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2005.10.22

『レイジング・ケイン』

この作品はブライアン・デ・パルマ監督、ジョン・リスゴー、ロリータ・ダビドビッチ主演のの多重人格物サスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1992年 パシフィック・ウエスタン・プロ/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆92分
原題◆Raising Cain
プロット◆異常性格の父と多重人格の息子に悩まされる話しのようです。
音楽◆ピノ・ドナジオ

ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。
画質は普通です。DVDクオリティ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
音声はドルビーデジタル2.0

キャスト
ジョン・リスゴー→弱気なカーター/強気なケイン/父のニックス博士/その他の2つの人格ジョッシュとマーゴ
ロリータ・ダビドビッチ→カーターの奥さんジェニー
スティーブン・バウアー→奥さんの恋人ジャック
グレッグ・ヘンリー→テリー刑事
フランシス・スターハーゲン→リン・ウォルドハイム博士
バートン・ヘイマン→定年で元刑事なマック
トム・ボーワー→カリー刑事
テリ・オースチン→ベビーシッターのカレン
メル・ハリス→ジェニーのママ友サラ

ブライアン・デ・パルマ監督の演出はよいと思います。
全体的にやりたい放題になってます。
多重人格が売りの作品です。ジョン・リスゴーが主に2重人格を演じています。ジョン・リスゴーは1人2役も演ってました。

プロローグからハッタリをかまします。
カーターとケインとのシーンをわざと切り返しのカット割りにして別人と思わせるフェイクになっています。こういう手法は私は好きですけど。このフェイクが許せるかそうでないかでこの作品を好きになるか嫌いになるかの分かれ道でしょう。ここでなんだいゴマカシではないかとなったらもう評価は下がるだけです。
多重人格のことはコリン・ウィルソンのホンで読んでいたのでこれの設定はよくわかりました。意外なとこで何が役にたつかわからんものです。

全編に渡ってフェイク、フラッシュバック、夢落ち、ショック、サプライズ、ハッタリ、の連発でした。途中からどんないい加減なのでも腹を立てずに見ようと思っていました。大ハッタリ大会でした。

尊敬しているはずのアルフレッド・ヒッチコック監督作品からのパクリは多い。
クルマを沈めるとこは『サイコ』(1960年)そのまんまでした。
ですが、いつものことで見ててあまり腹が立たなかったりします。何故か憎めないとこがブライアン・デ・パルマ監督にはあるのです。自分の作品のリピートもあります。これを突っ込んでいたらブライアン・デ・パルマ監督作品は見れません。

ワンショットの長回しのシーン。
刑事と博士が死体を見に行くとこで警察内の部屋から通路へ、それから階段を降りてエレベーターの中まで入っての超長回しショットもあります。俳優さん達は大変そうですがこれはいいです。これ見よがしって感じもしないではないけど。
超長回しショットは『虚栄のかがり火』(1990年)のプロローグのシーンでも使っていたから毎度のことです。『虚栄のかがり火』でよかったのはこの長回しのシーンだけだったりします。

やたらと顔のアップのショットが多い。演出意図不明。
ブライアン・デ・パルマ監督の得意技のクローズアップと遠景を並べて合成する手法もあります。この手法は好きだな。

リビエラ・モーテルへと子供を運ぶケイン。
そこには同じジョン・リスゴーが演じる父のニックス博士がいます。その一方ではカーターは子育てに熱心なよき亭主ぶりを発揮していま。ジョン・リスゴーがよき亭主を演じるとそれだでおかしく見えます。それぞれの人格を確かに演じ分けています。さすが演技派です。
でも普通の俳優さんにしてみれば多重人格を演じ分けるのはそんなにむずかしいことではないと思われます。

ブライアン・デ・パルマ監督組のキャストが多く出演しています。
主役のジョン・リスゴーは『愛のメモリー』(1976年)、『『ミッドナイトクロス』(1981年)に出ていました。
『スカーフェイス』(1983年)のスティーブン・バウアーは間違えられた男の役でした。あまり大したことのないキャラでした。スティーブン・バウアーはB級一直線です。ラテン系の役で重宝されているようです。
『スカーフェイス』にもチラッと出ていた『ボディ・ダブル』(1984年)のグレッグ・ヘンリーは警察の人でこれはまあ標準的なキャラでした。
TV界では大物なのに映画のブライアン・デ・パルマ監督作品ではケチな悪党役専門のデニス・フランツが出ていなかったりします。

公衆電話はパシフィック・ベルのマークがありました。
MLBのS.F.ジャンアンツのホームスタジアムの冠スポンサーで知ってましたが電話会社だったのですか。ベルと付いているから電話なのですね。なるほど。
ラスト近くでモーテルの駐車場にてクルマの中から警察に電話していますが携帯ではなく自動車電話のようでした。時代を感じます。

ヒロインの好みに全く一貫性がないブライアン・デ・パルマ監督。
洗練した金髪美人好きと一貫してるアルフレッド・ヒッチコック監督とは大違いです。ホントに尊敬しているかいとなります。

『レイジング・ケイン』(1992年)は失敗作『虚栄のかがり火』(1990年)の後のブライアン・デ・パルマ監督の再起第1作です。
もうヤケになっているかと思わせるフェイクの連発でブライアン・デ・パルマ監督は大丈夫なのかと思えますがこれで気が済んだのか、この後の作品がハッタリは抑えめのアル・パチーノのための佳作『カリートの道』(1993年)なのですからわからないものです。

いいかげんな進行の絶品2本立て。
これになるのが『レイジング・ケイン』(1992年)とシドニー・ルメット監督、マイケル・ケイン主演の『デストラップ 死の罠』(1982年)です。よい監督と優れた主演俳優との組み合わせで、そんなの話しの展開はありなの?と思いいつつ見てて納得してしまうのです。


DVDにて。
Universal Pictures (1992) (USA) (theatrical) のタイトル
ET 20周年アニバーサリーにもなってます。
ユニバーサルスタジオジャパンのCMです。スキップ出来た。
日本語を選べのメニュー画面
普通のメニュー画面。

タイトル
Universal Pictures (1992) (USA) (theatrical)
Pacific Western

公園にて。
クルマがないので同乗させてもらうカーター。

クルマにて。ボルボ 4ドアセダンです。
→ 1981 Volvo 244
ここでクシャミをしてクロロフォルムを嗅がせているカーター。
クロロフォルムをハンカチに振りかけて嗅がすとは古典的です。それでも医者かい。
ここでハッタリの双子のケインが登場するシーンになります。

自宅にて。
ボルボをガレージに入れてます。
この時点でカーターではなくケインになってる。
ジェニー夫人に迫るとこは主観ショットカットバックになってます。
それからクルマで誘拐した赤ちゃんをモーテルまで運ぶケイン。

モーテルにて。リビエラ・モーテル。
ここで父親のニックス博士が登場。ニックス博士とケインの1人2役になってます。
メイクも合わせて完璧に2役を演じてるジョン・リスゴー。さすがに上手い。
酒を飲ませてカーターに戻れと命じるニックス博士。

公園付近の店にて。
オルゴール時計を買うシーンになってます。
カーターも子供もいます。夫人の知り合いジャックもいる。

ジェニーを演じるロリータ・ダビドビッチも悪くはない。
しかしもう少し何か欲しい感じ。
ブライアン・デ・パルマ監督の女優さんの好みはいまだにわからん。最新作『パッション』(2012年)ではレイチェル・マクアダムズとノオミ・ラパスです。もう1人は誰だっけ?→カロリーネ・ヘルフルトです。それはともかく早く見たいな。

ジャックの奥さんは入院して死んだ。主治医がジェニーだった。
それで知り合ったわけです。

ジャックはキーを忘れた。それを届けにホテルまで行くジェニー。
ホテルに入るジェニー。ジャックは留守です。プレゼントのオルゴール時計を引き出しに入れる。

公園にて。
ジェニーはママ友と話している。
ジャックに会ったと結構立ち入った話題になってます。
最近旦那のカーターがおかしいとも言ってるジェニー。
そんところにジャックが来ています。速攻で会いに行くジェニー。忘れたキーを返すという用事があるんです。
散歩からキスになって青姦になりそうなとこで誰かに見られてると気がついてやめてるジェニー。

いきなり自宅で目が覚めてるジェニー。
タンスにはジャックへと書かれたカードがついてオルゴール時計があります。
そうなるとホテルにはカーターへと書いたカードがあることになります。これは大変。

そんなわけで夜中の03:00AMにクルマを走らせるジェニー。
思わせぶりに騎士の銅像が目に入る。

回想になります。
病院でジェニーとジャックとTVでハッピー・ニューイヤーのカウントダウンを見ながらキスしていたら病人のジャック夫人がしっかり見てて発作を起こし死に至る。
これは後味が悪そうだけどジェニーもジャックもそんなに気にしていない。

回想から戻ってクルマで移動中のジェニー。
クルマはジープのワゴンです。
→ 1991 Jeep Cherokee Briarwood [XJ]

ホテルにて。
寝ているジャックを伺いながら時計を交換をしようとするがジャックに取っ捕まるジェニー。そのまま1発やったようです。
また公園のシーンが入ります。誰かが見ていた・・
朝になっています。ベッドで寝ていたジェニー。成り行きでこうなったんです。

帰りのクルマにて。
ママ友のサラに電話しています。ジェニーが行方不明で大騒ぎになったとか。
ここでよそ見してたら騎士の銅像に突っ込んで剣でフロントウィンドウから胸まで貫かれるジェニー。

夢落ちで目を覚ますジェニー。ここは自宅でした。
またタンスの時計を確認してるジェニー。しっかりとカーター宛てのカードでした。
そんなとこでいきなりカーターに枕を押し付けられるジェニー。これは大変。

公園にて。
カーターが覗いてるシーンが入ります。
ここはカーターからケインになるシーンがあります。樹を前に置いてカメラがパンニングして戻る。これだけで入れ替わりを描写してます。

ケインはジャックのレンタカーに死体を積む準備をします。
まずは人殺しからやります。何だか泥縄のような気がする。
ここで他の人格の子供が出てきて言いつけてやるとケインに言う。

ジャックのレンタカーですがトランクに死体を積む時にTaurusと見えます。
→ 1992 Ford Taurus GL
血のついたジャックのコートをわざわざ返しに来てます。
ここをジェニーに見られたわけです。

自宅にて。
まだ枕を押し付けられてるジェニー。さすがに死んだみたい。
ジェニーをボルボに乗せて捨てに行くケイン。

沼地にて。
ボルボごと沼地に沈めているケイン。
ここは『サイコ』(1960年)そのままです。ジェニーが気がつくところは少し違うけど。
ジェニーは助けてと叫ぶがそのままボルボは沈む。

警察にて。
ケインがジェニーの捜索願に来てます。
容疑者のモンタージュも作成します。ジャックそのままにしてる。
似顔絵担当はピーター。

元刑事のじいさんがニックス博士にソックリだと言う。
このじいさんは早く帰れと露骨に迷惑がられています。定年退職したのにここにいるようです。いいのか?
じいさんが言うにはニックス博士は子供を5人も誘拐した・・。

じいさんと似顔絵作成のケインを遠近合成しています。
遠近に両方にフォーカス出来る特殊レンズを使ってるという解説もあります。そんなのは聞いたことがない。そうなの?

その時に証言したのがリン・ウォルドハイム博士でもう呼んだとじいさん。
さすがベテランで仕事が早い。

沼地でクルマと死体が発見されたち電話が入る。
で、ちょうど来たリン・ウォルドハイム博士と刑事2人の移動の長回しシーンになります。

エレベーターも経由しての長回しです。
このシーンは正直言って素晴らしい。リン・ウォルドハイム博士の長セリフもあるし。
最後の死体の顔をやり過ぎだと思うけど。

公園にて。
ジャックが逮捕されるシーンです。
レンタカーのトランクにしっかりと死体が入ってます。そりゃ逮捕されます。

自宅にて。
ニックス博士から電話を受けるカーター。
TVニュースではベビーシッター殺しの容疑者逮捕とやってます。
ベビーシッターはカレン・ボーマー。そうなるとプロローグでクロロフォルムを嗅がされたのは誰なんだ?

そんなとこに子供の監視カメラのモニタにジェニーが映る。
これはビックリのカーターは様子を見に行きます。
いきなりジェニーに切りつけられて馬乗りにされるカーター。
エイミーはどこ?と詰問するジェニー。
ここでカーターが二重人格だとわかるシーンになります。
それにしてもジェニーはよくクルマから脱出が出来たな。とても素人とは思えん。普通は死んでます。
警察もやって来たようで大騒ぎになってます。

警察にて。
事情説明を聞くジェニーとジャック。
また遠近合成になってます。
リン・ウォルドハイム博士が説明する。ここは『サイコ』(1960年)そのままです。
それで子供の居場所を聞くために催眠術で行こうとなります。

1人のとこでケインから言われてヘアピンを拾うカーター。

カーターとリン・ウォルドハイム博士。
催眠術で色々な人格が出てくるカーター。
そんなこんなで頭突きでリン・ウォルドハイム博士をノックアウトするカーター。
ヘアピンでドアのロックを解除してズラかります。
時刻は03:45AM

ロビーにて。
階段上でタバコを吸ってるジェニー。
リン・ウォルドハイム博士みたいな人物が外に出て行きます。ジェニーが呼んでも知らんぷりして出て行きます。
そんなわけでタクシーに乗ってる謎の人物を自分のクルマで尾行するジェニー。
→ 1987 Chevrolet Caprice 9C1 タクシーです。

取調室にて。
リン・ウォルドハイム博士は身ぐるみ剥がされています。かつらまで盗られてる。

モーテルにて。
ここに入るタクシー、それからジェニー。
携帯電話で通報するジェニー。刑事からそこを動くな何もするなと言われるがそうしないジェニー。
トラックが尖った物を積んでるのをわざとらしく映してます。
→ 1960 Ford F-Series

エレベーターにて。
例の人物と同乗してるジェニー。
エレベーターのドアが開いたら外にニックス博士がいます。君が息子の嫁だねと言われてるジェニー。結構普通だ。
何だかんだあってエイミーは当然助かります。

エピローグ。公園にて。
ママ友のサラを話しをしてるジェニー。
この人は話を聞くだけのキャラのようです。
ジャックと一緒になってるジェニー。カーターは変装したままモーテルから消えた。

エイミーが公園奥に行ったので探しに行くジェニー。
ここで女装したカーターが見えてエンドとなります。


そんなわけでいいかげんにしては面白い作品です。
果たしてあなたは次々と繰り出されるフェイクやハッタリについていけるかがこの作品の評価の分かれ目です。



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