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2005.07.22

『幽霊と未亡人』(1947年)

この作品はジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督、ジーン・ティアニーとレックス・ハリソンが主演、バーナード・ハーマンが音楽のファンタジー・ロマンスです。
原題を直訳すると『幽霊とミューア夫人』となるとこを『幽霊と未亡人』とする邦題のセンスもいいです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1947年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆Ghorst and Mrs.Muir
プロット ヒロインが幽霊と知りあう話のようです。
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
音楽 バーナード・ハーマン◆少し控えめなよいスコア。

キャスト
ジーン・ティアニー→未亡人のルーシー・ミューア、船長にはルチアと呼ばれています。
レックス・ハリソン→幽霊のダニエル・グレッグ船長
ジョージ・サンダース→作家のフェアリー
ナタリー・ウッド→未亡人の娘の子役

ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督の演出はよいと思います。
当然脚本も書いています。

20世紀フォックスのタイトル部分の音楽がいつものファンファーレとは違っていました。昔でもこのようなことが出来たようです。
ガス燈の頃の話しで英国のロンドンから話しは始まります。海の見える家のあるホワイトクリフへと舞台は移ります。

ヒロインが初めて家を見に来たときに幽霊に脅かされて外に出て家を見れば開いていた窓が閉まるワンショットがありました。これはいいです。

船長の幽霊の出方は特撮は全く使わずに演出と編集で処理していました。船長の幽霊が出てるときはそのままでヒロインのジーン・ティアニーにしか見えないということになっていたり、船長の幽霊と会話をしててジーン・ティアニーが振り返ったらもういないとかして処理していました。このへんは上手いです。途中で船長がヒロインに別れを告げるとこで初めてオーバーラップが使われて消えていきます。センスがいい。

ラストでヒロインが幽霊になったらもう普通の人からは見えないということが描写されていました。幽霊で若くなったヒロインが家政婦に声をかけても聞こえない。単なるハッピーエンドとなっていないのがいい。

主なキャラと出さなくてもいいキャラがちゃんと分けてあります。脚本もありますが監督のセンスがなければ出来ません。なにしろ1ショット入れるか入れないかが見ててよいかイマイチかの分かれ目になるのですから。

ジーン・ティアニーは夫の1周忌ということで喪服姿で登場。サービス満点。分かっていらっしゃる。誰かに似てると思ったらアシュレイ・ジャッドに似てるような。

ジーン・ティアニーとレックス・ハリソンと会話しているだけでいい感じ。これでホトンド見られます。
本を書いてお金にしようと船長の話しをタイプで打ってて「こんな文字は打てないわ」と言いつつキーを4つ打っていました。例の4文字ですか。この手の表現に制約があったほうがいいこともあります。才能があればの場合ですが。

レックス・ハリソン扮する幽霊のダニエル・グレッグ船長はどなることが多いけど嫌みには聞こえない品のよさがあっていいです。
ジョージ・サンダースはあまり重要ではないキャラで後始末はセリフだけで片づけられていました。もったいない使い方です。


実は結構期待して見ました。それでもよかったのですから、これは出来のよいご機嫌な作品でした。

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