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2005.07.29

『バットマン オリジナル・ムービー』(1966年)

この作品は一般的にバットマンのイメージとなっているTVシリーズの映画版です。未見ではなくガキの頃TV放映で見たことがあり少し興味があったので2枚セールのDVDで買って見ました。ランニングタイムが105分もあるの?見ててそんなに持つのかと不安になる。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1966年 ウィリアム・ドージア・プロ/20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆105分
原題◆Batman
プロット◆悪の一味をやっつける話しのようです。
音楽◆ネルソン・リドルで有名なテーマはニール・フェフティ
20世紀フォックス発売のDVDにて。画質は非常によいです。

キャスト
アダム・ウエスト→ブルース・ウェイン/バットマン
バート・ウォード→ディック・グレイソン/ロビン
アラン・ネイピア→執事アルフレッド
リー・メリウェザー→キトカ/キャットウーマン
シーザー・ロメロ→ジョーカー
バージェス・メレディス→ペンギン
フランク・ゴーシン→ナゾラー
ニール・ハミルトン→ゴードン市長
スタフォード・レップ→オハラ署長
レジナルド・デニー→発明家のシュミットラップ提督

レスリー・H・マーティンソン監督の演出はまあまあだと思います。
全編に渡り説明セリフの連続でとてもわかりやすくなっています。しかし何でもセリフで説明では、これは映画ではありませんとなりそうな感じです。
そんなわけで道理でガキの頃に見た時はわかりやすかったのかとなります。映画とはいえ基本的にTVシリーズとは変わっていません。バットカーはそのままです。

凝った前説が付きます。レンガの壁に手書きで書かれています。続くタイトルも凝っています。タイトル倒れにならないといいのですが。
舞台もゴッサムシティ。この作品では見た感じはフロリダのマイアミのようなとこです。明るい雰囲気となっています。この作品に合っています

バットマンとロビンが出撃します。バットカーからのロケット噴射は炎が上に上がるくらいで頼りない。これは当時から思っていました。
発進加速するとこはコマ落としではないかい。道理で速いわけです。ガキの頃には気が付かなかった。

バットマンとロビンはバットコプターに乗り換えます。
普通のヘリコプターにバットマークとコウモリの羽根のような物が付いているだけです。
キャノピーが丸い金魚鉢のようで尾部につながるフレームがトラス構造のヘリコプターの見本のようなベル47というモデルです。

問題の船に接近してバットコプターからバットラダーを下ろしてバットマンが船に乗り移ろうとします。
バットラダーとは普通の縄ばしごの先にバットラダーと表示されたプレートが付いてるだけの物です。雰囲気に合っています
他にも何でも看板で表示してあります。何だか寺山修司の映画のようです。でも不条理物ではありません。

船は突然消失します。勢い余ったバットマンは海中に没してしまい引き上げられたらサメ(いかにもな作り物です)に食いつかれれてしまいます。
そこでヘリコプター備え付けのバットスプレー(サメ用)を使用して何とかサメを落とします。落ちたとこでサメは爆発します。バットマン危機一髪の図となります。なんというか緊張感は皆無でこの作品の雰囲気に合っています。

大物犯罪者を調べるバットマンと市の関係者。
これで悪役4人にキャラ紹介となっています。映画なので悪役もオールスターとなっています。ペンギン、ジョーカー、ナゾラー、キャットウーマンです。

悪の一味が相談中となります。
アジトのシーンは斜めのアングルで撮られています。斜めに撮ると怪しい感じが出たりしますがこの作品では緊張感はありません。これでいいのでしょう。雰囲気に合っています。

バットマンとロビンは船の消えた海域にあるブイを調べにバットボートで急行します。
このシーンではヘリコプターからの空撮なのがわかります。何故かというとヘリコプターのメインローターが回転している一部がフレームに入り込んでるのが嫌でも目に入るからです。まるでB級作品のようです。B級のようではなくモノホンのB級作品なのかな。

悪役4人はペンギン所有の潜水艦でバットマンとロビンを待ち受けます。
この潜水艦はスクリューではなくペンギンの水かきで推進しています。さすがペンギン所有の潜水艦です。こういうセンスは好きです。
潜水艦は米軍の払い下げ品をペンギンの偽名P.N.グエンで引き取ったとのことです。偽名P.N.グエンはペンギンのアナグラムとのことです。

ブイを調べるバットマンとロビン。
船が消失したのはブイに投影装置があったからとわかりますがリモコンでブイを強力な磁石とされバットマンとロビンは身動きが取れなくなります。そこへペンギン潜水艦から魚雷攻撃を受けます。
1発目と2発目は強力電波妨害器で自爆させますがバッテリー切れになったとこに3発目が来ます。果たしてバットマンの運命は?となります。→3発目はイルカに当たったとのことです。このエクスキューズはイルカは音波に敏感だからとなってつじつまはあったりします。

次に悪役4人はバットマンをおびき寄せるためにブルース・ウェインを誘拐することにします。
キャットウーマンのキトカがブルース・ウェインに接近します。演じるリー・メリウェザーのイブニングドレス姿が見れます。いい雰囲気になっているとこを空飛ぶパラソルで悪役御一行がやって来てブルース・ウェインをアジトに連れ去ります。

アジトにて、せっかくブルース・ウェイン誘拐に成功はしたが肝心のバットマンが来ません。そりゃそうなのですが悪役4人は気がついていません。
バットマン抹殺のこの作戦は当然失敗してなんだかんだあって結局ブルース・ウェイン自身の姿のまま自力で脱出してしまいます。
ブルース・ウェインはバットマンとなって監禁されたアジトに乗り込みますが爆弾をしかけられていて爆弾を持って捨てる場所を捜して走り回ることになります。どうやらギャグのようです。

シュミットラップ提督の発明の人体粉末化装置で手下5人を粉末にするペンギン。
これで何をする?→瓶詰めの携帯出来る手下で水をかければ再製というこのようです。ポップなアイデアでいい感じです。

シュミットラップ提督に変装したつもりのペンギンを連れて秘密基地にバットカーで帰還するバットマンとロビン。
バットカーは帰還して停止するとターンテーブルでターンして向きが変わるようになっています。これで見て納得となります。こういうとこが妙に気になったりするのです。

ペンギンは秘密基地に入ったとこで手下5人を粉末から元に戻してバットマンを片づけようとしますが使用する水を間違えて失敗します。手下5人は触ったらすぐに消えてしまうシャボン玉のような人間になってしまったのでした。

何故かペンギンをバットカーで連行しようと秘密基地を出るがペンギンガスで眠らされてペンギンはバットカーで逃げてしまいます。
実は眠らされていなかったバットマンとロビンは近くの草むらに隠してあったバットサイドカーに乗ってバットコプターまで行って乗り換えて追跡します。そのバットコプターは偶然にポラリスミサイルの通過したせいで墜落となります。

バットコプターで無事に不時着したバットマンとロビンはペンギンの向かったらしい国連ビルに走っていきます。
ロケを見ている一般市民の中を走るバットマンとロビン。ヒーローというより単なるコスプレをしている人のようにも見えて結構つらい雰囲気もします。それともギャグなのか。

国連ビルで合流した悪役4人は議論中の各国代表の9人を粉末にして試験官に入れてペンギン潜水艦で持ち去ります。
バットマンとロビンはバットボートで逃走するペンギン潜水艦を追跡します。ペンギン潜水艦からはポラリスミサイル攻撃(アーカイブ・フッテージの流用)があります。
バットボートは旋回して中心にいるペンギン潜水艦に向かってバット砲を連続して撃ち込みます。
損傷を受けたペンギン潜水艦が浮上したとこにバットボートを接艦して乗り込んで格闘アクションとなります。浮上したペンギン潜水艦は実物大セットのようです。さすが映画なので太っ腹です。
ここでようやくTVシリーズでおなじみの効果音の絵文字入りの画面となります。なんとものんびりしたアクションシーンとなっています。この作品の雰囲気に合っています。
TVシリーズでは編集で文字だけのショットが入ってるだけでしたが映画ではちゃんと文字が画面に合成されています。ガキの頃TV放映で見た時はさすがは映画だと感心したものです。

アクションが終了して無事に破損せず残っていた各国代表の9人分の粉末試験官9本セットですがシュミットラップ提督がつまづいて粉砕してまぜこぜとなってしまいます。
ようやく分離して再製したが服や言語がまぜこぜのままというオチとなっています。ガキの頃見た時は日本語版のせいもあると思いますがまぜこぜは服だけと記憶していましたが違ってました。。


キトカ/キャットウーマンを演じるリー・メリウェザーは1960年代美人です。きれいに撮れています。
ロシア人記者のキターニャ・アリゾフのキターニャが通称キトカとなるようです。なるほど。

バットマンのコスチュームは黒ではなくムラサキがかかっていました。そういえばガキの頃は白黒TVで見ていました。わかるわけない。


予想よりゆるい出来でした。でも私はティム・バートン版よりこっちの方がいいな。キトカ/キャットウーマンを演じるリー・メリウェザーを見ているだけで満足しました。
そんなわけで見てて脱力しますがまあまな作品でした。見てよかったと思います。



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