『恐怖省』(1944年)
この作品はフリッツ・ラング監督の巻き込まれサスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1944年 パラマウント アメリカ作品
原題◆Ministry of Fear
プロット スパイ活動に巻き込まれる話のようです。巻き込まれた男の話。
画質 結構よい。BS11衛星第2にて。以前に録画しててようやく見ました。
音楽 ビクター・ヤング
キャスティング
レイ・ミランド→巻き込まれた男ニール
マージョリー・レイノルズ→ニールと知り合うカーラ
カール・エズモンド→カーラの兄ウィル
ダン・デュリエ→怪しい洋服屋
ヒラリー・ブルック→怪しい占い師
フリッツ・ラング監督の演出はよいと思います。
ナチスが悪役ですがフリッツ・ラング監督ぐらいになれば納得出来ます。とはいえ当時のホトンドの映画はナチスが悪役なんですけど。
ドイツ表現主義の影を生かした絵は見事です。
時計のショットから始まり何かの象徴かと思えば時計が過去の象徴らしいです。
キャラ紹介でレイ・ミランド扮するニールは病気の妻が薬を飲み自殺して苦痛から解放されるのを一晩中時計を見て待っていたという。これは凄い設定です。
そんな事情があって病院送りとなり精神病院から退院したニールはバザーのゲームでケーキを当てます。
そのケーキを狙って盲目の男が登場。実は目が見えてますの描写がいい。
空襲のシーンはミニチュアです。ロンドンでは空襲の被害を受けていた描写がありました。
空襲からの避難するために地下鉄に泊まり込む描写がありました。キャンプみたいです。
ニールがロンドンに行ってからも怪しげな雰囲気全開でいいです。雇った老探偵はコメディリリーフで活躍するのかと思ったらあっさり退場してしまいました。
怪しげな降霊会に参加したりと色々とあります。
暗やみでドアに弾痕が空きそこが明るい点になる。このバリエーションはよく見ます。この作品がオリジナルだったら凄い。私が初めて見た『ブラッドシンプル』(84年)の40年前にもうあったのかは感心する。
追われるニールとカーラは雨の降る屋上に逃げます。これは風変わりな設定です。『ブレードランナー』(82年)みたい?と思いました。
で、敵がいる屋上への出口の灯が消されると撃ち合い開始となり灯がつけられると助けが来たことになり撃ち合いは終わりとなり映画も終わりるなります。唐突な終わり方のような感じがします。『M』(31年)も唐突な終わり方でした。ラング監督の作風?なのかも。
それとは別に『飾り窓の女』(44年)は違う意味で唐突な終わり方でした。
サポートのダン・デュリエは40年代のチョイと切れた悪役専門の人だと記憶してます。『飾り窓の女』にも出てたました。どうもどこかで見たような顔だと思った。まじめな顔をしてる時は分からなかったけどニヤリと笑ったとこで思い出しました。洋服屋なので大きい鋏を持っていてその鋏で電話のダイヤルを回したりしてます。→意味不明。
そんなわけでこれは御機嫌なサスペンスのよい作品でした。
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