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2005.10.20

『イブの三つの顔』

この作品はナナリー・ジョンスン監督・脚本、ジョアン・ウッドワード主演の多重人格ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1957年 20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆91分
原題◆The Three Faces of Eve
プロット◆多重人格で苦労するヒロインの話しのようです。
音楽◆ロバート・エメット・ドーラン
◆スカイパーフェクTV313スター・チャンネルにて。画質は結構よい。VHS録画してから随分と年が過ぎていますが劣化はあまりなかった。途中でトラッキングが乱れるとこがありましたが。
◆20世紀フォックス発売のDVDにて。画質は非常によいです。さすが20世紀フォックス正規発売DVDです。スクイーズ収録のフル表示です。画面サイズはワイドで上下黒味あり。

キャスト
ジョアン・ウッドワード→3つの人格のヒロイン、イブ・ホワイト/イブ・ブラック/ジェーン
リー・J・コッブ→ルーサー医師
エドウィン・ジェローム→隣の老デイ医師
デビッド・ウェイン→夫のラルフ・ホワイト氏
ケン・スコット ジェーンにプロポーズするアール

ナナリー・ジョンスン監督の演出はよいと思います。もちろん脚本も兼任しています。脚本家出身の監督にしてはだらだらとやたらに長くならないのがこの監督のいいところです。
これはもたもたしたとこをやたらと編集で切りたがるダリル・F・ザナックの元で働いていたからでしょう。

キャストは渋すぎでジョアン・ウッドワードとリー・J・コッブの主演の2人以外は誰も知らない人ばかりです。
さすがスターのいない20世紀フォックスと感心する。ダリル・F・ザナックは最初はスターがいないもので脚本が1番大事というのがポリシーだったそうです。そんなことからいつまでたってもあまりスターがそろわない20世紀フォックスといった印象があります。スターがいないから脚本重視なのか、脚本重視だからスターがいないのか。どちらなのでしょう。

前説があります。これは実話ですとなっていました。
1951年のジョージアからとなります。この前説の声で話しは進行します。この人が誰なのかわからん。

診断で多重人格の症状として声が聞こえて命令するとなっていました。
聞こえると自覚症状があるうちはまだ正常とのこと。自覚症状がないと被害妄想等の別の症状となるようです。

別人格と変わる描写はジョアン・ウッドワードの演技と音楽だけでやっています。
あまり凝らないのがさすが脚本家出身の監督だとなります。音楽が変わり人格も変わり別人となる見ててけっこうわかりやすい。シンプル過ぎていいものです。

おとなしく従順なイブ・ホワイトから束ねていた髪をほどいてやたらと色っぽくて買い物好き遊び好きなイブ・ブラックとなります。
こっちの方がいいじゃないと思えますがイブ・ブラックは自分は生んでいないと実の娘の首を絞めたりするのがこまったものです。
イブ・ホワイトにイブ・ブラック、白から黒へというのも随分とわかりやすいものです。

多重人格の原因はやたらは脅迫的な言動をとる旦那にあるのでは思えてきます。
この旦那は想像力ゼロで多重人格が理解出来ないようです。実際に見てもまだ理解していないようです。疑り深い旦那のせいで奥さんの病気はますます悪化するようにも見えます。
イブ・ブラックになってドレスを着て酒場で歌うシーンがあります。歌は吹き替えでしょう。ドレス姿でベッドで横になってるシーンが妙に色っぽくていいです。

気の利いた描写があってタバコを吸うイブ・ブラックからタバコを吸わないイブ・ホワイトに変わるときにルーサー医師は手に持っていたタバコを取ってやっていました。

そんなこんなで今度は第3の人格ジェーンが現れます。
最初は私は誰でしょうと言ってますがそのうちジェーンと名乗ります。イブ・ホワイトもイブ・ブラックも娘を育てる能力に欠けているとのことです。そのため第3の人格が登場するのかもしれません。

ジェーンは子供の頃の記憶がないと催眠治療となり記憶をたどります。そこには意外な事実がとなります。どうやらこの過去の記憶がポイントとなっているようです。
で、イブ・ホワイトは絶望して死に至ります。というのは出なくなってしまうのです。後を追うようにイブ・ブラックもいなくなります。
そんな感じで後味よくラストとなります。希望を持たすようにして終わるのはダリル・F・ザナックの時代の20世紀フォックスの特徴です。大甘な結末ではないとこがまたよろしい。

本『ぼくの採点表』の『夜の人々』(1954年)で、2、3人の人物だけいれば映画が出来ると豪語しているらしいとして映画批評家双葉十三郎氏の怒りを買ったナナリー・ジョンスン監督。『夜の人々』はドアが開け閉めしているだけと酷評されていました。その他でもシネマスコープを全く生かしていないとまた酷評されていました。

この作品でもシネマスコープ=ワイドスクリーンに何の意味もない撮り方になっています。
ワイドスクリーンをトリミングしてTVサイズでの放映になっていますが全く影響を受けてなく、それでもつまらなくはなっていないのである意味ではこれも凄いと思います。ワイドスクリーンを生かしているとこはヒロインがベッドで寝ているとこぐらいかもしれません。


ジョアン・ウッドワードは少しメソッド演技過剰のような感じ。
アカデミー賞受けはいいと思うけど。

◆DVDにて。
シネマスコープです。シネマスコープ・ピクチャーと出ている。
タイトル。

映写室にて。
前説でわざわざ人が出てきて喋っています。役者だと思うけど。
実話です。しつくこ強調しています。
1951年 ジョージア州。

1951年08月20日
ルーサー医師のところに診察を受けにやって来る夫婦。
ワトキンス医師からの紹介で来たらしい。
娘ボニー4歳半。

リー・J・コッブが先生では少し怖過ぎるような感じ。
会話シーンの切り返しはやっていません。

時間経過の描写から自宅です。
診察から1年後、事態は悪くなっている。

1952年、春。
ドレスとハイヒールが買い込んであります。
イブ夫人には記憶がない。
全部返品すると旦那は激怒しています。
返品の仕度をして目を離していたらイブ夫人は娘ボニーをの首をヒモで絞めています。慌てて止める旦那。

診察中となります。
ドレスは買っていない。娘の首も絞めていないとイブ夫人。
ルーサー医師はまず何故旦那は嘘をつく?から始めています。
声が聞こえるとイブ夫人。それが異常だと思ってればまだいいそうです。
本格的に声が聞こえてそれを疑問に持たないのが異常だそうです。そうなると幻聴を自分専用のラジオかレーダーだと思い込み優越感に浸るそうです。凄いね。

ここで最初の人格交代となります。
「いい気分だわ」だって。
イブ夫人をイブ・ホワイトと言ってます。自分はイブ・ブラックだって。
束ねている髪をほどいて「ダンスに行きましょう」だって。
自分でイブ・ブラックと言っています。
元々姓がブラック何だと。で、旦那の姓がホワイトらしい。まあそれは実話通りの名前に出来ないのでちょうどよく変更したのでしょう。
「ボニーは私の子ではない」とか言ってます。
これにはビックリのルーサー医師。隣の年配のデイ医師を呼んできます。

2人で診察となります。
「出たい時には出れるのか?」と医師。
「上手くいかないけど、今に出たままになるわ」とイブ・ブラック。
デイ医師は「芝居だ」と判断しています。
あっというまにイブ・ホワイトのイブ夫人に戻っています。これにはびっくりのデイ医師。

1952年05月17日
イブ・ホワイトは大学病院に入院する。
イブ・ホワイトはイブ・ブラックの方を知らないらしい。
詩の朗読をしているイブ・ホワイト。
結婚生活はどうです?、いいえとイブ・ブラック。

旦那のラルフですがTVシリーズ『おくびょうなカーレッジくん』に出てくるユースタスのようなキャラです。ホトンドそのまんまです。
細かいことにうるさくて、単にうるさい。これだけです。

夜の病院にて。
イブ・ブラックになって大学病院の医師を部屋に連れ込んでます。
慌てて部屋を飛び出してルーサー医師に電話して「とても元気です」とやってる。

イブ・ブラックに説教するルーサー医師。
これ以上面倒をおこすと鉄格子の病室行きだと言っています。
まず2つの人格を統合しようとしているようです。
あっというまにイブ・ホワイトになっています。多重人格の話しをしているルーサー医師。

旦那のラルフに多重人格の説明をするルーサー医師。
多重人格は精神異常ではないと言ってる。
ですが旦那のラルフに全くわかってもらえません。

で、旦那のラルフに多重人格の実演を見せます。
イブ・ホワイトからイブ・ブラックに変わります。
そんな感じであっという間に人格交代を繰り返しています。
それでも旦那のラルフはまだ信じていない。

2週間で退院のイブ夫人。
多重人格は直っていないけど精神異常というわけではないから退院なんだと。
まあいいんじゃないといった感じです。

旦那のラルフは新しい仕事を見つけてマイアミに行く。
イブ夫人は残していきます。ボニーは実家に預けてある。

イブ・ブラックでめかし込んでダンスホールに行きます。
歌っているイブ。
8ドルもつぎ込んだやらせろと兵隊。イブ・ブラックは逃げてイブ・ホワイトになってしまいます。ここは泣いてごまかせました。

旦那が戻ってきます。
お前を連れて行くと旦那。治るまでここにいると主張するイブ夫人。
口論となります。ダンスホールに行ってるなと責めています。そんなことは知らないと主張するイブ夫人のイブ・ホワイト。
一緒に行かないのなら離婚だと脅かす旦那。出て行きます。
イブ・ホワイトからイブ・ブラックになっています。これで離婚出来ると喜んでいるらしい。

デキシー・モーテルにて。
旦那が泊まっているモーテルです。ここにドレス姿のイブ・ブラックがやって来る。
旦那と面会となります。離婚のダメ押しか?
イブ・ブラック相手にやる気満々の旦那。ドレスを買ってやるとか、やらせろと迫っています。

クルマで移動です。
どうやら旦那とイブ・ブラックは一緒にフロリダ行きのようです。

フロリダのダンスホールにて。
新しいドレスで踊るイブ・ブラック。旦那はいない。

部屋で待ちぼうけの旦那。
イブ・ブラックが戻ってきます。激怒している旦那をイブ・ブラックの顔を張って出て行きます。
そうなるとイブ・ブラックは消えてイブ・ホワイトになっています。泣いてるイブ・ホワイト。

医師2人は相談中。
どうやら離婚したようです。離婚のことより治療が上手くいかないとやっています。
イブ・ホワイトもイブ・ブラックも能力に欠けていると言ってる。
6歳の頃からそうなっていたらしい。

面会です。イブ・ブラックさんが来ました。と受付。
イブ・ホワイトが手首をカミソリで切って自殺未遂をしたと迷惑そうなイブ・ブラック。
イブ・ブラックも記憶が飛ぶとか言ってます。イブ・ホワイトに交代します。
ルーサー医師はイブ・ホワイトになる前に持っていたタバコを取り上げています。芸コマな描写がいい。

催眠治療となります。
ルーサー医師に「どなた?」と来ます。ということは新しい人格です。
名前を聞かれたら「わかりません」だって。
隣のデイ医師を呼んできます。また2人で診察となります。
「私はホワイト夫人ではない」と称しています。「私の名前とジェーンでどうですか」なんて言ってる。
で、溶暗となります。

人格交代のモンタージュです。
ジェーンがボーイフレンドのアールとクルマで帰宅です。
「結婚出来ないわけを言ってくれ」とアール。
正直に話してるジェーン。もちろん驚愕しています。
このアールという男は見た目はヤクザッぼいけど性格はいいらしい。

1953年09月17日の午後。
治療となっています。死んだとか言ってるけど何が?
イブ・ホワイトにジェーンはどう?と聞いています。
日曜にボニーと面会したことを話してる。どうやらボニーはジェーンが好きらしい。
イブ・ホワイトは自分が死ぬと思っているらしい。
ジェーンに変わります。ボニーに会った時のことを聞きます。

回想となります。
ボールが床下に入って取りに入るジェーン。
ここで何かが起こります。少女時代に戻ったようです。子役になるのではなく床下のセット自体が大きくなっています。わざわざ違うサイズのセットで撮ったようです。

イブ・ホワイト夫人に変わります。
小女時代のことは覚えていないと言ってる。
それなら催眠療法だとなります。

5歳の頃、6歳の頃。
ボールが床下へ。青いカップ。ブルー・チャイナ・カップ。
イブ・ブラックに変わります。ママに虐待されていたのか?
どうやらイブ・ブラックはジェーンは苦手のようです。
赤いドレスをあげるとルーサー医師に言ってるイブ・ブラック。グッバイと言ってます。

ジェーンに変わります。
イブ・ホワイトに変わります。嫌なことを思い出したのか泣き叫んでいます。

どうやら真相は葬式で棺桶に入ってるおばあさんにキスをさせられたのがトラウマになっていたとわかります。

ジェーンは昔の記憶が全部わかるようになったようです。
そうしたらイブ・ブラックもイブ・ホワイトも消えたようです。呼び出しても出てきません。

エピローグ。
1955年09月17日 リッチモンドからルーサー医師に手紙が届く。
アールと結婚してボニーも一緒にいるジェーン。
エンドとなります。

結局シネマスコープの意味がない作品のような感じ。まあいいけど。
そんなわけで多重人格物のマスターピースといった感じのよい作品でした。



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