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2005.08.06

『ワンダーランド駅で』(1998年)

この作品はブラッド・アンダーソン監督のすれ違いメロドラマです。ですが全く面識のない人同士なのですれ違いと言うのもおかしな感じです。よくわからん。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1998年 ロビンズ・エンターテインメント/ミラマックス アメリカ作品
原題◆Next Stop Wonderland
プロット 運命はありましたという話しのようです。
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて見ました。画質はよいです。
音楽 クラウディオ・ラガッツィ

キャスト
ホープ・デイビス→看護婦のエリン、29才
フィリップ・シーモア・ホフマン→別れた男のショーン
アラン・ゲルファント→海洋学者志望のアラン、35才
ジェレミー・ゲイド→古本屋の主人
サム・セダー→アランの弟ケビン
キャリー・ソーン→エリンの同僚の看護婦クリケット
ポール・ワグナー→水族館の警備員ボブ
ビクター・アーゴ→ヤクザの金貸しフランク
カーラ・ビューノ→アランと同じゼミのジュリー
ブロンウィン・シムズ→弟ケビンの喧嘩相手トレーシー
ホセ・ズインガ→マラリアの学者アンドレ

ブラッド・アンダーソン監督の演出はよいと思います。
脚本と編集も兼任していました。
出だしはドキュメンタリー・タッチの演出になっています。手持ちカメラの動きで会話シーンの切り返しまでやっていました。会話シーンでの普通の切り返しをやっていません。後の方で会話シーンの切り返しをやるようになっていますけど。
歌が流れていますがこれがボサノバなのですか。よく分からんけどとても合っていると思います。
遠景での曇り空はCGで描写しているようです。CGは使いようによってですが便利な道具です。

くすんだ冴えない画調からこれは英国が舞台なのかと思ったらアメリカのボストンでした。それなら英国調に見えるのは当然ですかと納得出来たりします。
2人はそれぞれ地下鉄に乗って空港駅や水族館駅に行きます。
水族館は建設会社ともめてる設定になっています。ちゃんとこの設定がいかされていました。

ヒロインのホープ・デイビスはブロンドの細面な美人です。神経症的とも言えたりして。1966年生まれで29才という設定。
ハロウィンで魔女のコスプレをするのがキュート。これで見たようなものです。
ホープ・デイビス扮する看護婦のエリンの母は有名人のようです。ヒロインの父は既に亡くなっています。娘が心配で勝手に新聞に恋人募集の広告を出したりしています。広告の効果で伝言が多数のモンタージュの描写があります。説明セリフがないのがいいです。
何でわざわざ母が出した広告でも申し込んだ男に会っているのかと突っ込みたくなりますがそうしないと話しが進行しないからでしょう。このあたりから会話シーンの切り返しをやるようになっています。途中から演出のコンセプトが変わったようです。
自分らか喋りまくって相手が精神分析医と知ったら黙っていたりします。

で、広告のエリンを賭けの対象にする男達という設定があり、ここで同じ話題を使ってしまったとこで運の尽きでエリンに気付かれてしまいます。当然のことか。その結果として別々に呼び出されたレストランで仲間割れをしていました。このあたりの描写は覗きの視線で『裏窓』(54年)並みの描写でした。
偶然に運命の男アラン・ゲルファント扮するアランを見てるとこもあったりして、このリアクションショットを入れたりするとこが上手いです。
エリンは学者タイプの男が好みのようです。ですから結果的にはちょうどよかったということになります。

アラン・ゲルファント扮するアランは海洋学者志望で水族館でボランティアをしながら勉強中で、アランの父はワンダーランドのドッグレースに入れ込んでいて金貸しに脅かされる日々。
金貸しから水族館へのサボタージュを強要され苦肉の策をとったりしていました。水族館の人気者ハリセンボン殺害を偽装して自分の部屋の水槽に退避させていました。

2人の対比を徹底して描写しています。すれ違いとはいっても2人はまるで面識がないのですから少し違うような感じがしますが。
ホープ・デイビスとアラン・ゲルファントの2人は地下鉄ではガラス越しですれ違い。
この2人にはケミストリーがあるということのようです。アランの弟は賭けに参加していて電話がかかってきたところで無言でも通じるような2人の描写。これがケミストリー?
映像に他のシーンの音声がオーバーラップする手法がありました。使い方にもよるけど、これが好きな手法なんです。

ビデオカセットレコーダーのことをVCRと言ってました。そのまんまやんけ。
パソコンはマックでした。SE30?随分前のモデルのようです。

これは素敵なすれ違いの作品でした。
で、延々とすれ違いをする話しで日本で作ったらしょうもないメロドラマが出来るでしょうね。それは日本映画史的に証明されています。

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