『奥様は魔女』(1942年)
この作品にはルネ・クレール監督、ベロニカ・レイク、フレドリック・マーチ主演のファンタスティック・コメディです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1942年 ルネ・クレール・プロ/マスターピース・プロ/ユナイト アメリカ作品
ランニング・タイム◆74分
原題◆I Married a Witch
プロット◆魔女が復讐に失敗して幸せになる話しのようです。
音楽◆ロイ・ウェッブ
スカイパーフェクTV260シネフィルイマジカにて。画質はまあまあ。
キャスト
フレドリック・マーチ→知事候補のウーリー=ダーリン
ベロニカ・レイク→魔女のジェニファー
セシル・ケラウェイ→魔女の父
ロバート・ベンチュリー→医者のダッドリー
スーザン・ヘイワード→ウーリーのわがままな婚約者エステル
ルネ・クレール監督の演出はよいと思います。
特撮はゴードン・ジェニングス。◆ミニチュアを適度に使用。これがいいです。
脚本がよく出来ていると思います。余計な寄り道はしていません。
前説があります。
プロローグ
17世紀のニューイングランド ロックスフォード町にて。処刑場です。
魔法使い親子の火刑の前に休憩に入り物売りがポップコーンを2ペンスで売っています。最初から外してて、これは真面目ではないなと思わせていいです。
フレドリック・マーチ扮するウーリーが登場。この件を告発したとのことです。
魔女のジェニファーから呪いをかけられたとのことです。
ウーリーにはうるさい母に、これまたうるさい婚約者がいます。
火刑にしたら魔力を封じるために樫の木が植えられます。
1770年。樫の木のもとのウーリー。どこからか声が聞こえてきます。
1861年。夫婦げんかを回避するために南北戦争に志願するウーリー。
1904年。また不幸な結婚生活のウーリー。
現在となります。多分1942年です。
どの時代も魔女の呪いのせいで不幸な結婚生活で全部フレドリック・マーチが演じていて大まじめなのですがギャグになっています。
フレドリック・マーチのお固い石部金吉ぶりがいい。キャラに会っています。
パーティです。
フレドリック・マーチの知事候補ウーリーが登場。
スーザン・ヘイワード扮する婚約者のエステルが登場。
その父親もいます。新聞社のオーナーで知事候補ウーリーの後援者というわけです。
ロバート・ベンチュリー扮するウーリーの選挙参謀?のダッドリーも登場。
手っ取り早くキャラ紹介といった感じです。
パーティの最中に雷雨となります。樫の木に雷が落ちて魔女とその父が復活となります。
まだ煙の状態。270年経っているとのことです。
煙のままパーティを見に行きますが現在の若者言葉が理解出来ないというギャグが入ります。
ダンスのことも不思議だと言ってます。
酒瓶に隠れる魔女とその父。
ウーリーを見つけます。そんなことから不幸な結婚生活なんて当たり前だとなって、呪いを変更することになります。
その呪いとは結婚したくても出来ない状態がいいのだ?となります。
身体を手に入れたいとジェニファー。それには炎が必要ということで、ピルグリム・ホテルに火事を起こします。
そこを通りがかったウーリー。ホテルのオーナーと話します。燃えても構わんとのことです。保険があるし、今度はゴシック風にするんだって。
ウーリーは声に導かれて燃えさかるホテル内に入ります。
身体を手に入れたベロニカ・レイク扮するジェニファーと会います。煙の中ですがまだ裸なんだって。自分のコートを着せます。裸に直接コートを羽織るとは妙に色っぽくていいです。
ベロニカ・レイクさんは小柄です。
ウーリーは帰宅します。
玄関にはネコのスージーがいます。中に入り込んでしまいます。
自室の椅子にはネコを抱いたジェニファーがいます。病院からホウキで飛んできたようです。ここはタクシーに押し込んで送り出します。
選挙参謀?のダッドリーがやってきます。
女がらみのスキャンダルになると心配する。
で、寝室のベッドにはウーリーのパジャマを着たジェニファーがいたりします。妙に色っぽくていいです。
説得しているウーリーですが、いつのまにか朝になっています。
そんなとこに婚約者とその父がやってきます。ごまかすウーリー。
後2時間で結婚すると知りこまるジェニファーです。
煙のままの父と相談してほれ薬をで行くとこにします。
歌いながらほれ薬を作るジェニファーです。クレール監督得意の歌がちゃんとあったりします。
戻ってきたウーリー。
ドレス姿になっているジェニファーが待っています。ひらひらでタイトなドレス。バストが強調されてて、へそ下のV字のラインがいい。妙に色っぽくていいです。
ウーリーにほれ薬を飲ませようとしますが肖像画がジェニファーの頭に落ちて気を失ってしまい介抱の際に問題のほれ薬をジェニファーが飲んでしまいます。
そんなジェニファーの置いて結婚式に向かうウーリーとダッドリー。
煙の父はセシル・ケラウェイの身体を手に入れて登場します。
結婚式を壊そうと式場に乗り込むジェニファーと父。
式場にて。
突風が吹いて大混乱となります。御婦人方のドレスがめくれるのがいい。
控室ではジェニファーの父はウーリーに撃たれるように仕向けます。
死体になっても「撃ったのはウーリーだ」と証言をしているジェニファーの父。死体が証言しては少しまずいのではと思えます。
式が中断すると場をつなぐのにたびたび歌が入ります。繰り返しのギャグのようです。
妨害が入って中々結婚式が進まないので、花嫁に「早いとこ済ませろ」と激を飛ばす花嫁の父です。そういう場合ではないと思えますが・・・
結局、式は台無しとなります。事情を説明しようとするウーリーですが追い出されます。
元花嫁の父の新聞に叩かれるウーリー。
クルマで州境を越えるとこのウーリーとジェニファーです。
ジェニファーは魔法で宿を造り、そこに泊ることになります。結婚もします。
ちゃんと「ダーリン」と言ってます。鼻ピクピクはありません。
警察の留置場にて。
酔っぱらったままで呪文を忘れてるジェニファーの父。
ウーリーが会いに来ます。
ウーリーを知事にと魔法のギャグ色々。
当然のごとく圧勝して当選します。
一応、選挙速報をラジオで聞いているウーリーとダッドリー。
ようやく二日酔いから醒めてジェニファーの父が2人に制裁を与えにやって来ます。タクシーで逃げるウーリーとジェニファー。
運転手がいつのまにかジェニファーの父になっています。
猛スピードで走るタクシーを白バイが追跡しますが、タクシーは空を飛んで逃げ去ります。当然と驚く白バイ隊員。
空飛ぶタクシーは樫の木に激突します。
煙になるジェニファーと父。何だかんだとあってジェニファーは生き返り、父は煙のまま瓶詰めとなります。
エピローグ。
メイドのおばさんのセリフ「37年勤めた」から7年後とわかります。
娘はホウキ遊びが大好きですという落ちとなります。
ベロニカ・レイクは魅力的でした。声はやはり甘い声。ちゃんと「ダーリン」と言ってました。小柄です。
フレドリック・マーチはコメディをこなしていました。立派なダーリンぶりでした。
スーザン・ヘイワードはこの頃はサポート専門です。同じ年の『絶海の嵐』(1942年)でもサポートで死ぬ役でした。ここではと死なないからまだマシか。でも性格が悪いキャラでした。
そんなわけでルネ・クレール監督らしい出来でキャストもよく御機嫌な出来の作品でした。
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こんばんは。世代は違うけども、技術も文化が変わっても今と変わらないんだなって参考になった映画です。ほぼ同じ時代に作られた「グランド・ホテル」も見ましたが、第二次世界大戦直後でこの生活水準だって思うと、「昔なんて」と罵っていた自分が情けないです。
さておき、自分的には一番面白かったのが、「ジェニファーがワッフルにはまって、何度もおかわりするシーンとしびれを切らした家政婦がお断りを入れる」「刑務所で魔法を発動させて、一斉に「ウーリーに一票を!」と皆が無関係に叫びだす」所です。
色々なギャグやジョークが散見されますが、この二つのシーンは面白いです。
投稿: 名無しのさらし | 2015.02.03 23:14
名無しのさらしさん、コメントありがとうございます。
ホントに1940年代の日本の実際の風景とアメリカの実際の風景を比べれば別世界だと思います。それでは現在は同じになったのか?となると色々と微妙な感じもします。
この作品の私のお気に入りシーンは、中々進まない結婚式で花嫁に「早いとこ済ませろ」と激を飛ばす花嫁の父のシーンです。これは最高。
私は現在の映画をもいいし昔の映画もいい。何でも見れます。一応好みのジャンルはありますけど。
そんなわけで映画はいいものだとまた見る気がしてきます。
投稿: ロイ・フェイス | 2015.02.07 10:02