『ハーヴェイ・ガールズ』(1946年)
この作品は『ザッツ・エンターテインメント』(74年)でのジュディ・ガーランドの歌"On the Atchison, Topeka and the Santa Fe"が入ってるミュージカルです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1946年 MGM アメリカ作品
原題◆Harvey Girls
スカイパーフェクTV310衛星劇場にて。松竹系の衛星劇場ですが松竹作品には興味はなくて1960年代の大映とハリウッド映画クラシックがお目当てです。
画質は結構よい。テクニカラーです。
プロット レストラン進出で色々ある話しのようです。
キャスト
ジュディ・ガーランド→汽車に乗って来たスーザン
ジョン・ホディアク→酒場オーナーのトレント
アンジェラ・ランズベリー→酒場の歌姫エム
レイ・ボルジャー→蹄鉄屋のクリス
バージニア・オブライエン→蹄鉄屋の奥さんアルマ
プレストン・フォスター→判事のパーヴィス 悪役です。
チル・ウィルズ→カウボーイのH.H.ハーツィ
ケニー・ベイカー→ピアノ弾きのテリー
シド・チャリシー→ハーヴェイガールズのデボラ
ジョージ・シドニー監督の演出はよいと思います。
タイトルでキャスト=役名の紹介までしています。シド・チャリシーの名があった。どこに出てる?→ハーヴェイガールズの1人で出ていました。
製作はアーサー・フリード。ということは本物のMGMミュージカルとなります。
ミュージカルなので本編は長く感じますが歌が入ると時間の進行が早く感じます。実際そんなものです。
前説があります。レストランチェーンのハーヴェイのウエイトレスに捧げる等。
汽車のデッキでジュディ・ガーランドが1曲披露。このシーンはスクリーンプロセスで処理しています。
客室に戻りサンドイッチを貰います。これでジュディ・ガーランド扮するスーザンはハーヴェイガールズと知り合います。スーザンは新聞広告で知り合ったH.H.ハーツィなる男と会いに行くとのことです。
サンドロックに着きます。
やはり本編は退屈なような。これはミュージカルシーンが良過ぎるからで普通の出来の本編では見劣りがしてしまます。この点は損をしています。
H.H.ハーツィの結婚祝いから歌"On the Atchison, Topeka and the Santa Fe"に入ります。これが有名な歌です。汽車が着いたとこからまた盛り上がります。このシーンは『ザッツ・エンターテインメント』(74年)ではカットがあったようです。
アニメの『トムとジェリー』(映画版ですよ)で汽車が走るシーンではこのナンバーが使われていたりします。なるほどMGM製作が共通してるからそうなるのかとなります。
初対面のH.H.ハーツィに会うスーザンですが手紙と代筆を知りスーザンは代筆をしたトレントに文句を言いに行きます。ミュージカルならではのボーイ・ミーツ・ガールな展開となっています。いいもんだ。
そんなこんなで結婚はせずにハーヴェイガールズに入るスーザン。
ハーヴェイガールズとは尼僧風のメイドのコスプレのウエイトレスです、この姿でサービスするレストランというわけです。カウボーイはイチコロとなるわけです。→秋葉原にメイド喫茶が進出したようなものです。全然違うような気もしますが・・・
ウエイトレスのマニュアルソングでミュージカルシーンとなります。
ハーヴェイのレストランに来るトレント。
ジュディ・ガーランドはここでも左手で字を書いています。本物の左利きのようです。トレントからステーキをレアでの注文ですが肝心の肉がありません。
それでスーザンは2挺拳銃で武装して酒場に行きステーキ肉を取り返します。この一連のシチュエーションはまあ誰も本気ではないお笑いの一席となっています。
夜のバルコニーでハーヴェイガールズ3人の歌が入ります。
デボラの役名でシド・チャリシーがいます。もう1人は不明です。
3人が寝ようとしたとこに銃弾が1発撃ち込まれます。テロです。
悪役の判事が黒幕です。
レイ・ボルジャー扮する蹄鉄屋のクリスが登場。バージニア・オブライエンが扮する奥さんのアルマも登場し、蹄鉄屋のクリスのお笑いの一席からアルマの歌が入ります。これは見事な歌でした。
酒場にて。
ピアノ弾きのテリーに会いに行くデボラ。テリーのラブソングが入ります。
2人で話しをするシーンですがシド・チャリシーは息をするたびに身体にフィットしたドレスが膨らんだり縮んだりします。エロチックで非常によろしい。TVで見てわかるのですから、これをTVもない当時にテクニカラーの大スクリーンで見たらたまらんですね。これがよく当時の検閲機関ヘイズオフィスを通ったものです。
シド・チャリシーのダンスも少々あります。ホントに少しだけです。
デボラのことを心配して酒場に乗り込むスーザンですが逆に酒場側の歌手やダンサー達に取り囲まれる。デボラは助っ人を頼みに飛んで帰る。
そんなわけでウエスタンに付き物な酒場の大乱闘となります。男は抜きで女性だけのキャットファイトのバトルロイヤルになっているのがいいです。サービス満点となっています。
ハーヴェイガールズのパーティとなります。
レイ・ボルジャーの蹄鉄屋のクリスが登場して見事なタップダンスを見せてくれます。これは素晴らしい。
新しいダンス ワルツの踊り方マニュアルのダンスシーンとなります。イブニングドレスの群舞となっています。素敵。
アルハンブラ酒場を移転することになります。
そんな時にレストランで火事騒ぎが起こります。黒幕の判事は殴り合いとアクションシーンとなるトレント。
移転するアルハンブラ酒場が仮店舗となるレストラン。オチがついてる。
エピローグ。
町を出て行く汽車にて。トレントは乗らなかったが一緒にいたいスーザンは乗ってしまった。事情を察したエムを汽車を止めてスーザンを下ろします。トレントが迎えに来ていてエンドとなります。ミュージカルらしいハッピーエンドになっています。
そんなわけで思っていたより出来がよく正直言って面白いミュージカルのよい作品でした。
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