『キャット・ピープル』(1981年)
この作品はナスターシャ・キンスキー主演のホラーのようなメロドラマで、オリジナルの『キャット・ピープル』(1942年)のリメイクです。
お気に入りの作品なのでDVDで買って見ました。ようやくDVDが発売されたというのが正直な感想。これで無粋なボカシが入っていたら頭にきてしまいそうです。果たしてどうなのか?
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1981年 チャールズ・フライス・プロ/RKO/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆118分
原題◆Cat People
プロット◆キャット・ピープルとして苦悩する話しのようです。
音楽◆ジョルジョ・モロダー 『スカーフェイス』(1983年)とあまり変わらんような感じもします。ジョルジョ・モロダーは映画でのキャリアは一瞬でした。いわゆる彗星のきらめきというやつです。
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質はそれなりによい。再生の終りに執拗に海賊版に対するアラートが出まくりとなっています。何故か中国語?が先に出ていて後に日本語となっています。ユニバーサル・ピクチャーズはおかしな会社です。
キャスト
ナスターシャ・キンスキー→ヒロインのアイリーナ・ガリエ
マルコム・マクダウエル→兄のポール・ガリエ
ジョン・ハード→園長のオリバー・イェーツ
アネット・オトール→動物園のアリス
エド・ベグリーJr.→動物園のジョー
ルビィ・ディー→家政婦のフェモリー
リン・ローリー→売春婦のルーシー
デビッド・プラックウェル→バスでの眼鏡の男
パトリシア・パーキンス→黒人女性のタクシードライバー
ネヴァ・ゲイジ→黒い服の女性
エメリー・ホリアー→相棒のイェートマン
ポール・シュレイダー監督の演出はよいと思います。
特殊効果にアルバート・ホワイトロック。
特殊メイクはトム・バーマン。
製作総指揮にジェリー・ブラッカイマーの名があってたまげた。この作品にはお得意の爆発シーンはないのですけど。
プロローグ。いつの時代かは不明な古代のシーン。
黒ヒョウに木に縛りつけられた生け贄が捧げられます。
洞窟に入る生け贄の女性からオーバーラップしてナスターシャ・キンスキー扮するアイリーナへとつながります。
アイリーナはニューオーリンズ空港にやってきたばかりです。
マルコム・マクダウエル扮する兄のポール・ガリエが迎えに来ています。いかにもな異形の凄い兄妹です。
ポールの家に着くアイリーナ。
3つのお手玉が出来るナスターシャ・キンスキー。これは『ワン・フロム・ザ・ハート』(1982年)でそのようなキャラクターを演じたから出来たのでしょう。
売春宿に出勤してきた売春婦がお客だと思ったら黒ヒョウと遭遇してしまいます。必死で逃げる売春婦。夜が明けてから動物園から4人やってきます。黒ヒョウをガスガンで麻酔針を撃ち込み捕獲します。ここはアクションシーンになっています。
ここで黒ヒョウが苦し紛れに壁に体当たりしたとことシンクロしてアイリーナが起きるシーンがあります。これはいいシーンです。
ニューオーリンズ観光をするアイリーナ。
ロケが素晴らしい。ニューオーリンズを舞台としたロケがいい作品は『愛のメモリー』(1976年)や『タイトロープ』(1984年)とか結構あります。ここでのナスターシャ・キンスキーはノーブラです。素敵。
タクシーから降りて動物園に入るアイリーナ。
夜の動物園でジョン・ハード扮する園長のオリバー・イェーツと知り合います。つまらないジョークが得意技の園長のオリバーはアイリーナを夕食に誘います。
食事をする2人。牡蠣を食べています。このようなシーンの1つ1つが何故か魅力的なのです。これはなんといっても撮影当時20歳という若さのナスターシャ・キンスキーの魅力のおかげなのです。
園長のオリバーに売店の仕事を世話してもらうアイリーナ。
動物園の描写でTVでソープオペラを見るオランウータンがあります。このソープオペラはわざわざ撮ったものらしい。IMDbで調べたら出てるのが結構有名なレイ・ワイズだったりします。レイ・ワイズは『ヒューマン・キャッチャー ジーパーズ・クリーパーズ2』(2003年)に出ています。
アリスと飲みに行くアイリーナ。
黒い服の女性に声をかけられます。これは単なるオリジナルからの引用で特に伏線とはなっていません。
動物園にて。
黒ヒョウに腕を噛み切られて職員のジョーは死亡する事件起きます。その夜アイリーナが家に帰るとポールは帰宅しています。ここで自分たちがキャット・ピープルであることを説明してアイリーナに迫りますがアイリーナは窓から逃げる。通り掛かりのパトカーに助けを求めるがポールは消えています。
気のせいと警官を帰そうとするが警察犬が地下室にある死体の臭いを嗅ぎつけて大事となりアイリーナは家にはいられなくなります。
オリバーの家に行くアイリーナ。
トヨタ ハイラックスのトラックで2人でドライブとなります。このシーンが何とも素敵です。
湖に着き小屋にポートを漕いで向かいます。この小屋はオリバーの相棒のイェートマンと建てたとのことです。
夜になって小屋の外でウサギを獲るアイリーナ。このシーンではボカシはなくなっていました。これでようやく普通に見れるようになりました。
ポールの方は墓地がナンパをしています。
当然のなりゆきで人間に戻るためにナンパした相手を食い殺してします。
オリバーの家から出るアイリーナ。止めるオリバー。木の上から見ているポールとなります。結局アイリーナは戻ります
夜にポールがアイリーナの部屋に乗り込んできます。
アイリーナはガラス片でポールを刺して逃げる、そこにオリバーが帰って来て一騒動あってポールは黒ヒョウの姿で死に至ります。
死んだ黒ヒョウを解剖するオリバーですが胃袋からは腕が出てきて黒ヒョウは消失してしまいます。これはビックリなシーンです。
列車にのってニューオーリンズを出るアイリーナ。
幻想でポールと再会します。
アイリーナはニューオーリンズに戻ります。
アリスに絡むアイリーナ。絡む理由は不明です。オリジナルを引用するためとしか思えません。まあいいけど。
路面電車と衝突しそうになるアリス。これもオリジナルからの引用です。ニューオーリンズの路面電車は欲望という名の電車となります。。
プールで黒ヒョウの吠えるのを聞き脅えるアリス。服がズタズタになるとこもオリジナルの通りです。アリスを演じるアネット・オトゥールさんのヌードが何故かあります。
オリバーの家に来るアイリーナ。
セックスをして黒ヒョウに変身してしまいます。そのまま逃亡となり橋の上に追いつめられて川に飛び込んで逃げ去ります。
ボカシ無しで見たところかんじんとこはそんなに見えてないではないか。何であんなに執拗にボカシを入れてたのか理解に苦しみます。
橋の上でのシーンではヘリコプターからのサーチライトのショットが印象に残ります。他の作品でも印象的だったりします。
で、なんだかんだあってエピローグの動物園のシーンとなります。
黒ヒョウを愛撫するオリバー。ハッピーエンドのような妙なラストとなります。
ナスターシャ・キンスキーは服を着ててもヌードでも魅力的です。この作品はキンスキーでもっています。
この当時のナスターシャ・キンスキーはイングリッド・バーグマンの再来と言われていました。現在に至ってはキンスキーはキャリアではバーグマンより上回っているような感じです。作品選びに関して結構アバウトなキンスキーは玉石混交といった感じで、バーグマンの方は絶対に傑作なければ出ないという割には失敗作が多いといった感じです。
この2人を比べれば意外と途切れなく出演し続けて作品数の多いキンスキーの方がよいキャリアを積んでいるように思えます。
兄のポール・ガリエを演じるマルコム・マクダウエルはいつもの通り怪しさ全開でした。
園長のオリバー・イェーツを演じるジョン・ハードは好演しています。
エド・ベグリーJr.のオヤジを見たことがない。確か『十二人の怒れる男』(1957年)に出ている筈です。野球の話しをしている男らしいんだけれど確定は出来ない。→エド・ベグリーは陪審員10で差別主義のオヤジのようです。意外と気になったりしてました。
旧LD盤のいい加減なボカシの入れ方にはまいった。あれは多分動く範囲を修正するのが面倒臭かったか時間がなくて、ボカシを入れる肝心な部分が動く範囲全部にボカシを入れたら画面の大部分にボカシが入ったというとこでしょう。
そのような入れ方なのでナスターシャ・キンスキーの顔にまでボカシが入っていたりましす。もしかしてナスターシャ・キンスキーの顔が猥褻なのでボカシが入るのではと思わず納得してしまうとこでした。
で、DVDはいい加減で執拗な入れ方のボカシは無くなっていました。当然のことです。そんなわけでボカシとは関係なくナスターシャ・キンスキーが素晴らしいよい作品でした。
« 『スターマン』(1984年) | トップページ | 『恐怖の足跡』(1962年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1980年代」カテゴリの記事
- 『燃えよNINJA』(1981年)(2021.05.23)
- 『SFソードキル』(1984年)(2021.05.22)
- 『フライングハイ』(1980年)(2021.04.25)
- 『フライングハイ2 危険がいっぱい月への旅』(1982年)(2021.04.24)
- 『ナイト・オブ・ザ・コメット』(1984年)(2020.08.16)
コメント