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2005.08.16

『機動警察パトレイバー2』

この作品は押井守監督の近未来警察物アクションの続編で戦争映画でもあるようです。このシリーズは『機動警察パトレイバー』(1989年)が9月で『機動警察パトレイバー2』(1993年)が2月となっているようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1993年 バンダイ/東北新社/松竹 日本作品
ランニング・タイム◆113分
プロット◆外国にて部下を見殺しにされたことを逆恨みして東京を戦争状態にする話しのようです。
東京に戦争体験をさせるハナシか?
予算獲得のために小細工をしようとしたら大事になってしまったという話しでもあるようです。
音楽◆川井憲次

バンダイ発売のDVDにて。画質は非常によいです。
効果音より音楽の5.1ch化がよく感じます。
効果音もよくなっています。不自然ではない仕上がりです。5.1ch化は前作よりこの作品の方が上手く仕上がっているようです。
VCですがセリフのみサウンドトラックは残っていてメインキャラは録り直しも変更もありませんがサブキャラは変更されています。
府中の中部方面隊防空司令部の指令とその補佐に成田管制塔の管制官のVCは変更になっています。
正直言って根津甚八は合っていないような。ついでに変更してもよかった。
水族館での足音はよく響いています。
出動云々での隊長室内でヤカンの煮立つ音がよく響きます。


キャスト→VC
第2小隊 隊長 後藤喜一→大林隆之介
課長代理兼第1小隊 隊長 南雲しのぶ→榊原良子
元自衛官 柘植行人→根津甚八
自衛隊情報部 荒川茂樹→竹中直人
捜査課の松井刑事→西村智道

出向中の泉野明→冨永みーな
出向中の篠原遊馬→古川登志夫
警察学校の太田功→池水通洋
総務課長の進士幹泰→二又一成
山崎ひろみ→郷里大輔
特車二課整備班 シバシゲオ→千葉繁
特車二課整備班 元班長 榊清太郎→阪脩
警察学校の佐久間→仲木隆司
整備班のブチヤマ→立木文彦
進士夫人の多美子→安達忍
政治屋の海法部長→小島敏彦
小寺→大森章督
松山鷹志→ビデオ制作会社の男
アナウンサーの方々→【文化放送】 桂竜也 高橋小夜子 丹羽たか子 竹内靖夫 扇一平 伊藤佳子


押井守の演出はよいと思います。
これはマジな力作です。日本映画で戦争をこれほどまでマジに描いているのは見たことがありません。何が平和で何が戦争なんだ?とマジに迫ります。

溶暗を使っています。効果的です。なかなかのものでドラマ部のテンションが高いせいか溶暗になるとホッとする『赤い河』(1948年)並みの出来でした。これは凄いです。
英語のニュースや単なるその他大勢の声もつじつまがあっているようです。全く大したものです。

設定でドラマの集約化をしています。早い話し第2小隊だけで行動しなければならなくなるとこです。そうしないと第2小隊が埋もれてしまうからです。ドラマの集約化のゆえんです。埋もれなかったらエリート集団ではない第2小隊としてのアイデンティティがあやふやになってしまうのもあるのでしょう。難しいとこなのです。ですからそのように設定する訳です。『機動警察パトレイバー』(1989年)も『機動警察パトレイバー2』(1993年)もそうなっています。

状況の2つの意味。→状況と言う言葉は度々使われています。「ゴングゼロ」のコールサインの再度に渡る使われ方。これらが対比やアイロニーになっています。
どうでもいいような名前はスタッフの名がその他のキャラに流用されています。これはアニメ屋さんではいつものことです。

キャラデザインはオリジナルビデオシリーズ『御先祖様万々歳!』(1989年)のようになっています。押井守監督はは執念深いというか映画作家というか。なんせ黄色い飛行船も登場させています。
カラーデザインはモノトーン基調になっています。これも『御先祖様万々歳!』のようです。最初見てて色が落ちているのではと思う訳はないか。

マイナスポイントはVCの力み過ぎの演技です。南雲隊長の「どけ~っ」の絶叫芝居です。ここだけ力み過ぎでイマイチでした。見ててちょっちハズい。ですがこれで押しが強くなって評がよくなるポイントかもしれません。馬鹿らしいけど実際そんなものだ。→たかがアニメじゃないかと見たらこの演技を見てケチが付けにくくなった。このくらいの効果しかないかな。

CGが前回に続いて快調に使われていました。それに全部のCGが辻褄があっているのがこれまた凄い。
例によってコンピューターには光磁気ディスクが使われています。
モニターはハイビジョンになっています。ところが引退した榊のとこのTVは旧NTSCタイプなのがまたディテールの凝っているとこです。よい。さすがにロータリー式のチャンネル切り替えではなかったけど。

相変わらずディテールのデザインが凝っています。
やる気と時間とカネに加えて知識があれば何もかもが作れてディテールに凝れるのはアニメの大きなメリットです。それで演出がいいから尚ディテールが生きてくるのがこの作品です。

このシリーズの近未来ぶりは凄いもので大半が元ネタになりそうです。
クルマのウィンドーに投影されるディスプレーなんか凝っていました。クルマまでがデザインされています。だから松井刑事のクルマが何だか分かりませんでした。最初はVWビートルかと思ったけどハッチバックになってるんだから訳が分からなくなります。さしずめ2002年になってもニッサンが出しているレトロカーの類でしょう。他にも南雲隊長のクルマは架空のクルマ。ユーノスFX。よく出来たデザインです。モノホンでも通用しそう。
一部のクルマのナンバープレートがヨーロッパと共通な形になっています。これはいいね。ディテール凝り方には感心します。

飛行船のデザインは現行の物ではなくわざわざツェッペリン型のデザインになっているのがまたいい。凝っています。

篠原が使うクルマのワーゲンデリバリーはチョイと凝り過ぎなような。このクルマはTVシリーズ『ウルトラセブン』(1967年)でも古いくらいなのです。『狙われた街』に出ていました。

ケーソン工法とはパイプを沈めてトンネルにする工法だと記憶しています。この作品中でそのようになっているからそうなのでしょう。昔TVでこの説明を見た記憶があります。

プロローグ。1999年 東南アジアの某国にて。PKOではなくPKFというのも意味深です。
対レイバー戦にRPGを使用しています。この設定はリアルです。
ケビン・レイノルズ監督のアフガンゲリラがRPGを抱えて徒歩でソ連戦車を相手に攻撃をしかける戦争アクション『レッド・アフガン』(1988年)の対戦車戦のバリエーションとなっています。
CGで冒頭の戦闘シーンでバーグラフで残弾を表示していますか最初はフルスケールで発射にしたがってバーグラフの表示が減ってました。ここまでつじつまを合わせているのには感心する。
「可能な限り避けろ」のセリフは『機動警察パトレイバー』(1989年)にもありました。映画作家です。

篠原重工の出向している篠原と泉の2人。
ここからキャラ紹介のシーンが続きます。初めて見る人でも何とかわかるかもしれません。
ここに出てくる自転車は現在ヤマハが出している電動のモデルが進化したモデル?ようですが実際は制約や規制が多過ぎて現実でこのようになるのは無理だと思う。免許にヘルメットに値段に諸経費はバイク並みで、速度だけは自転車並みのなるのが関の山でしょう。実際そんなものだ。

南雲隊長はレイバーに関するプレゼンテーションをしています。終ってからは宴会の誘いを断り、クルマで特車二課に戻ります。警察学校の同期生の会話から色々と事情があるとわかります。
ベイブリッジにかかろうとしたとこでミサイルが橋を直撃のシーンとなります。

南雲隊長のクローズアップショットと同じなのが既に『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』(1984年))でありました。電話ボックスのサクラ先生のショットがそうです。なるほど映画作家だ。同じ手法を繰り返し使う映画作家の特徴をよく表してます。マイナスポイントではありません。

しのぶさんのクルマは渋滞情報が表示出来るシステムになっているようです。現在位置より渋滞情報のほうが重要なのだからこの近未来にはこれが当たり前か?
クルマのパワーウィンドーを下ろす度に『機動警察パトレイバー2』のこのショットを思い出す。しのぶさんが渋滞の中パワーウィンドーを下ろし空を見上げるシーンのことです。無感情のクローズアップショットが素晴らしい。

臨時ニュースを読むのは本物の文化放送のアナウンサーです。声優さんでも別に構わないと思いますがこれは面白い実験です。
偶然?に録られたホームビデオから自衛隊のジェット戦闘機F16Jではないかとなります。

松井刑事の捜査のシーンとなります。
クルマで移動しています。ビデオ製作会社へと向かいます。

特車二課の隊長2人に自衛隊情報部の荒川がビデオ持参でコンタクトしてきます。
何故かビデオ機器の扱いが女性の南雲隊長となります。カラオケビデオ鑑賞となり気まずい雰囲気となったりします。ブラックユーモア。
ここでTVに持ち込まれたのは偽物のテープとわかります。

ビデオ鑑賞の後はクルマでドライブとなります。
車中の会話は『惑星ソラリス』(1972年)からの引用に思えました。
ここで元自衛官の柘植の名が出てきます。アニメで驚く描写は難しいと思えます。大げさではこまるし、無表情では驚いたことになりません。驚くセリフはダメです。難しいとこです。
ソナーの効果音は南雲隊長の発する効果音なの?ホントそんな感じなのです。
クルマの流れの俯瞰図がありました。これは昔のTCJからの引用だと思います。クルマの流れの俯瞰図はTVシリーズ『スーパージェッター』(1965年)とかによく出てきます。

ドライブ中で荒川に緊急の電話が入り、幻の空爆のシーンとなります。これが白眉なシーンです。このシーンは溶暗で締めます。
バッジシステムをハッキングして、いもしない侵犯機を作りだすとこはよいです。レーダーではなくバッジシステムのディスプレイに写っているのに実際には存在していないのです。このシーンはホトンドスリラーのノリでした。
ここでの航空無線の描写も淡々としていてよかった。日本語訛りのジャパニーズイングリッシュがいい。ホントの航空無線もこれと同じなんだと思います。
中部方面隊防空司令部のシークエンスがよかったと思う人にお勧めは『未知への飛行 フェイル・セイフ』(1964年)です。これが絶品で『機動警察パトレイバー2』(1993年)では1シークエンスでしたが『未知への飛行』では全編に渡ってこのノリなんですから絶対にお勧めです。
航空無線でのジャパニーズ・イングリッシュはいい。日本人が英語を喋ればこのようになるのが当たり前なのです。何故か「ネガティブ・・」と言うセリフが印象に残ります。

水族館のシーンとなります。
荒川の説明を聞く後藤隊長の図。あまり聞いてない。何故かソナーの効果音が入ります。柘植が載ってるファイルを見るシーン。水族館で後藤と荒川が会うシーン。この効果音はいいです。
2人の話しで柘植学校のことが出てくる
鳥に負けずに魚のイメージもいいです。ここの水族館のシーンだけではなく色々とあります。
この水族館のシーンも元ネタらしいのがあります。アルフレッド・ヒッチコック監督の『サボタージュ』(1936年)には男2人で打ち合わせをするシーンがあったりして水槽の巨大なガラスをスクリーンに見立てて幻想を見るシーンもあったりします。

後藤隊長に高速艇の迎えが来ます。帰る途中で再建工事中のベイブリッジ等を見ながら水族館にて、荒川との会話が出てきます。「・・歴史の図書館は・・」のセリフ。歴史の図書館にはただ殺された上に「あやまちは繰り返しません」とやられている人達もいます。凄いアイロニーです。

特車二課に戻ると南雲隊長は無理な命令を聞いているとこです。練馬の自衛隊駐屯地を監視せよとの命令です。警察と自衛隊は仲が悪いようです。
一応課長室のレイアウトは『機動警察パトレイバー』(1989年)と同じようです。

練馬の自衛隊駐屯地にて。自衛隊と対峙する警察の図。
自衛隊と警察が対峙するシーンではカメラによる自衛隊と警察の視線の切り返しになっています。ビデオのファインダー内の表示がちゃんと1秒30フレームになっていました。
「悪い軍隊はいない、いるのは悪い指揮官だけだ」のよいセリフがあります。『遠すぎた橋』(1977年)の名セリフに「上の奴らが戦争ごっこを始めて、下のみんなが死ぬんだ」に匹敵するいいセリフです。

ここで政府は治安維持に自衛隊を出動させます。
こうなると戒厳令のようなものなので特車隊整備班は食料の買い付けに奔走します。体育会系な特車隊整備班です。コンビニで箱買いしろとやってます。
コンビニに買いに来てるヘルメットオヤジは私のことか?
搬送される戦車が念入りに描写されています。イングマル・ベルイマン監督の『沈黙』(1963年)からの引用なのかな?

松井刑事は福生の飛行船を捜査中。
雪の降る中をクルマから双眼鏡で覗いてます。この双眼鏡はいいね。欲しい。
松井刑事のクルマはパワーウインドーではないようです。今時珍しい?
後藤隊長からの要請です覗くだけではなく侵入することになります。全くの素人な手口であっさりと殴られて昏倒となります。
金網を切って侵入する時はL字型に切るんでしたよね。これは大藪春彦の本から覚えたんでしょう。大藪の本は役にたちます。

南雲隊長と実家に戻ったとこで電話をかけて雪の降る中を柘植に会いに行きます。
南雲親子はあんまり仲がいいとは思えず。南雲隊長はきっと父親似なのでしょう。
実家では熱帯魚を飼っていました。
文字通りの親子電話の図は凄いです。現在は出来ないと思えますが初期は子機から親機には筒抜けのようです。
クルマから船に乗り換えて向かいます。
ここを荒川が部下を連れて急襲するが柘植に逃げられます。

川を船で行くオッサンと犬の前で戦闘ヘリコプターのヘルハウンドが発進します。これは見事なシーンです。
『空の大怪獣ラドン』(1956年)と同じなヘル・ハウンド?。飛び立つとこが何となくラドンの出現シーンに酷似してます。コンテナが開いてドーン、飛び立つとこでキーンと言う効果音が同じです。カット割りのタイミングも似ている?

ヘリコプター3機がホバリングして待機する大俯瞰図は完全にアルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』(1963年)からの引用のようです。あのカモメの群れが燃えるガソリンスタンドを俯瞰図のシーンからの見事なバリエーションとなっています。
その後の攻撃ヘリの描き方は本格的に鳥並みになっています。

松井刑事が目を覚ましたとこで飛行船3機も発進します。

ヘリコプター3機は状況を開始せよと指令を受けて移動します。
1.特車二課を壊滅せよ。→金属バットではヘリコプターは落とせません。画面がカットされていないワイドTVで見ればわかります。
2.無線と有線の通信系を破壊せよ。→通信網の破壊シーンはかなりのものでした。中継アンテナ塔等を次々に破壊していくのがまあお見事で手際がよかった。(NTTにMCA無線?)それに地下ケーブルの破壊もあってまあお見事なものでした。無線と有線の通信網をズタズタにする訳です。
3.隅田川にかかる主な橋を破壊せよ。→攻撃ヘリが墨田、江東区辺りの橋を次々と破壊していくのはリアルです。この辺を走った人なら理解出来ると思いますが近道したつもりで違う道を走っても橋を渡る段になるとなんだいまた同じ橋ではないか。となるのです。要するに橋を破壊されたら道路による移動は全くお手上げになります。

攻撃ヘリ、ヘルハウンドがアメ横を通り過ぎるショットはいいです。私のお気に入りのシーンになります。この攻撃ヘリの飛んでいるとこや飛行船の落ちたとこ等、東京都区分地図と首っ引きで見なければなりません。
道路の路面表示で40高中となっていたけどこの表示はもうなかったのではと思う。

警察の会議のシーンとなります。
常套句「無用な混乱を避けるため云々」のセリフがブラックです。
吊るし上げの隊長2人は脱走します。

飛行船3機は電波妨害活動をします。
東京全域が通信不能となるようです。連絡が取れずに混乱する自衛隊の描写があります。無線での交信のディテールがまた凝っています。交信の終わりに「オクレ」と付けるのはモノホンの自衛隊もホントに言っていることのようです。これは凝っている。危ないんではないの?と心配になるほどです。
ここでも鳥のイメージが多い。押井監督は『鳥』(1963年)がホントにお気に入りのようです。聖典ともいえるのでは。

ブライアン・デ・パルマ監督はアルフレッド・ヒッチコック監督の『裏窓』(1954年)『めまい』(1958年)『サイコ』(1960年)等が聖典だそうです。
押井守のアルフレッド・ヒッチコック監督の関しての聖典と言ったら『鳥』(1963年)となるようです。でも、よく引用してるのは『鳥』1作のみでそれほど影響を受けているわけではないようで押井監督がヒッチコック監督に関しては演出ではなく鳥の描写だけに興味があるようです。

電波妨害のジャミングをかける飛行船に鳥達が群がるのは鳥は音波に引きつけられるというエクスキューズがあるからのようです。私はこのことを『ゴジラ』(1984年)で知りました。なので一応ロジックは通っている訳です。ただいたずらに鳥を登場させている訳でないのがいいです。

戒厳令と同様なのが発令されてるから無理なんですが妨害電波でテレビが見れなくなりレンタルビデオ屋が大繁盛なショットを入れて欲しかった。アイロニーがあっていいと思えます。

2月26日だから雪が降るのかと納得したりする。今更ながらこれは2月の話しだと気がついた。

壊滅した特車二課では整備班が使える機材をかき集めて八王子の篠原重工へと向かいます。あちこちに散った人材もかき集めます。
機材と人材は八王子の篠原重工に集結します。

新宿上空を行く飛行船のポッドを警察が撃ちます。
これがポッドだけの筈が飛行船が自動操縦で急降下となり墜落し有色ガスが噴出して大事になってしまいます。飛行船を急速下降させるには推進プロペラを上に向けて逆進をかけるようです。昇降舵は下降の向きにしているのに推進プロペラの向きは上昇になっているのでこれは逆進しかないなと思えます。
毒ガスではないが機内には本物の毒ガスもあったとのこと。
有色ガスの広がる動きですが枚数を減らす為にオーバーラップを使っています。ここはあのいい加減な脚本が原因の大失敗作『AKIRA』(1988年)のガスのシーンの使いまわしをすればよかったのに。アレはキャラクターの口の動きとガスの動きだけはよかったから。

クルマ越しに打ち合わせをする荒川と後藤。
ぼやぼやしていると時間切れでアメリカが介入するとのことです。そうなったらいよいよ日本は本格的にアメリカの浮沈空母と化すわけですな。なるほど。
米軍が介入するといっても状況がよくなるわけではない。ここはまだアメリカコンプレックスが見受けられるようです。

幻の地下鉄新橋駅から地下道へ向かいクライマックスとなります。
この地下鉄新橋駅のシチュエーションは資料本を読んで初めて理解出来ました。映画だけではなんのことやらで超常現象かと思ってしまいます。私だけか。
ラストのアクションシーンでのバルカン砲の描写は迫力がありました。やたら弾幕を張る危険な軍用レイバー(軍用だから危険なのは当然か?)と見ててよくわかりました。
そのラストのアクションは何か省略した感じでした。アクションをやり過ぎると決めのセリフが印象がイマイチになるからかな?

「では発信して下さい」ってシークエンスでは『怪獣大戦争』(1965年)から引用しています。「発信して・・・」のバリエーションとしてTVシリーズ『ウルトラQ』(1965年)の『2020年の挑戦』もありました。これもあるのかな?

ラストでの篠原重工のヘリコプターの飛び方や効果音に何か覚えがあるのでどこでかなと思っていたらやっと思い出した。これは『キングコング対ゴジラ』(1962年)のラストでのヘリコプターの飛び方です。
やっぱり特撮作品はアニメに強く影響を与えていますと感心する。東宝作品の効果音のデザインの手法はアニメに受け継がれているわけです。

実質主役は?→予想では南雲隊長が主役かなと思っていましたが。見たところ荒川のようでした。なにせ出番が多いものでね。昔の日本映画でストップウォッチ片手にライバルスターとの時間を比べていたマネージャーの気持ちがわかる?
泉、篠原の2人は全くのサポートでした。

南雲隊長がイカします。無表情でのクローズアップショットがいい。ここで髪がなびくとこだけがあるのがいいのです。ヘルメットを脱ぐショットはお約束でいい感じです。

後藤とのやりとりもロマンティック・コメディのルーティンでいいのです。課長代理なのに後藤と同じ部屋にいるのがいい。
「私に触れるな」のセリフはいい。押井守監督もいいと思っているようでビデオシリーズで1回使ったのにここでもまた使ったのだと思う。

南雲隊長は電話での話しを聞くと整備班のシバシゲオとはあまり仲がよくない感じに思えます。で、母親との会話を聞いてもそんなに仲がよくないようで、それなら誰と仲がいいのかというと後藤隊長くらいしかいないようです。ですから後藤隊長が荒川と話しに水族館に行って留守にしたら、どこに行ってたの一緒にいなきゃダメでしょと怒っていたのでしょう。

押井守のヒロインの好みはサクラ先生、鷲尾みどり、南雲隊長、このへんの女性が好みのようです。そんな感じです。きれいでエキセントリックな性格で頭が切れて実行力がある女性。こんな女性はどこにもいません。いたとしても会う人ごとに無限回のセクハラを受けることでしょう。偉そうな男に卑屈な男。セクハラを受けるのは同じことだ。さらに同性からも差別を受ける。正に孤高の存在だと思えます。

柘植は全く感情を表しません。恨み言の1つも言わず、怒りのセリフも言いません。このキャラバランスには正直言って感心する。セリフなんて虚しいものさとなる。
元自衛官 柘植行人を演じるVC根津甚八ですが正直言ってあまり上手くない。
聞いてて根津甚八本人が浮かんできてしまいます。津嘉山正種あたりがVCを担当してくれればとなります。コネがなかったのかね。

ゲストVCの竹中直人は超長ゼリフの大熱演でした。さすがに全部演じきるには無理があったようです。VCは無理に演じないでサウンドに徹してしまえばいいんですよね。
押井組の松山鷹志はどうやら最初のほうに出てきた下請けビデオエンジニアのようでした。いつものように投げやりなセリフ回しでした。
体育会系ノリのキャラはイマイチだったけど同じく立木文彦もいたような。
アニメ実写問わずに押井組となっています。

そんなわけでこれはマジで戦争映画の傑作です。


この作品の設定での状況は凄いのですが、2005年の現実の方がバカバカしいほどぶっ飛んでいます。自衛隊がイラクに行っちゃったからしょうがないだろで済ましています。他にも山ほどある言動でわかりますが、いっちゃっているのは小泉首相(小泉さんと、さん付けするのはやめてくれ。)でしょう。頭の中身の方ですけど。アメリカと役人(主に財務省)の邪魔はしないので放ったらかしとなっています。こまったものです。


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