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2005.07.04

『go』

この作品はダグ・リーマン監督、サラ・ポーリー、ケイティ・ホームズ他出演の脚本が凝りまくりの群像物ブラック・コメディのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1999年 Banner Entertainment/Saratoga Entertainment (in association with)/Columbia Pictures (presents)/TriStar Pictures アメリカ作品
ランニング・タイム◆103分
原題◆Go
プロット◆未納の家賃380ドルをなんとかしようとして次々つながって色々とある話しのようです。
音楽◆BT/Moby

キャスト
サラ・ポーリー→レジ係のローナ、17才
ケイティ・ホームズ→同じくレジ係のクレア
ネイサン・ベクストン→ヒロイン2人の相棒マニー

ティモシー・オリファント→ヤクの売人トッド

デズモンド・アスクウ ベガスを行くサイモン
タイン・ディッグス ベガスを行くマーカス
ブレッキン・メイヤー ベガスで腹痛のティニー
ジェームズ・デュバル ベガスで腹痛のアジア系のシン

シドニー・シュバート→ベガスの用心棒
J.E.フリーマン→ベガスの用心棒の父親

ジェイ・モア→俳優のザック
スコット・ウルフ→俳優のアダム
ウィリアム・フィクトナー→バーク刑事
ジェーン・クラコウスキー→バーク刑事の奥さん

リタ・ブランド→ダンスをするレジ係
シェイン・ビーマン→ゲイ2人の浮気相手ジミー

ダグ・リーマン監督の演出はよいと思います。
全体的に脚本が凝っているブラック・コメディになってます。
この作品の話しの進行は同じ時間からスタートして3つの違う立場から描写するギミックな手法をとっていて、1つの話しが終わると時間がスタートに戻って主人公が交代していました。

似たような手法を何だかどこかで見たような。
→それはスタンリー・キューブリック監督のフィルム・ノワール『現金に体を張れ』(1956年)です。

ダグ・リーマン監督はギミックな手法を使いこなしていた。偉い。
多量のセリフ、豊富な伏線、それに説明セリフを使わない視覚的な演出と感心しました。後味も悪くないのもいい。
あまり有名ではないキャストの方々も好演していました。キャストで1番有名なのがウィリアム・フィクトナーだと思う。

それにしてもキャストが豪華。いまだに出てる人も多いのがいい。
サラ・ポーリーとケイティ・ホームズなんて2016年でもまだ残ってます。

ソニー・ピクチャーズ発売のDVDにて。
画質はそれなり。DVDクオリティ
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下に黒味あり。
音声はドルビーデジタル5.1ch

Columbia Pictures からプロローグとカットバックしてタイトルになります。
タイトル
Columbia Pictures (presents)
A Banner Entertainment production
Saratoga Entertainment (in association with)

Doug Liman films
Go

Desmond Askew ... Simon Baines
Taye Diggs ... Marcus
William Fichtner ... Burke
J.E. Freeman ... Victor Sr.
Katie Holmes ... Claire Montgomery
Jane Krakowski ... Irene
Breckin Meyer ... Tiny
Jay Mohr ... Zack
Timothy Olyphant ... Todd Gaines
Sarah Polley ... Ronna Martin
Scott Wolf ... Adam

James Duval ... Singh
Nathan Bexton ... Mannie
Jay Paulson ... Loop
Jimmy Shubert ... Victor Jr.
スタッフの紹介

コロンビア・ピクチャーズのタイトルが終わる前からカットバックでこの作品のタイトルが始まっていました。変則です。
タイトルが凝っている作品は往々にして見終わると何だいこれはタイトルだけが凝っていただけではないとなることが多いのです。そんなんで本編の方は大丈夫なのかいと見ました。

プロローグ
最初のケイティ・ホームズのシーンはダイナーのシーンでした。
最後の方のシーンがここに入っていた。

スーパーにて。
ケイティ・ホームズとサラ・ポーリー、並ぶと背が高いのはケイティ・ホームズの方です。
スーパーの休み時間の暇つぶしに死んだ有名人しり取りをやっていました。

第1話
不幸が似合いそうなルックスのサラ・ポーリー(レジ係のローナ、17才)は家賃の足しにヤクの取引をすることになり売人に代金を全部支払うことが出来ずに担保としてケイティ・ホームズ(レジ係のクレア)が45分間だけ売人といることになったりしていました。

主人公3人の乗るクルマが凄い。→ 1977 Datsun B210
日本名ニッサン・サニー。2ドアセダン。多分4速マニュアル。
この時点で20年ぐらい前のクルマです。2ドアセダンなのも凄い。安さ全開といった感じ。

取引に行ったローナはおとり捜査に引っ掛かりそうになって冷や汗をかきます。
で、ヤクの取引で儲ける筈のカネを調達しようとしてアスピリン等を万引きしてヤクとして売ったりしていた。その後には冷や汗どころではなくなることに遭遇してましたが。

それでもローナは風邪薬ヤクを売る相手は選んでます。
育ちがよさそうな学生に売ってます。これがプラシーボ効果で効いたりしてる。

それでカネを儲けたらさっさと引き上げればいいものを考えが足りなくてバカをやって、その場所で遊んでてヤクの売人に見つかってから逃げようとしたとこをクルマ(黄色いマツダ・ロードスター)に跳ねられてしまいます。
→ 1992 Mazda MX-5 Miata [NA]
もちろんクルマはひき逃げでそのまま行ってしまった。果たしてサラ・ポーリーはそのままこの作品から退場となるでしょうか?

ネイサン・ベクストン扮するヒロイン2人の相棒マニー。
2錠飲んだら脳が溶ける?と別のシーンで前振りがあったその後にヤクを2錠ちょろまかして何も知らずにそのヤク2錠を飲んでラストまでずっとラリったままでした。
途中では妄想でいきなりスーパーのレジ係とダンスしたり、猫と話したりとヤクを満喫していたようです。

舞台がL.A.なのでクルマがないと移動が出来ません。
で、ヒロイン2人が乗るクルマはぼろぼろのニッサン・サニーの2ドアセダンです。
→ 1977 Datsun B210
アメリカ名はダットサン B210でした。
これもこれで凄い。元がサニーなのは同じです。アメリカでのニッサンは最初の頃はダットサンのブランドでクルマを売っていたのです。

ニッサン・サニーは映画にはよく出ていて貧乏人の乗るクルマの代名詞みたいなものです。私が覚えているだけでこの貧乏人の乗るクルマが出る映画は5本近くあるような。
ここ登場するのはいつ頃のクルマかというとOHVエンジンでフロントエンジン・リアドライブで後ろのサスペンションがリーフスプリングのリジッドという恐ろしくロースペック、ボディのデザインからすると1970年代後半のモデルでしょう。
ニッサンもバカです。安物を売ってブランドイメージを下げていたのですから。フランス人が社長になるのも無理はないと思えます。

タイムマシンならぬタイムレコーダーを押すシーンからリスタートとなります。
で、第2話
デズモンド・アスクウ扮するサイモンが主役で、サイモンを含めた4人の男がラスベガスへ行きます。行く途中のクルマの中では暇なのでルーツ談議から下ネタまでのお喋りが全開です。
→ 1972 Buick Riviera

ラスベガスに行けばサイモンはカジノですってしまう。
サイモンはどこかの結婚式に潜り込み花嫁付添人の2人をナンパしてヤクでラリってのセックスに突入して火事騒ぎをおこして逃げ出したりします。

テイ・ディッグス扮するマーカスは黒人なのでどこへ行ってもボーイと間違われてたりする。これはブラックユーモアのようです。
マーカスはクルマを置いとけと駐車係と間違われる。それでぶち切れてる。
そのクルマがフェラーリなわけです。
→ 1993 Ferrari 348 Spider

サイモンはバカな男でお勧めの店に行けば騒ぎをおこす。
そこの用心棒親子にカーアクションで追いかけられていました。
→ 1986 Dodge Ramcharger
この追っかけシーンではトンデモ・カーアクションを見せてくれます。
その割りには赤信号で後ろに付かれたとき青信号で左折急発進で逃げる等のディテールが凝ってるのがいい。
→元ネタは『ブリット』(1968年)
右側通行の左折なので追っかける方は対向の直進車が邪魔で行けないのです。その上に信号では隣にパトカーがいて追ってきた用心棒親子が手出しが出来ないように設定しています。この脚本はかなり上手い。

そんなこんなで何とかラスベガスを脱出します。
しかしクレジットカードから足がついてベガスの用心棒親子がやってくることを予測させています。

タイムマシンならぬタイムレコーダーを押すシーンからリスタートとなります。
で、第3話
ウィリアム・フィクトナー扮する怖そうなバーク刑事にヤク関係の事件をおこしたようで情状酌量を条件に無理やりにおとり捜査の協力をさせられる、ジェイ・モア扮する俳優ザックとスコット・ウルフ扮する俳優アダムが主人公です。
刑事のクルマはブルーのセダン。
→ 1987 Chevrolet Caprice

ザックとをアダムはゲイの仲で互いの浮気で揉めてる状態。
その浮気相手が同一人物とまだ気がついていない設定。

おとり捜査ではアダムの方がワイヤー(盗聴マイク)を仕込まれてておとり捜査が終わっても外すの忘れていたりする。この2人はバカやってます。いいコメディリリーフです。
スーパーにてクレアにいい男は何でゲイなのと言われたりする2人です。

おとり捜査はローナに逃げられて失敗します。
その後に何故かウィリアム・フィクトナー刑事の家のクリスマス・パーティに招かれる2人。フィッチナー刑事の家に行くと怪しさ全開で話しは進みますが結局肩すかしに終わります。

ゲイの2人は浮気相手の同一人物をとっちめようとあのディスコに向かいます。
とっちめた後に駐車場の出口を捜して迷っていたとこ(クルマは当然、黄色いマツダ・ロードスター)を偶然の巡り合わせでローナを跳ねてしまいそのまま逃げます。
→ 1992 Mazda MX-5 Miata [NA]

で、良心がとがめたのではなく事情が変わったのでローナの死体?を始末しようと現場に舞い戻ることになる2人。
この辺はブラックなギャグが全開です。「いいか計画通りにやるんだ」と言いながら全然計画通りではなくローナの死体の始末をあっさりと計画変更とか、この2人もバカやっています。特にジェイ・モアがいい。

ダイナーにて。
ケイティ・ホームズが売人のトッド・ゲインズに話しをする。
プロローグに戻ってます。
クレアはローナがどうなったのか事情を知らないのでわざわざトッドにコンタクトしてトッドの方が面食らってる。

クレアはトッドにプロローグで他の人にしていたのと同じ話しをしていました。
見ててそうするともう終わりでラストが近いのかなと思ったりする。おしゃべりネタが同じなのも何となくアイロニーがあっていい。

トッドの自宅アパートにて。
そんなことから売人トッドの家の階段でセックスとなろうとしたらベガスの用心棒親子がクレジットカードの持ち主売人トッドのとこにやってくるということになります。

この用心棒親子の出現するとこも凝っています。
最初に売人トッドの飼い猫が出てきて、何で猫が部屋から出ている?それは部屋に侵入者がいることです。説明セリフなしに描写していました。

ここで売人トッドが殺されて血の雨が降ると思ったらそうはならず民主的に解決しているのがいい。

エピローグ
ローナとクレアは忘れていたマニーを回収しにディスコに行きます。
このへんでスティーブン・バウアーに似てるので役名がマニーだとわかった。
落としたニッサン・サニー 2ドアセダンのキーも見つけて引き上げます。
エンドとなります。

この作品の描写バランスは上手い。
ヘタに人を殺すと後味が悪くなるのを上手くバランスを取って避けています。サラ・ポーリーだけ殺したりすると後味が悪くなるとこも避けています。
ラストまで行くと少しをギャグにバランスを取りすぎているような感じもしますけど。
私は最期のピースが収まって、さあどうでしょうというパズルのような脚本は見ててだからどうなんだいとあまり好きではありませんが、この作品の脚本は上手いもんだと感心しました。

話しは随分と違うけどスタンリー・キューブリック監督の『現金に体を張れ』(1956年)並みに面白い作品でした。
女優さんとブラックユーモアに関してはこっちの『go』(1999年)の方がいいです。
お気楽青春セックス物や陰々滅々社会派物だったら嫌だなと思って見たらあっと驚きの凝ったブラック・コメディで見てよかったです。
そんなわけてこれはよく出来た素晴らしい作品でした。

この作品内ではバカをやってる人が大勢出てきますがホントにバカ、1番バカなのはニッサンだと思います。
ニッサンてのは、いいクルマを出しても2回目のモデルチェンジでは必ず出来が悪くなります。これは会議だけは異常に強い人が邪魔をするのでしょう。
TVコマーシャルではクルマより一緒に出ているタレントやコマーシャル自体の方が印象に残ってしまい肝心のクルマの印象が薄くなってしまうことが毎度のようにあります。広告代理店のいいカモです。これは広告代理店からのリベートでおいしい思いをするのがニッサンにいるから?。
下請けばかりをいじめてないでこの2つの原因となる人材を処理するのがフランス人社長の役割だと思う。

『go』の脚本を日本向けに変更すれば面白い日本映画で出来るかもと一瞬思いますがそうはならないでしょう。
キャストは若手の実力派がいいのですがたいてい事務所の圧力派がキャスティングされるし、脚本は日本向けに手直しが過ぎて結局ヤクザ礼賛で終わるでしょう。やらないほうがいい。一瞬でもそう思った私がバカだった。


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