『宇宙戦争』(1953年)
この作品はSF物のクラシックで有名なので低価格DVDを買って見ました。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1953年 パラマウント アメリカ作品
原題◆War of the Worlds
DVDにて。画質は非常によい。ですが画質が落ちている部分もあります。
プロット 火星人が地球侵略に来る話しのようです。
音楽 リース・スティーブンス
キャスト
ジーン・バリー→フォレスター博士
アン・ロビンソン→教師のシルビア
ルイス・マーティン→コリンズ牧師、シルビアの叔父
ウォルター・サンデ→ボガニー保安官
レス・テレメイン→マン将軍
ポール・フレス→ラジオ・レポーター
バイロン・ハスキン監督の演出はよいと思います。
この作品の手法はかなりの部分は東宝特撮に引用されています。話しの展開から編集、特殊効果等々。
モノクロのパラマウントのタイトルから戦争の歴史が紹介されます。第1次、第2次からカラーとなって作品のタイトルとなります。
火星からの侵略がありますと説明があります。
ナレーションはセドリック・ハードウィック。英国の舞台俳優だと思いますが映画にも結構出ています。このナレーションは要するに原作者のH.G.ウェルズの声ということらしい。
隕石がカリフォルニアのL.A.郊外の町に落ちてきます。
消防団や見物人で一杯となります。近くに釣りに来ている学者が呼ばれます。
ジーン・バリー扮するフォレスター博士が隕石を調べに来ます。ここでアン・ロビンソン扮する教師のシルビアとすぐに知り合います。話しが早い。
シルビアの叔父が神父というもの紹介されます。
隕石に反応するガイガーカウンターの描写があります。効果音の使い方は引用されています。ところで本物のガイガーカウンターもこうなんですか?
『遊星よりの物体X』(51年)はこのガイガーカウンター使い方が上手くてサスペンスになっていました。姿は見えないが接近してくるとガイガーカウンターの反応が激しくなってわかるのです。
隕石を見張っている3人。
隕石のフタが開いて中から正体不明のアームが出てきます。アームの動きに合わせている効果音がいい。
白旗上げて接近する3人ですがアーム先端から発射される光線で焼かれます。
光線が発射されたとこで町全体は停電となります。
電話から補聴器や時計に方位磁石と使えなくなります。クルマの電気系もダメージを受けて使えなくなると思えますがそうなると身動きがとれなくなって歩くシーン等の余計な描写を避けるためなのかクルマは何ともなかったりします。
隕石の場所に行ってみると人型の灰が3つ残っています。わかりやすいというかギャグのようです。ここでパトカーが博士と保安官を置いて逃げますがアームからの光線が片づけます。
軍がやって来ます。シャーマン戦車、ジープ等。155mm砲、擲弾筒等。
ラジオ中継もやっています。
飛行機で照明弾を落として撮影するとこでウォーマシンは攻撃を仕掛けてきます。問答無用です。
軍は夜明けと共に攻撃をすることになります。
全景を表わすウォーマシン。そこに神父が話しをしようと非武装で接近します。その神父をウォーマシンは光線で撃ち、そこから軍の一斉攻撃となります。ここは見ていて納得の何となく理にかなっている展開です。
3体のウォーマシンはバリアを張って光線撃ちまくりとなって通常兵器の軍は全く歯が立ちません。ホトンド同じ話しの『インデペンデンス・デイ』(96年)では当然この設定がありました。
軽飛行機で逃げる2人ですがウォーマシンの近くに不時着となります。
逃げる動物達のショットが挟まります。ここが何となく印象に残る。
ヒロインの寝顔のクローズアップショットが長めに入るとこがあります。これはいいです。
徒歩で移動して無人の農家で食事する2人。
ここでシルビアが子供の頃に迷子になって教会のドアの側にいたというセリフが入り伏線となっています。
また隕石が落ちて農家にぶつかって博士が気絶し数時間が経過してしまいます。隕石からはウォーマシンが出現していて身動きが取れなくなります。
ウォーマシンから探索用アームが出て家の中にまで入ってきます。それを見ている2人の横顔ショットがいい。
火星人もやってきます。ここは不気味な造形の火星人は見どころになっています。
世界各地の状況が説明されます。
対策会議のシーンとなり隕石をシリンダーと称しています。3つのシリンダーのそれぞれから3つのウォーマシンが出てくる。3角形を基本とした攻撃方法の分析もやっています。ウォーマシンは3体1組で行動するとのことです。
自分の大学に戻る博士。シルビアも一緒です。
持ち帰った探索用アームの1部からの研究するシーンとなります。実はこの研究は後で全然役に立たないです。研究の結果ではなくて別のことが原因ですが。
軍は後のことは考えず原爆攻撃を仕掛けます。
珍しい機体のフライングウイングが見られます。現在のステルス爆撃機のような形をしています。
原爆攻撃にそなえてゴーグルをかける人達。原爆攻撃は失敗します。ウォーマシンは全く無傷です。
学者達は火星人の血液を研究して何とかするとなります。
学者達は研究拠点を安全な場所に変えるためにトラック2台とスクールバスで移動します。少し遅れてフォレスト博士が運転するトラックが無人の街を走ります。その先は暴徒がトラック等を襲っています。
いくらカネがあってもこの状態では無意味という描写が入ります。これはよく引用されている古典的な描写です。
フォレスター博士のトラックも暴徒に襲われてようやく逃げ出しますが、大切な研究がダメになったと判断したのか今度はシルビアを捜します。
フォレスト博士は無人の街を走ります。シルビアに聞いてたので教会巡りをします。この路線変更はいいと思います。
博士はようやくシルビアを見つけます。あっさりとしたものです。ここはもっと上手く撮ってほしかった。ここにいるわよではあまりにも平凡で少し物足りない。
教会にもウォーマシンが迫っています。ステンドグラスが吹き飛ぶショットは非常に印象的です。
これまでかとなったとこで突然静かになります。ウォーマシンは停止して火星人は死に至ります。何もしていません。
で、何故こうなったのかとナレーションが入りエンドとなります。
1950年代SF映画の女優さんはいいです。
『遊星よりの物体X』(51年)のマーガレット・シェリダン
『宇宙戦争』(53年)のアン・ロビンソン
『大アマゾンの半魚人』(54年)のジュリー・アダムズ
『放射能X』(54年)のジェーン・ウェルドン
『宇宙水爆戦』(55年)のフェイス・ドゥマーグ
『禁断の惑星』(56年)のアン・フランシス
『地球の静止する日』(51年)のパトリシア・ニールは少し別格となります。
そんなわけでさすがにこの手の作品のマスタピースで結構よく出来ているよい作品でした。
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TBさせていただきました<(_ _)>
私も、この年代のSFに出ている女優さんの「気品」好きです。か弱さと気丈さのバランスが実によいのですよね。
投稿: ルー | 2005.06.13 19:52
TBとコメントをありがとうございます。
1950年代のSFはホントにいいですね。たまに本編が退屈な作品もありますけど。そんな時は女優さんだけを見ています。
ルーさんのブログは索引が上手く出来ていますね。感心します。私はまだブログをやり始めたばかりなので何がなんだが状態です。見習いたいものです。
投稿: ロイ・フェイス | 2005.06.14 22:35