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2005.06.12

『暗黒の恐怖』

この作品はエリア・カザン監督、リチャード・ウィドマーク、ポール・ダグラス主演の伝染病物サスペンスのようです。一応フィルム・ノワールです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1950年 20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆96分
原題◆Panic in the Streets
プロット◆伝染病を追って悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆アルフレッド・ニューマン

キャスト
リチャード・ウィドマーク→衛生局のクリント・リード博士
バーバラ・ベル・ゲデス→奥さんのナンシー
ポール・ダグラス→捜査に協力するトム・ウォーレン警部
ポール・ホステトラー→リードの部下ポール・ギャフニー
エリア・カザン→検死医のクリーバー (uncredited)

ウォルター・ジャック・パランス→悪党のブラッキー
ゼロ・モステル→子分のフィッチ
ガイ・トーマハン→子分のポルディ
ルイス・チャールズ→死んだコチャック
メアリー・リスウッド→フィッチの奥さんアンジー
トミー・クック→ポルディの弟ビンス

H・ウォーラー Jr.→マレー市長 メイヤーとなってます。 (uncredited)
ダン・リス→新聞記者のネフ
ヴァル・ウィンター→ダン署長 (uncredited)

スタンリー・J・レイス→近所の画家レッドフィールド

ウィルソン・ボウルグJr.→証言者の船員チャーリー
レンカ・ピーターソン→チャーリーの恋人ジャネット (uncredited)

アレックス・ミノティス→ギリシャ料理店のJ・メファリス
アーリン・スティーブンス→その奥さんリタ

エリア・カザン監督の演出はよいと思います。意外と手堅くまとめていました。これは20世紀フォックスのカラーなのかもしれません。
ニューオーリンズが舞台です。ロケの効果はよく出ているようでした。
夜のシーンの照明が光と影の『第三の男』(1949年)風になっています。
ニューオーリンズの土地柄に合わせてジャズが流れます。

会話シーンの切り返しはやっていなかった。
でもラスト直前の大事なとこの夫婦の会話シーンはその切り返しをやっていました。これは意図的なのか撮影の都合なのかはわかりません。でもあった方がいいです。

始まって4人でポーカーをやっていてそのうちの1人が具合が悪くなります。
この人が密航者ということです。勝ち逃げと勘違いされて射殺されます。

当局が死体を調べれば肺ペストとわかりその対策はと話しは進みます。
2日でなんとかしないと大変なこととなるとの設定となっています。
肺ペストは空気伝染するので広がり始めればあっというまということだそうです。中世では黒死病と呼ばれたとのこと。
職務上やたらと注射しています。でもリチャード・ウィドマークに注射されるのは恐そうで嫌だな。

この伝染病のことを世間には内密にして対策を進めるのでジャック・パランス扮する悪党のブラッキーが余計なことを深読みして話しがこじれます。ジャック・パランスはキャラに合い過ぎ。

リチャード・ウィドマークは船員募集所に言って証言者を探します。
ここで女性からコンタクトがあって手がかりを得ます。

この証言から飛行艇でナイル・クィーン号へ行くリチャード・ウィドマークとポール・ダグラスの2人。
事情聴取や予防注射となります。
ここで登場するアジア系のコックは意味もなくニコニコしているアジア系ステロタイプですがホントに嬉しそうだったのでいいとしましょう。事情聴取が大好きというキャラなのもいい。

ギリシャ料理店にて。
店主のJ・メファリスは事情聴取で否定していたがすぐに奥さんが死亡となります。ここからいよいよ保菌者に接近することになりますが、期限が朝刊が出るまでの4時間となってしまいま。

最初は仲が悪いけど次第に協力していくコンビというよくある設定です。
あまり上手くいっていないコンビでポール・ダグラス警部は「大学出はありもしないで点数を稼ぐ」などと言ってます。
次第に理解し合ういいコンビとなっていきます。リチャード・ウィドマークとポール・ダグラスのコンビのキャストは渋過ぎでいいです。

リチャード・ウィドマーク扮する衛生局のクリント・リード博士の奥さんは何とバーバラ・ベル・ゲデスでした。もったいない。
衛生局の制服姿で行動するリチャード・ウィドマーク。この制服があまりカッコよくなくてこまったものです。

リチャード・ウィドマークは車イスの老女性を階段から突き落としてデビューしたのですが、その強烈な個性からその後の売り方がわからずにキャリアを重ねたといった感じです。

奥さんのナンシーを演じるバーバラ・ベル・ゲデスは『めまい』(1958年)でジェームズ・スチュアートに尽くす元恋人役が印象に残ります。でもアメリカではTVシリーズ『ダラス』(1978年)の方が有名なのでしょう。

ポール・ダグラスが出ていると20世紀フォックスだなという感じがします。この頃の作品によく出ていました。

ウォルター・ジャック・パランスと出ているジャック・パランス。
ねちっこい感じで人を支配したがる典型的悪党を熱演していました。別にそんなに熱演しなくても十分悪役に見えるのにこまったものです。それともこれがジャック・パランスの普通の演技なのかな。

この作品は同じエリア・カザン監督作品で有名な『欲望という名の電車』(1951年)の前作でカザン監督は多分ニューオリンズでロケハンが出来るから引き受けたのでしょう。
エリア・カザン監督は20世紀フォックスで数作撮ってからワーナーで『欲望という名の電車』を自分の思う通りに自由に撮ったらあんな風になったようです。正直言って『欲望という名の電車』の演出は舞台そのままといった感じでとても映画的とはいえなかった。ニューオリンズロケの効果もなかったし。そもそもロケしていたのか?と私的には低評価となります。

株式会社ブロードウェイ発売のDVD
画質はまあまあ。DVDクオリティ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch

ブロードウェイのタイトル
著作権のアラート

Twentieth Century Fox
タイトル
Twentieth Century Fox purezes

Richard Widmark Lt. Cmdr. Clinton 'Clint' Reed M.D.
Paul Douglas Capt. Tom Warren
Barbara Bel Geddes Nancy Reed
in
Panic in the Streets

with
Jack Palance Blackie (as Walter Jack Palance)
Zero Mostel Raymond Fitch
Dan Riss Neff - Newspaper Reporter
Tommy Cook Vince Poldi - Younger Brother
スタッフの紹介
ソル・C・シーゲル製作
エリア・カザン監督
タイトルバックは夜の街をクルマが走る。

クルマはあまり関係なくて店の2階でポーカーをやってます。
もう具合が悪くなって帰りたがる男が登場。密航で到着初日でもう具合が悪い。

ジャック・パランスのボスのブラッキー
ゼロ・モステルの子分フィッチ
ガイ・トーマハンの子分のポルディ
ジャック・パランスはマシュー・マコノヒーを凶暴にした感じです。

無理やり帰る病気の男コチャック。
帰り道で電車に轢かれそうになってます。
倉庫でポーカーに勝って勝ち逃げはゆるさんと片づけられる。

エリア・カザン監督はこの作品はこんなによかったのに、自由に撮れるようになったら舞台そのままになったしまった。上手くいかないものです。

翌日の港にて。
死体が発見されてます。

モルグにて。
死体が運び込まれて検死になってます。担当はクルーバー。

衛生局のクリント・リード博士の自宅にて。
リードは息子トミーとペンキ塗りをしてます。
近所のレッドフィールドさんの話しをするトミー。ペンキ塗りが上手いとか。
そんなとこを部下のポール・ギャフニーから電話ですと奥さんが伝える。
6週間の休暇初日で呼び出されるリード。

モルグにて。
大勢で検討してます。これは大変となってます。
じいさんのベン
検死のクリーバー
制服の部下 ポール・ギャフニー
死体の側にいて今はいないビリーを呼んでくれと大騒ぎ。

お偉方の会議です。多分市役所だと思う。
そんなわけでお偉方に説明するリード。
肺ペスト、現代の黒死病。致死率100パーセント。

メイヤーさんと呼ばれてるけど、これは市長でしょう。
おじいさんのマッキー先生。衛生局のお偉方。
ポール・ダグラスのトム・ウォーレン警部。隣りにはダン署長。

48時間で大流行になると力説するリード。
そんなわけでウォーレン警部がリードと組めと仕事を押し付けられる。
ダン署長はあとはよろしくといなくなる。
しつこい新聞記者のネフが登場。

警察にて。
容疑者が大勢呼ばれて尋問されてます。
レイモンド・フィッチもいます。適当に答えてる。洗濯業。

リードとウォーレン警部。
まだ迷惑がられてるリード。それでも段々と協力態勢になるわけです。
血清を注射されるウォーレン警部。これは面白いと他のお巡りが見物しようとするギャグが入ります。

カフェにて。
リードとウォーレン警部。
偶然にフィッチがいたりします。あまり関係はない。
捜査方針を巡って口論になってます。怒ってリードは出ていく。

洗濯屋にて。
フィッチが荷物をまとめて夜逃げするようです。
そんなわけで奥さんのアンジーともめてます。
ブラッキーがいます。早く夜逃げしようと焦ってるフィッチ。
何しろ犯罪人が片っ端から警察に引っ張られているので何事だ?となってるわけです。

船員雇用所にて。
ここに1人で来ているリード。
船員達に死んだ男の写真を見せて50ドルで情報を集めようとする。
しかし上手くいかない。空振りです。
船員の臨時雇いとはいえ船に乗ったらずっと拘束されるので大変そう。

バーにて。
情報待ちのリード。そんなところに女性がコンタクトしてくる。
ここでは会えないと案内する女性。

小型船にて。ボートハウス兼用。
リードを案内した女性。船員のチャーリーが来て話しとなる。
いよいよ伝染病の話しをするリード。女性もチャーリーを説得する。
チャーリーに血清を打ちます。ナイル・クイーン号の名前をゲットする。

ナイル・クイーン号にて。
近くを飛行艇が着水する。
リードとウォーレン警部が船に乗り込む。リードの部下もいます。
船名はセリフで言わずに浮輪の船名を映して描写してます。昔の映画のいいところです。元はサイレント映画の手法なんです。

船長と交渉するが迷惑がられてます。
リードは船員達にお前らそのうち死ぬぞと大声で教える。
そうなると浮き足立つ船員達。船長は暴動を煽るなと激怒してる。
しかし大騒ぎになってます。
喋りたがりの中国人コックが登場。
そんなこんなで全員血清注射となります。

血清注射にて。
注射ついでに事情聴取してるウォーレン警部。
密航者に食事を届けに行ったボーイかコック見習いが密航者はシシカバブをくれと言ったと証言する。
次が喋りたがりの中国人コックです。

レストランにて。アテネ・カフェ。
ここにパトカーが来ます。
リードとウォーレン警部が聞き込みに来ます。
店主のメファリス。写真を見ても反応は悪い。
会話からもう15軒目だと愚痴が出ているウォーレン警部。

店主のメファリスと夫人。
写真の男を見てるけどどうすると相談になってます。
ポルディが連れてきた男コチャックと夫人が言ってます。
しかしとぼけた方がいいと亭主に言う夫人。
夫人ですが頭痛がすると言ってる。これは大変。

そんなわけで見ていませんと伝える店主のメファリス。
アッサリとここを引き上げるリードとウォーレン警部。

入れ替わりでブラッキーが来ます。
小人の子分から情報をゲットして駄賃をやる。

ブラッキーと子分のフィッチとポルディ。
ポルディの弟ビンスもいる。駄賃をやって追っ払うブラッキー。
ブラッキーは何で殺した男のことで警察が騒ぐ?とポルディを詰問する。

会話シーンは長回し専門で切り返しのカットバックはやっていません。
あとの舞台そのままの兆候はあったわけです。

そんなところに情婦が来てブラッキーに100ドル貸してくれと言う。
この隙にポルディとビンスは逃げてしまう。まだ余裕のブラッキー。

夜、港にて。
パトカー2台で来てます。リードとウォーレン警部。
そんなところに高熱で倒れた女性がいると連絡があって急行する。

倒れた女性のアパートにて。
リードとウォーレン警部一行が来たらもう女性は死亡していた。
あとでベッドを燃やせと命じてるリード。
そんなところに亭主が帰宅します。あの店の店主メファリス。
フリータ夫人が死んだと聞いて心底がガックリしてるメファリス。

ウォーレン警部がメファリスをしめてようやく証言させる。
死んだ男はコチャック。ポルディが連れてきた。
どこだというとグロリア・ホテル。ようやく居場所がわかった。急行します。
記者のネフもうろついてます。記者クラブで待ってないで1人で取材してるのは偉いと思える。

グロリア・ホテルにて。
ここに入るリードとウォーレン警部一行。
ウォーレン警部はここを封鎖しろと命じる。
それからポルディの部屋を家捜しします。ホテルの主人も尋問する。

ネフ記者がどんな事件なんだと取材してくる。
衛生局のリードが動いてるので天然痘かコレラか?と聞く。
肺ペストだと答えるリード。非公開にしてくれとネフ記者を説得しようとする。
そんなわけで説得に応じないネフ記者を逮捕勾留させるウォーレン警部。

自宅にて。
ようやく帰宅するリード。ガレージで制服を脱いでまとめる。
そんなところに夫人が来ます。近寄るなと注意するリード。

支払いするはずの50ドルを使ったと言うリード。
夫人はあまり気にしない。
すぐにまた出かけるからコーヒーを入れてくれと頼むリード。

出かける前の一休みで夫人と話し込むリード。
会話からここがニューオーリンズだとようやく思い出した。
ウォーレン警部は切れ者だと褒めてるリード。
夫人はがんばってと旦那を励ます。
それからトミーを一人っ子にはせずに2人目の子供を作りましょうとなってます。
電話が鳴ってます。

夜の街にて。
待ち合わせに電話で呼ばれたリード。ウォーレン警部もいます。
メイヤー一行が来てネフ記者の件の話しをする。もう釈放されてる。
リードは1人でも街から出たら大変だ。もう街だけの問題ではないと力説する。
そんなわけで朝刊が出るまでのあと4時間で何とかしろとなります。

教会にて。
ブラッキーは小人の子分が連れてきたポルディの母親から情報をゲットする。

ポルディの自宅アパートにて。
フィッチがポルディを看病しでます。ホトンドゲイのような感じ。
そんなとこにブラッキーが来て死にそうなポルディを詰問する。
まだコチャックが金目の物を持ってきたはずだと勘違いしてるブラッキー。

そんなところにナースのおばさんが来て救急車が来ると伝える。
更にブラッキーが呼んだ闇医者まで来る。マラリア熱だろとう言ってる。
家族の同意がないということでここからいなくなるナース。
ポルディをここから運び出し闇医者のところに連れて行くことになる。

ちょうどナースに案内されリードが来てます。
それで階段で運び出されるポルディと鉢合わせになる。
そうなるとポルディを階段下に放り出すブラッキー。フィッチと逃げてます。

ブラッキーはそのへんのクルマを盗んで逃げます。
そんなところにウォーレン警部のパトカーが来ます。
そんなこんなで盗まれたクルマを追うパトカーとなります。

コーヒー倉庫にて。
ここに逃げ込んだブラッキーとフィッチ。
屋根に逃げたが囲まれたので天窓を割って倉庫内に逃げる。

あちこち逃げ回って知り合いの警備員ピートとコンタクトするブラッキー。
外の船はホンジュラスに行くと聞いて密航するつもりのブラッキー。
いよいよ撃ち合いになって巻き添えで撃たれてる警備員のピート。

ウォーレン警部は現場指揮のダニーともめてます。
この隙にリードは説得をしに倉庫内に入ってしまう。

倉庫内で説得すしてるリード。
しかしブラッキーとフィッチはマンホールから桟橋下に逃げている。
これを追ってるリード。

桟橋下にて。
フィッチが倒れてるとこに来たリード。
しかし上に隠れていたブラッキーに殴打され昏倒する。
危ないとこをウォーレン警部が助っ人に来てブラッキーは逃げる。
撃ち合いになってます。ブラッキーに撃たれたフィッチは死んではいない。

ブラッキーは桟橋下を移動して船に接近してる。
船のロープを伝って乗り込もうとするが途中でネズミ返しの円盤があったります。
ようやくネズミ返しを越えたとこで力尽きて海に落ちるブラッキー。
このへんはスタント無しで全部ジャック・パランスがやってるみたい。

ウォーレン警部はブラッキーが落ちるまで待って、落ちてから逮捕しろと命じてます。少しユーモアが入ってる。
これで肺ペスト患者に接触した関係者は全部となったわけです。ようやく収束となります。

自宅にて。
パトカーに送られて帰宅するリード。ウォーレン警部が運転してる。
持ち込まれたの300ドルの香水でした。それほどの物ではなかった。

ズタボロで帰宅するリード。
クルマでレッドフィールドさんが来ます。
数日間留守でしたねから息子さんといてやんなさいとアドバイスされる。

ようやく夫人と再会するリード。
キスをしてエンドとなります。


そんなわけで低予算ですが伝染病物としてよく出来た作品でした。


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