『地獄への逆襲』(1940年)
この作品はフリッツ・ラング監督のいかにも押し付けられた企画といった感じの続編ウエスタンです。ジーン・ティアニーのデビュー作でもあります。
本『ザナック ハリウッド最後のタイクーン』で出ていた馬が崖から落ちるスタントシーンがあるのかと思ったらこの作品ではなかった。てことはこの前作の『地獄への道』(39年)なのかも。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1940年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆The Return of Frank James
プロット だいぶ寄り道していますが兄弟の仇を討つ話しのようです。
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。カラーです。
キャスト
ヘンリー・フォンダ→無法者?のフランク・ジェームズ
ジーン・ティアニー→記者のエレノア・ストーン
ジョン・キャラダイン→フォード兄弟のボブ
チャールズ・タネン→フォード兄弟のチャーリー
アーネスト・ウィットマン→黒人のピンキー
ジャッキー・クーパー→若造のクレム
ヘンリー・ハル→新聞社のじいさんの少佐
J.エドワーズ・ブルムバーグ→鉄道の探偵ラニアン
ドナルド・ミーク→鉄道のボス、マッコイ
フリッツ・ラング監督の演出はよいと思います。
昔の作品は話しが分かりやすくていい。こういうのを脚本がいいというのかもしれません。
誤報でも西部ではそれがホントになるのでしょう。これはよく取上げられることです。
ウエスタンですが前半は山の中で撃ち合いをしたり林の中を馬で走ったりして後半は街に戻ったが法廷ドラマになっていました。サボテンが出てこない風変わりなウエスタンです。
法廷シーンになったら鉄道は北部者で、南北戦争の遺恨を引きずっている設定となってギャグが入ります。
風俗描写ではフォード兄弟はジェシー・ジェームズ成敗記を自分たちの都合がよいようにして舞台化してまだカネを稼いでいることになってました。
黒人の召使いがやたらと目立ちます。
ヘンリー・フォンダ扮する無法者のフランク・ジェームズですがそのように見えないように描写されています。馬を交換するのに50ドル置いたりと。
画質が非常によくてしかもテクニカラーでジーン・ティアニーがきれいに撮れています。これが1番だったりします。
デンバーからカンサスにやってきたヒロインがデンバーの父と電報でやりとりする図がルーティンでいい。
無理に作った『地獄への道』(39年)の続編だし新人のジーン・ティアニーと子役上がりのジャッキー・クーパーの面倒をみるのが大変だったのかも。
そんなわけでフリッツ・ラング監督にしては出来がいいとはいえない作品でした。
« 『暗黒街の弾痕』(1937年) | トップページ | 『西部魂』(1941年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1940年代」カテゴリの記事
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
- 『生きてる死骸』(1941年)(2022.01.30)
- 『いのち短かし』(1947年)(2022.01.29)
- 『Gメン対間諜』(1945年)(2022.01.16)
- 『密輸空路』(1946年)(2022.01.15)
コメント