同しやすい設定です。
バーコフ兄弟の弟マイケル・バーコフのジェレミー・ピベンはどこかで見たと思ったらジョン・キューザック主演の風変わりアクション『ポイント・ブランク』(1997年)に出ています。他の作品でもジョン・キューザックとよく一緒に出ています。昔からの舞台仲間なのか?
キャメロン・ディアスも出てるけどジーン・トリプルホーンも出ています。これはいいな。鼻に絆創膏のジーン・トリプルホーンがいい感じです。
キャメロン・ディアスは「ファック」のセリフを連発していました。女優さんが平気で「ファック」と言えるのですからいい時代になったものです。そのせいでラストの描写となったのかと思えました。別に悪いことはしていないのに何でそういうオチになるの?と疑問がのこったりします。
キャロル・ロンバードやグレース・ケリーにもこんな風に言ってもらいたかったものです。でも演出がイマイチではダメですけと。
ヘタに警察を出さないのは賢明でした。ますます話しがややこしくなるとこでした。
これでラストがスパッと終わっていればもっとよかった。犯罪は引きあわない的オチはちょっと当たり前すぎるような。もっとアイロニーを効かせるオチがなかったものか。少し長過ぎといった感じでした。
そんなわけで結構ぶっ飛んでいたブラック・コメディのよい作品でした。サスペンスではなかったようです。
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