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2005.07.31

『殺人者』(1946年)

この作品はロバート・シオドマク監督でエドモンド・オブライエン、エバ・ガードナー、バート・ランカスターが主演のフィルム・ノワールのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1946年 マーク・ヘリンジャー・プロ/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆103分
原題◆The Killers
プロット◆男が何故殺されたのか調べる話のようです。
音楽◆ミクロス・ローザ
スカイパーフェクTV317スター・チャンネルにて。画質は結構よい。

キャスト
エドモンド・オブライエン 保険調査員リアドン
サム・レバン→ルビンスキー警部補
エバ・ガードナー→魔性のキティ・コリンズ
バート・ランカスター→骨抜きにされる男スウェイドで他の名前も使用
ビンス・バーネット→ムショ仲間のチャールストン
バージニア・クリスティン→ルビンスキー夫人 リリー
クィーニー・スミス→保険の受取人 ホテル接客係クィーニー
ハワード・フリーマン→ブレントウッドの署長
ドナルド・マックブライド→リアドンの上司ケニヨン
アン・ストーントン→リアドンの秘書ステラ
フィル・プラウン→ダイナーの客ニック・アダムズ
チャールズ・マッグロー→やせてる殺し屋アル
ウィリアム・コンラッド→太ってる殺し屋マックス
ジョン・ミリアン→ブローチの件のジェイク
アルバート・デッカー→強盗団の首領ビッグ・ジム・コルファックス
ジェフ・コーレイ→強盗団のブリンキー
ジャック・ラムバート→強盗団のダムダム

ロバート・シオドマク監督の演出はよいと思います。
ニュージャージー ブレントウッドという街から話は始まります。
出だしから2人の男がブレントウッドにやって来ます。
夜の街を描く照明がいいです。フィルム・ノワール独特の光と影を強調する手法です。

殺し屋はダイナーに押し込み待ち伏せするがスウェードは来ないとわかり引き上げます。
客でスウェードとのガソリンスタンドでの同僚ニック・アダムズは殺し屋のことを知らせに行きます。ですが寝てるままで逃げないスウェード。ここは緊張感がありました。

殺し屋2人がスウェードが寝ている部屋のドアを開けてリボルバー2丁を撃ちまくるシーンが製昨されか年度からするとなかなか強烈な描写です。後の検死で8発食らっているとのこと。
このシーンはTVシリーズ『ルパン三世』(1971年)の第2話『魔術師と呼ばれた男』での1シーンに引用されたような感じです。こちらはマシンガンでしたけど。オリジナルとは少し変えるとこに才能を感じます。

バート・ランカスター扮する謎の男はブレントウッドではスウェードと名乗っているが実はピート・ランとのことですがホテルではネルソンと名乗っていて。ホントのホントはオーリー・アンダーセンというボクサーとなっています。

検死のとこからエドモンド・オブライエン扮する保険調査員リアドンが登場してニックの話を聞きます。回想に入る。
ガソリンスタンドにキャデラックがやってきた。後になってわかりますが乗っていたのは強盗団の首領ビッグ・ジム・コルファックスだったのです。それでスウェードはこれまでと思ったようです。

保険の受取人でホテル客室係の女性の話を聞きます。回想に入る。
自殺を止めたとのこと。ネルソンと名乗っています。1212号室。「チャールストンの言った通り」とのセリフ。
自殺を止める人のセリフで「地獄の火に焼かれる」と言ってます。これだけではないけど説得力があるようで自殺をやめます。

スウェードの本名はオーリー・アンダーセンでボクサーとわかります。
昔からの知り合いのルビンスキー刑事の話を聞きます。回想に入る。
試合に負けたアンダーセン、右手が使えない状態で再起不能となります。ルビンスキー刑事夫人 リリーの話も聞きます。回想に入る。
ビッグ・ジム・コルファックスのアパートでパーティに行った時に問題の女性キティ・コリンズに会いたちまち夢中になるアンダーセン。リリーは自分が全く見向きもされないことに気がつきます。そんなわけで刑事夫人になってよかったとなっています。
宝石のブローチの件でキティをかばったアンダーセンを逮捕することになったとのこと。

アンダーセンの葬式にて。色々な知り合いが来ています。
ムショ仲間のチャールストンの話を聞きます。話しはしないと言う割には酒を飲まされているせいかよく喋るチャールストン。
初老のさえないこそ泥のチャールストン。ムショではアンダーセンに星の話をしていたとか。太陽系には惑星は9個あるとか。オライオンの三つ星には宇宙で1番明るい星があるとか、よく話を聞いてくれるアンダーセンとはウマが合うようです。ゲイのことはこの作品内では描写されていないのでないことにしましょう。
チャールストンはあるでかい仕事の打ち合わせでアンダーセンに再開したとのことです。そこには主犯格のビッグ・ジム・コルファックス、ブリンキー、ダムダムにキティがいて、遅れてアンダーセンがやってきます。
チャールストンはこの話から降ります。アンダーセンにも降りるように伝えますが彼はそうせず、これが彼に会った最後とのことです。
チャールストンはアンダーセンことをホントに心配している男で結構いい奴でした。

強盗の一人で撃たれて瀕死のブリンキーのうわ言での話。
強盗は成功して落ち合う場所を変えたりしたが25万ドルはアンダーセンが独り占めして逃げたとのこと。ブリンキーを撃ったのはダムダムらしい。

保険調査員リアドンは今はかたぎとなっているビッグ・ジム・コルファックスを訪ねます。
とぼけるコルファックス。ここは引き下がります。

キティと会うことになる保険調査員リアドン。
ここで例の殺し屋2人が尾行することになります。これは危ないなとサスペンスが高まります。
交渉ではキティ相手にハッタリをかます保険調査員リアドン。
レストランで交渉が終わったとこを殺し屋2人に襲われますが内密に同行していたルビンスキー刑事が片づけます。
キティはトイレの窓から逃げて姿をくらまします。

ラストでは往生際の悪いとこを見せるキティ。
初めて登場したとこでは私は高いのよという感じを発散しているし、ファムファタールらしくていいキャラです。エバ・ガードナー本人がこのキャラそのままのようなので一目見て納得のいいキャスティングでした。

エドモンド・オブライエン扮する保険調査員リアドンは妙に張り切って調査しています。何でそんなに張り切るのかは不明です。
エドモンド・オブライエンはデニス・クエイドに似ています。ルックスもありますが雰囲気が似ています。無意味に自信過剰なのとこ?なのかな。


ドン・シーゲル監督のリメイク『殺人者たち』(1964年)は保険調査員のキャラを無くし殺し屋2人が調べる構成となっていました。
なかなかのいい出来の作品です。殺されるジョン・カサベテスはオリジナルの同じキャラの出演者バート・ランカスターに感じが似てるからキャスティングされたような気がします。
リアドンという名はカール・ライナー監督、スティーブ・マーティン主演の過去のフィルム・ノワールの寄せ集め作『四つ数えろ』(1982年)での主人公の名前と同じです。なるほどこの作品から引用したのかと感心します。


そんなわけでこれは期待通りのよいフィルム・ノワールの作品でした。



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コメント

はじめまして!
これはキャストも皆好演で、とても良く出来た映画でした。

>エドモンド・オブライエン扮する保険調査員リアドンは妙に張り切って調査しています。何でそんなに張り切るのかは不明です。

おっしゃるとおりだと思います(笑)。なぜだか妙に張り切ってましたよね。ラストも意外なほど爽やかでしたし・・・。

僕も映画ブログ(クラシック中心)を始めたので、よかったらぜひ一度遊びに来てください。

user tさん、コメントありがとうございます。

フィルム・ノワールはいいですね。
特に1940年代の作品は独特の雰囲気があっていいものです。

user tさんのブログも充実していますね。時々読ませてもらいます。よろしく。


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