『拾った女』(1953年)
この作品はサミュエル・フラー監督でリチャード・ウィドマーク主演の犯罪サスペンスです。反共映画とのことですが出来はどうかな?
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1953年 20世紀フォックス アメリカ作品
原題◆Pickup on South Street
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 新薬の化学式のフィルムの入った財布をすったスリを巡って色々ある話しのようです。
音楽 何となくジャズっぽいとこもありました。
キャスト
リチャード・ウィドマーク→スリのスキップ・マッコイ
ジーン・ピーターズ→ヒロインのキャンディ
セルマ・リッター→密告屋のモー
サミュエル・フラー監督の演出はよいと思います。脚本も書いています。
問題の新薬の化学式のフィルム、これはマクガフィンのようです。ということはあまり深く考えないでよろしいことです。実際のこの作品内でも全く説明がありませんでした。
反共映画とのことでしたが、その通りで共産主義者と思われること、言われることが、警察から情報屋、スリ、ヒロインまで最大の恥と思うことでは一致してました。少し極端なのではと思えてしまいます。
デビュー作で有名な例の笑い方はありませんでしたがリチャード・ウィドマーク扮すスキップ・マッコイはスリの癖にやたらとカッコよかったです。
出所したばかりのスリのスキップ・マッコイはN.Y.の港の水上の小屋に住んでてビールを冷やすためにロープに箱を水中に沈めていました。これは冷蔵庫があっても真似をしたくなる。で、この箱が二重底でブツの隠し場所になっていました。
リチャード・ウィドマークはマンガ『エイトマン』の外人悪役のモデルになっている人でしょう。マジでソックリなのです。
ジーン・ピーターズは小柄な人と思ってましたがセルマ・リッターは更に小柄なのか一緒にいるとジーン・ピーターズの方が背が高かったりします。
白いワンピース姿は素敵で全編ホトンドはこの姿でした。声はあまりいいとはいえず。
スキップ・マッコイが住んでる水上の小屋にて殴られて気絶しているシーンはいいです。その他にもその小屋のハンモックで寝ていたり、男のアパートでスタントなしで殴られたり突き飛ばされて壁に激突してました。これは見物でした。
その代わりのサービスなのか顔のアップになるとソフトフォーカスになっていました。
図書館で以前の新聞を読むのにフィルムで保存されているのを投影機で読んでいました。これでスッたフィルムを確認してました。アメリカではこんなに前から新聞はフィルムで保存されていたのか。私は重い縮刷版しか読んだことがないのでうらやましい。
ジーン・ピーターズが魅力的でよい作品でしたが、お手軽な反共映画というやつでこの点は?が付きました。
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