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2005.07.13

『犯行予告』(1999年)

この作品はデビッド・L・コーリー監督、シェリル・リー、ジェームズ・ベルーシ主演の風変わりなサスペンスアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1999年 プロマーク アメリカ作品
ランニング・タイム◆103分
原題◆Angel's Dance
プロット◆殺しの練習がなかなか終わらない話しのようです。
音楽◆ティム・トルマン
スカイパーフェクTV728ミステリチャンネルにて。画質はまあまあ。TVのスポット予告編のヒロインのシェリル・リーが素敵で、これでまた見る気がしました。
『ツインピークス』は未見なのに、メッチェン・エイミック、シェリリン・フェン、シェリル・リー、ララ・フリン・ボイルとツインピークス組の女優さんがいいのでそれぞれの女優さんの主演作は結構見ています。


キャスト
ジェームズ・ベルーシ→殺し屋指南役のスティーブ・ロッセリーニ、通称ローズ
シェリル・リー→標的にされるエンジェル・チェイスト
カイル・チャンドラー→新・殺し屋トニー
ジョン・ポリト→大物の叔父貴ビニー
Timoleo Flloko→プロローグで死んだ殺し屋シャンク
フランク・ジョン・ヒューズ→叔父貴ビニーの身内ニッキー
ケビン・クーニー→ヒロインの父
マック・デイビスs→いつもの店の主人ノーム
マーク・カールトン→ノームの知人でガンディーラーのボブ
キャロライン・アレキサンダー→図書館の司書

デビッド・L・コーリー監督の演出はよいと思います。脚本も兼任でした。

プロローグの覗きをしてるシーンが『裏窓』(1954年)そのままみたいな出だしで、これはどうなるかと思ったら話しはがらりと変わって最初に登場した殺し屋があっさりと事故死して、その代わりを殺し屋の修業させに指南役の元に送る殺し屋養成物語となっています。

その殺しの練習にて。
カイル・チャンドラー扮する組織の殺し屋候補トニーがジェームズ・ベルーシ扮する殺し屋指南役のスティーブ・ロッセリーニ元で修業に励むことになります。
殺しの練習だとなりますが、その練習がなかなか終わらずにドツボにハマっていきます。
練習台にと電話帳から無作為に選ばれた的がシェリル・リー扮する風変わりな女性のエンジェル・チェイストです。

あくまでも大まじめな話しにユーモアを少し加えるという感じになっています。ユーモアを加えるジェームズ・ベルーシが適役でいい。

で、最初の練習だと水鉄砲で標的のエンジェル・チェイストを撃とうする殺し屋候補トニー。失敗します。
殺し屋候補トニーは本物の銃で撃つ本格的な練習を勝手に実行してまた失敗します。これで嫌でもヒロインに気付かれてしまうわけです。

このヒロインは狙われていると分かったら図書館で本を借りて勉強して反撃するという展開になっています。他のことでもまず本を借りて調べていて、図書館の司書もどんな本を借りてもあまり態度を変えないとこがクールでよかったりします。
今ならインターネットで検索するとなるかも。

シェリル・リー扮するヒロインのエンジェル・チェイストはわざわざ待ち伏せしてボイル神父にでたらめな告白するのが趣味で死体メイクが仕事の冴えない女性です。母は失踪して父は精神病院暮らしで人形の赤ん坊をあやし人形の鳥を飼っていてかなり普通ではないキャラクターとなっています。
冴えない時は茶のソバージュのヘアスタイルです。黒い服装でそれなりに冴えない感じ。これが反撃に移るとブロンドのショートのカツラで服装も大胆になります。これがいいんです。
エンジェル・チェイスト行きつけの店の主人ノームはエンジェルに銃を見せて言われて見せます。銃はリボルバーでS&Wミリタリーポリスの38口径のようです。

そのノーム紹介でガンディーラーのボブに会うエンジェル・チェイスト。
ボブの推薦は9mmのホローポイントを使用の15連のレーザーサイト付きのオートマティックでシグ・ザウエルのどれかだと思います。最近のハンドガンはわからん。785ドルを負けて600ドルだそうです。
ガンディーラーのボブはわきに44マグナムを吊ってて取り出して『ダーティハリー』(1971年)で有名な脳みそが吹っ飛ぶ云々の例のセリフを言ってました。

エンジェルのクルマも黄色い冴えないボルボから茶色いジャガーEタイプになっていました。

暗殺への対抗策を図書館で覚えたヒロインですが図書カードから足がついて今度は図書館で殺し屋の師匠と弟子のコンビに待ち伏せられて猛烈に撃ち合います。この辺のセンスもいい。撃ち合いながら何で狙うのとエンジェル・チェイストに問われて理由を言えずに「別に何も」と言る殺し屋候補トニーがいい。

クライマックスは廃工場での撃ち合いとなります。
あまりに手ごわいエンジェル・チェイストに組織から加勢に来た他の男が「ブルース・リーか」と言えば殺し屋指南役のスティーブ・ロッセリーニが「チャック・ノリスだ」と答えます。そのこころは「まだ生きてる」だって。

エピローグは独立系らしく少し捻ってある落ちとなっています。
22口径ショート実包使用のオートマティック、ベレッタ・ミンクスの哺乳瓶のゴムの乳首消音仕様でエンジェル・チェイストが初仕事を済ませます。
これはハッピーエンドになるのかもしれない。


カイル・チャンドラーの殺し屋候補トニーはシカゴからやってきます。
やる気満々でやってきて殺しの練習がドツボにハマっていき段々とおかしくなっていきます。結構好演しています。

ジェームズ・ベルーシの殺し屋指南役は日本趣味に凝っていて、これが意外と正確な考証になっているようです。ニーチェにも凝っているようです。『善悪の彼岸』が教科書になっています。
ベルーシ先生によると頭と心臓に1発ずつ撃てば確実で苦痛も感じないと指南します。これが伏線になっていました。
殺しにはこれで充分と22口径ショート実包使用のオートマティック、これはベレッタ・ミンクスのようです。これに哺乳瓶のゴムの乳首を銃口に被せて消音に使うとなっていました。これもちゃんと伏線になっています。

ジェームズ・ベルーシの殺し屋指南役の使う消音器付きのハンドガンはコルト・ハンツマンのようです。これは22口径ロングライフル実包使用で作動方式がブローバックだから消音器を付けてもそのままでもちゃんと作動するはずです。
新・殺し屋トニーの大型リボルバーは何だかわからん。

コーエン兄弟作品ではサポート専門のジョン・ポリトが大物の叔父貴ビニー役というだけでこの作品は独立系と分かります。同じ独立系の『レイジングプラン』(1999年)ではエド・オロスが大物役でした。このくらいの規模の作品の方が出来がいい場合が多いと思います。
ジョン・ポリトの大物の叔父貴ビニーはボーリングがヘタ。ガターをするとリボルバーでボーリングのピンを打ち倒します。

そんなわけでオフビートなサスペンスアクションといった感じなよい作品でした。



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