『激怒』(1936年)
この作品はフリッツ・ラング監督とスペンサー・トレーシー、ジルビア・シドニーの社会派ドラマです。話しの方はよく知らずに見ました。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1936年 MGM アメリカ作品
原題◆Fury
プロット リンチにあって復讐をしようとする話しのようです。
スカイパーフェクTV310衛星劇場にて。画質は悪いです。
音楽 フランツ・ワックスマン
キャスト
スペンサー・トレーシー→無実のジョー・ウィルソン
ジルビア・シドニー→キャサリン・グラント
フランク・アルバートソン→トレーシーの弟チャーリー
ジョージ・ウォルコット→チャーリーの同居人トミー
エドワード・エリス→ハンメル保安官
ウォルター・ブレナン→保安官助手のバッグス=メイヤーズ
ブルース・キャボット→札付きのカービー・ドーソン
モーガン・ウォレス→被告フレドリック・ギャレット
レイラ・ベネット→証人エドナ・フーパー
フレデリック・バートン→ホプキンス裁判長
ウォルター・アベル→アダムス地方検事
フリッツ・ラング監督の演出はよいと思います。
製作はジョセフ・L・マンキーウィッツです。
全編セットのようです。さすが豪華が特徴のMGMだとなります。
ゲイルズバーグ行きの列車に乗るジルビア・シドニー扮するキャサリンを見送るスペンサー・トレーシー扮するジョー・ウィルソン。キャラ紹介です。
床屋のシーンでは衝動に関する話し。かみそりを扱う時の衝動に関する話しを聞いてお客が逃げてしまうのは軽いギャグでした。
噂が広がるモンタージュ。話しに尾ひれが付くとこもちゃんと入れてあります。これがデマですという見本になっています。
誘拐犯人と間違われて留置所に入れられるジョー・ウィルソン。
ここを暴徒が襲い危うく逃げることになりますが、死んだことになってしまいます。
暴動になりそうということで鎮圧部隊を送るのが遅れてしまいます。知事が選挙対策でそうなってしまってとのこと。
ニュース映画を撮るマスコミも少し描写が入っていました。
自分がリンチにあって殺されるニュース映画を映画館で何回も見たとのセリフがありました。で、自分を死んだままにしてこの件を法廷に持ち込むことにします。
後半は法廷ドラマになっていました。アダムス地方検事が熱弁をふるいます。
時間の経過を時計をそのまま回して描写していた。
ラストは簡潔でした。
ここで何故かシルビア・シドニーの大クローズアップの切り返しとなっていました。さすがにこれはラング監督の意図ではなさそう。MGMが、何だこの映画は女優のクローズアップがないじゃないかと圧力がかかったような。
スペンサー・トレーシーはいつもの通りです。堂々したものです。
やっぱり保安官助手のウォルター・ブレナンです。このキャラしか出来ないのかいと思ってる人は同じラング監督の『死刑執行人もまた死す』(43年)を見ましょう。珍しく大学教授役で名演を見せています。
どこかで見たような扇動者のカービー・ドーソン。キャスト表でブルース・キャボットと分かる。なるほど『キングコング』(33年)に出ていた人です。
シルビア・シドニーは悲しい表情が多い。少しファニーフェイスなこの人の特徴らしい。
そんなわけでフリッツ・ラング監督にすれば普通の出来な作品でした。
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