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2005.05.26

『遊星からの物体X』(1982年)

この作品は実質ハワード・ホークス監督の『遊星よりの物体X』(1951年)に強い影響を受けたというジョン・カーペンター監督のリメイク作品のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1982年 ターマン-フォスター・カンパニー・プロ/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆109分
原題◆The Thing
プロット◆奇妙なドロドログチャグチャ異星人に悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆エンニオ・モリコーネ ジョン・カーペンター本人ではないのが珍しい。もちろん素晴らしいスコアとなっています。
エンニオ・モリコーネ先生のスコアですがベースの音が強調されたりして何となくジョン・カーペンター風になってるとこもあります。

ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。
スクイーズ収録ではありません。画質はスクイーズ収録ではないけどよい方です。そんなわけでフル表示では上下左右に大きく黒味ありなのでHDスーバーライブ。画面サイズはワイド。上下に黒味あり。
音声はドルビーデジタル5.1ch ヘリコプターは5.1サラウンドが似合います。

キャスト
カート・ラッセル→ヘリ・パイロットのマクレディ
キース・デビッド→機械技師のチャイルズ 黒人
ドナルド・モフェット→ギャリー隊長
リチャード・ダイサート→コッパー医師
A・ウィルフォード・ブレムリー→メガネで初老の生物学者のブレア
ジョエル・ポリス→生物学者助手のフュークス
チャールズ・ハラハン→太ってる物理学者のノリス
リチャード・メイサー→犬係のクラーク
トーマス・ウェイツ→無線担当のウィンドウズ
T・K・カーター→コックのノールズ 黒人
デビッド・クレノン→第2ヘリ・パイロットのパーマー
ピーター・マローニー→気象学者のベニングス

ジョン・カーペンター監督の演出はよいと思います。
溶暗を多用しています。その効果はあります。
人物の出し入れが上手いと思う。舞台劇みたい。
特撮スタッフはロブ・ボッティン、スタン・ウィンストン、アルバート・ウィットロック、ロイ・アーボガースト等、多彩な才能の人がそろっています。

簡単な印象としてはジョン・カーペンター監督は大ざっぱな割には見てて面白い演出がハワード・ホークス監督に似ています。

プロローグ。
宇宙から円盤が地球の大気圏に突入します。
タイトルとなります。John Carpenter Picture's The Thingと出ています。
The Thigの出し方はオリジナルと同じです。オリジナルはモノクロでしたがこの作品では青い炎になっています。何かイメージが違うような。まあいいけど。

1982年 冬 南極と字幕が出ます。
雪原でヘリコプターが犬を追います。
その犬はアメリカ基地に逃げ込みます。
犬を追ってるスウェーデンではなくノルウェーのヘリコプターで着陸したところ手榴弾が誤爆して炎上します。
1人残ったノルウェー人はアメリカ人隊長に撃ち殺されます。
アメリカ人はやることがおおざっぱです。犬はアメリカ基地に入ります。

最初から緊張感があり過ぎとなっています。
ピンポンしていても緊張感がある。

アメリカ基地はどことも無線で交信不能状態となっています。これ伏線らしい。孤立しているということです。
基地内を犬が歩き回ります。歩いてるだけで不気味です。

ヘリコプターでノルウェー基地に向かう時に・・
やっぱりクレイジー・スウェーデンと言ってます。正解はノルウェーなのです。北欧3国ネタのこのジョークは全世界で通用するようです。
やっぱり1番有名なのはスウェーデンのようです。イングリッド・バーグマン、イングマル・ベルイマン、ポルノ、ビヨルン・ボルグ、そんなものか。

ノルウェー基地にヘリコプターで飛んで調べに行きます。
人員はヘリ・パイロットのマクレディとコッパー医師の2人だけでした。最小限の人数です。
基地は全滅しています。内部を調べます。
氷から何かが抜け出た跡があります。

アメリカ基地に帰ります。犬はヘリコプターが帰ったとこを見ています。不気味です。
この犬の芝居は上手過ぎ。『映画秘宝2011.09』に載っていたけど、マジで芝居の上手い犬だったらしい。

ノルウェー基地から奇妙な死骸を持ち帰っています。解剖となります。ドロドログチャグチャの図でかなりなものです。

あの隊長は普段からガンベルトをしてリボルバーを下げています。
隊員達が見ているVCRはパナソニックのVHSでした。
ノルウェーの撮影したビデオを見てるTVはロータリーチャンネルのRCAのTVでした。

犬は檻に入れられます。他の犬もいます。
さっそく犬の姿から変形します。ドロドログチャグチャの図でかなりなものです。
マクレディが警報を鳴らし人が集まり大騒ぎになります。
ドロドログチャグチャの本体は逃げて残りは燃やされます。

コッパー医師の説明となります。
ノルウェー隊が残したビデオを見ます。何だかオリジナルお1951年版そのままをやっているようです。円盤を爆発して燃やしてしまう。氷ごと運び出す。

犬がやられた騒動があってからまたヘリコプターでノルウェー基地に行ってます。
基地から10キロ離れた円盤を調査に行きます。
今度は3人で行ってます。
円盤が残されています。状況から10万年前に来たのか?となっています。

この件について皆で検討中です。
メガネで初老の生物学者のブレアはコンピュータでシミュレーションをやっています。これは大変となっています。
それで、絶望して暴れ回ることになるらしい。

マクレディが呼び出されて雪上車内にて生物学者助手のフュークスと2人で話し中。

倉庫で一騒動があります。
倉庫でやられて外に逃げたのはベニングスでした。
ベニングスを焼却してる時にブレアがいなくなります。
その他の物を全部集めて燃やします。

何者かにヘリコプターが壊されます。壊したのはブレアらしい。
コンピューターが検討していたブレアが発狂したのか室内で暴れます。コンピューターを破壊したようです。
ブレアは初老のオッサンなんですが大勢でようやっと取り押さえています。
その他にも誰がやったのか無線や雪上車も破壊されています。

ブレアを道具小屋に監禁します。
飼育係のクラークに気をつけろと警告してるブレア。
根拠は何しろ犬が一緒にいる時間が多いからだと。

通信と移動の手段がない、この状態だと春まで救援隊がこないらしい。
これは大変なことです。

そんなことからどうやら例のドロドログチャグチャは隊員になりすましているのではとなり血清テストとやろとうなります。
ですが肝心の血清が流されてテストは出来なくなります。血液テストに使う血清を流したのは、この冷蔵庫の鍵を持ってる隊長か、血清を取り扱うコッパー医師だけです。
誰がやったと一騒動になります。

カセットテープに遺言のようなことを録音するマクレディ。
そんな時に1人が変形して大騒ぎになります。

ウィンドウズが逃げて銃を持ち出します。一騒動になっています。

フィークスが怪しい人影を追って外に出たらマクレディのシャツがズタボロで落ちていました。

フィークスは外で焼け焦げた死体になっていました。
焼身自殺なのか?

マクレディに疑いがかかります。
これでまた一騒動になっています。ダイナマイトを持って逆ギレしてるマクレディ。

飼育係のクラークは意外と粘っててまだやられずに出ています。
と思ったらマクレディに飛びかかろうとしてマクレディに射殺されてしまいました。

残りで血液テストとなります。
今度は焼けたワイヤーを採取した血液につけるというシンプルなやり方です。異星人の血は生きているので火を近づけると逃げる筈ということです。

いよいよ熱したワイヤーの血液テストになります。
メスで指先を切らないで注射で血液を採ればいいと思うけど・・
この血液テストでクラークは無実でした。
で、何人目かで血が熱に反応して、これはビックリな演出となります。これまでのドロドログチャグチャは何とかもちこたえていましたが、これにはマジでビックリして見てて思わずのけぞりました。
当たりはパーマーでした。これはビックリ。で、大騒ぎになります。
大騒ぎになるがマクレディの火炎放射器が作動不良になって、また大騒ぎになっています。何か笑えない状態です。

まだ血液テストの続きをやっています。
残ったのが4人です。マクレディ、ギャリー、チャイルズ、ノールズ。
残った面々も何だか自分でも信じられないような感じになっています。特にノールズはそんな感じ。

小屋に監禁してあるブレアを見に行く3人。
チャイルズは残しています。

小屋にて。
ドアが開いています。ブレアは不在です。
床下が穴が開いてます。その先は物体Xの手製救命艇が半完成であります。燃やします。こればっかり。

発電機が破壊されて6時間後には凍死となる見込みとなります。
ヤケになったのか凍死する前に物体Xを燃やし尽くそうと基地を破壊する残りの面々。徹底的に燃やします。

マクレディ、ギャリー、ノールズの3人で爆破作業をやっています。
ここでチャイルズはずっと別行動になっていました。これは怪しいとなってしまいます。

爆破作業の最中にギャリー隊長が姿を現わしたブレアにやられます。
ここも口を押さえる特殊効果がいい。多分そんなに手間がかからずにシンプルな手法だと思われます。

基地は爆発炎上となります。何も残らない。
残ったのはマクレディにブレアを探しに行って見失ったと称するチャイルズの2人だけとなります。もう凍死を待つだけです。

残った2人が会話をしつつ何となくエンドとなります。
こういうエンディングはカーペンター監督の得意技です。余韻があるというか、どうでもいいというか、そんな感じのエンディングとなっています。これは芸風なのでかまいません。


そんなわけでドロドログチャグチャなよい作品でした。オリジナルとは違う面白さになっていて、これは傑作です。



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