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2005.07.15

『ミラーズ・クロッシング』

この作品はイーサン・コーエン製作、ジョエル・コーエン監督のコーエン兄弟のフィルム・ノワールのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1990年 サークル・フィルムズ/20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆115分
原題◆Miller's Crossing
プロット◆自分の信念に従って行動する男の話しのようです。
音楽◆カーター・バウエル よいスコアでした。『Danny Boy』の歌に負けていません。
20世紀フォックス発売のDVDにて。画質はよいです。

キャスト
ガブリエル・バーン→レオの懐刀トム
アルバート・フィニー→アイリッシュ系の大物レオ
マーシャ・ゲイ・ハーデン→レオの愛人ヴァーナ
ジョン・ポリト→イタリア系の大物?キャスパー
J・E・フリーマン→キャスパーの用心棒デイン
ジョン・タトゥーロ→ノミ屋のバーニー
スティーブ・ブシェーミ→ノミ屋のミンク

ジョエル・コーエン監督の演出はよいと思います。
キャスティングも演技も最高といったとこです。
撮影はバリー・ソネンフェルドです。撮影の人は意外と合わないようなので監督をやらない方がいいと思っています。絵はきれいなのですがあまり視覚的ではない?
1930年代のアメリカ東部のある街が舞台とのことです。霧笛が聞こえるのて港が近いようですからボルチモアあたりがイメージ的には合います。
効果音が非常にリアルに聞こえます。衣擦れ、足音、霧笛等。
溶暗を多用しています。
タイトルバックの森の中を帽子が飛んで行くのはトムの夢とのことです。象徴的に使われていますが何の事なのかはよくわからん。
風に揺れるカーテンのショットはよく使われています。これはまたクラシックな手法です。

アルバート・フィニー扮するアイリッシュ系の大物レオのとこにジョン・ポリト扮するイタリア系のキャスパーがやってきて八百長ボクシングの話しをするとこから始まります。レオが情報を漏らしているノミ屋のバーニーを始末しないことから話しは決裂します。
レオはガブリエル・バーン扮するトムを気に入ってる設定。そんなわけでトムはレオに意見出来る立場です。
ですがトムはレオの愛人ヴァーナと関係を持っていたりします。訪ねて来たレオが帰ったらレオのヴァーナはトムのベッドにいたというシーンもあります。

市長と署長と話し中のとこに来たトムはレオに意見します。ノミ屋のバーニーは何とかした方がいいと。レオは愛人ヴァーナに夢中でそのヴァーナの弟バーニーをかばっているというわけで話しは進む。

トムの部屋に来ているバーニー。
バーニーのジョン・タトゥーロがくどい演技を全開にして嫌みなキャラを熱演といったとこです。

トムはギャンブルで負けが込んでいて取り立てが厳しいとこで取り立て人に焼きを入れられている最中に警察の手入れがあって助かったりしています。

ラブシーンが少しはあり、いよいよとなるとカメラは引いて風でカーテンが揺れる窓にそれて省略しています。古典的な描写です。フィルム・ノワールの雰囲気がたっぷりでいいです。

レオの寝込みを殺し屋2人が襲います。
『Danny Boy』の歌が流れる中をドラムマガジンのトンプソンのサブマシンガンが連射されます。銃口から出るマズル・フラッシュ=発射炎の見事なこと。これは白眉なシーンとなっています。撃ち終った後には銃身から煙が上がっているのもいいです。
レオは自力で殺し屋2人を片づけます。腕は衰えていないとのことです。
ドラムマガジンのトンプソンを撃ちまくるアルバート・フィニーがサマになっています。もしかしてコーエン姉弟はこのシーンがが撮りたかったのかも。

これでレオ対キャスパーの戦争となります。
トムはレオが訪ねてきた時にヴァーナと居たことをレオに話してたたき出されることになります。これでレオと切れたことになります。
そんなわけでキャスパーのとこに行くトム。
バーニーの居場所を教えるトム。バーニーを捕まえて森の十字路に連れていく運転手もやります。ここで信用を得るためにバーニーを始末せよと言われるトム。さてどうする?と話しは進む。

今度はレオの店が手入れを受けます。街のボスの顔を立てねばならない署長が2人もボスがいるので困っています。

キャスパーの用心棒デインはトムを疑って森の十字路にバーニーの死体の確認に行きます。このシーンも素晴らしい。トムがスーパーヒーローではないのがいい。

市長のオフィスにキャスパーがいて、そこにトムがやって来ます。今のところはキャスパーの方が街を牛耳っているようです。
トムは色々とキャスパーに吹き込みます。

キャスパーの家に行くトム。
ここで用心棒のデインから思わぬ反撃を食らいますが迷いがあるキャスパーに選ばれて助かります。
デインは森の死体がミンクと推定してトムがミンクを殺したと誤解していた。デインとミンクは特別な関係だったとのこと。
この作品のキャラは誰もが少しずつ勘違いをしています。勘違いしてないのはトムだけか?そのトムも思惑通りには事は進まず偶然や他人の心変わりに助けられていたりします。

クライマックスはトムの部屋でのシーンです。
バーニーの行動を読んだトムはキャスパーを送りバーニーに殺させ、後は自分でバーニーを片づけます。

ラストはバーニーの埋葬シーンとなります。
友人の少ない埋葬です。バーニーは嫌われていたとなっています。
ヴァーナは去りレオとも和解せずに森に佇むトム。


キャストで・・・
トムを演じるガブリエル・バーンにアイリッシュ系の大物レオを演じるアルバート・フィニー、2人の演技は充分なものです。

レオの愛人ヴァーナを演じるマーシャ・ゲイ・ハーデンはきれいに撮れています。最近の作品では演技派女優となっているので、もしかしてこの作品が出演作品では1番きれいに撮れているのではと思えるくらいです。

イタリア系の大物?キャスパーを演じるジョン・ポリトは熱演していますがレオを演じるアルバート・フィニーと比べればこのキャラを演じるには荷が重いようです。ということはキャラクターに合っていることにもなります。よいキャスティングなのでしょう。
キャスパーの用心棒デインを演じるJ・E・フリーマンは存在感たっぷりに好演しています。
スティーブ・ブシェーミは1シーンだけしか出ていないようです。これでは印象が薄いわけです。次に名前が出てくる時はもう死体になっていたりします。
サム・ライミは2挺拳銃の男のようです。

そんなわけで、これは傑作なフィルム・ノワール作品でした。



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