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2005.04.03

『スミス夫妻』(1941年)

本『映画術』によると、この作品は実生活でのヒッチコック監督とキャロル・ロンバードとの友人関係で撮ることになってしまった完全な雇われ仕事でノーマン・クラスナの脚本の通りに撮っただけとのことです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1941年 RKOラジオ・ピクチャーズ アメリカ作品
原題◆Mr. & Mrs. Smith
プロット なんだかんだあって元に戻る話のようです。
LDにて。画質はまあまあ。
音楽 エドワード・ワード

キャスト
キャロル・ロンバード→アニー・スミス夫人/旧姓クラウスハイマー
ロバート・モンゴメリー→デビット・スミス氏
ジーン・レイモンド→デビットの相棒ジェフ・カスター
ジャック・カーソン→サウナの男チャック・ベンソン
ウィリアム・トレーシー→メッセンジャーボーイのサミー
チャールズ・ハルトン→ハリー・ディーバー氏
エッシャー・デイル→アニー・スミス夫人の母親
アレック・クレイグ→クラブのクラーク トーマス
ベティ・コンプソン→品がないガートルード
パトリシア・ファー→品がないグロリア
フィリップ・メリベール→ジェフの父
ルーシー・ワトソン→ジェフの母
ウィリアム・エドマンズ→ママ・ルーシーズの主人

アルフレッド・ヒッチコック監督の演出はよいと思います。
他人の脚本のことはともかく絵コンテぐらいはヒッチコック監督がやっていると思う。そうでなければ監督の意味がないような気がします。
本『映画術』ではこの作品をアメリカ喜劇と称していますが、私には1940年代の典型的なロマンティック・コメディになっています。

N.Y.が舞台です。とはいえ全編セットですけど。

プロローグ。
朝、ケンカしているキャロル・ロンバード扮するアニー・スミス夫人とロバート・モンゴメリー扮するデビット・スミス氏。
まわりは大迷惑となっています。メッセンジャーボーイのサミーが書類にサインをしてもらいに来てます。ようやくスミス氏からサインをもらう。
キャラ紹介といったとこです。

仲直りしてスミス氏のヒゲを剃っているアニー・スミス夫人。
これはホントにやってんの?
食事となって、もう1回やり直せたらどうする?と話が出ます。スミス氏は結婚はしないと言ったりします。
これはネタの前振りです。

スミス氏は出勤します。弁護士らしい。
仕事の相棒はジーン・レイモンド扮するジェフ・カスター
見知らぬハリー・ディーバー氏が訪ねてきます。結婚は無効の知らせを持ってきます。

そのハリー・ディーバー氏はタクシーを止めてアニー・スミス夫人にも同じ知らせを持っていきます。これで話はこじれることになります。
ここでは結婚は無効の知らせの同じ説明を省略して描写しています。話しが早くていいです。1936年に結婚しているようです。
アニー・スミス夫人の母親を居て心配をしています。

今夜は外で食事と思い出のドレスを着るアニー・スミス夫人。
若い頃の服のサイズが合わない描写があります。これはヒッチコック監督の趣味ではなさそうです。

2人の思い出のレストラン、ママ・ルーシーズに行きます。
ママ・ルーシーズはすっかりと荒んだ感じに変わっています。ママは誰?の問いにオヤジが「オレがルーシーだ」と返事が返ってきます。
外にテーブルを出して食事となりますが近所のガキ共と見物してるし猫が側に待機してます。ここもヒッチコック監督の趣味ではなさそうです。
で、スミス氏からは再結婚の話は出ない。

2人は帰宅します。
再結婚の話が出ないことにアニー・スミス夫人はブチ切れてケンカとなりスミス氏を追い出します。
スミス氏はビーファイターズ・クラブに避難します。サウナにてジャック・カーソン扮するチャック・ベンソンにアドバイスをもらいます。無視するのがいいとのことです。

次の日、アパートの名札はスミスからアン・クラウスハイマー(旧姓)となっています。わかりやすい。
もちろんスミス氏は入れてもらえません。またビーファイターズ・クラブに戻ることになります。

タクシーでアニー・スミス夫人を尾行するスミス氏。
独身と称してデパートの店員となったアニー・スミス夫人の売り場に乱入するスミス氏。大騒ぎはなります。デパートから追い出される2人。

2人がデパート前で口論しているとこを警官に止められます。
警官のセリフがいい「ここで物を売ってはいけません。」だって。セールスの実演販売と思ったらしい。

スミス氏の事務所にて。
相棒のジェフはアニー・スミス夫人を説得?する役を買って出ます。
ダンスに誘うことになる。

アン・クラウスハイマー(旧姓)のアパートにて。
ところがアニー・スミス夫人から話を聞いたジェフは夫人の弁護を引き受けるとなります。話しがこじれます。

アパートの前を歩いて通り過ぎるのヒッチコック監督が見られます。
カットされずにちゃんと残ったようです。

クラブのサウナにて。
またチャック・ベンソンにアガートルードとグロリアはドバイスをもらうスミス氏は様子を窺うのに都合がいいとでアニー・スミス夫人とジェフが行くフロリダ・クラブにチャック・ベンソンの女性と同伴で行くことになります。

フロリダ・クラブにて。
ところがチャック・ベンソンが連れてきた女性2人、品がありません。ここの描写もヒッチコック監督の趣味ではなさそうで、なんというかアメリカのハリウッド的わかりやすさでデリカシーが無いといった感じなのです。

アニー・スミス夫人とジェフが来ます。
何とか隣の関係ないきれいな女性に話しかけるふりをするスミス氏。
そんなこんなで散々なことになるスミス氏です。
コテコテなコメディ描写となっています。

アニー・スミス夫人とジェフは遊園地へ行きます。
N.Y.なのでコニーアイランドか?よくわからん。
パラシュートに乗るアニー・スミス夫人とジェフ。
上昇するとこを主観ショットと切り返す手法を使っています。高さを強調して描写しています。
吊られているとこはスクリーンプロセスです。
パラシュートは故障して高いとこで吊られたままになるアニー・スミス夫人とジェフ。雨も降って悲惨な状況となります。

ようやくジェフのアパートにたどり着きます
禁酒談義となるジェフ。アニー・スミス夫人は帰ります。何もない。

次の日。タクシーでアニー・スミス夫人を尾行するスミス氏。
事務所に着きます。このへんから画質が悪くなっている
ジェフの両親が来ています。邪魔をするスミス氏です。
溶暗となります。他にもシーンの終わりに溶暗を多用しています。

スキー場です。
山小屋にソリで向かいます。着いたらスミス氏がやってきて倒れます。
運び込むアニー・スミス夫人とジェフですが、これが大変な作業です。。
寝言で泣き落とし作戦のスミス氏。
スミス氏のヒゲを剃るアニー・スミス夫人。

ジェフは身を引くことになるがスミス氏の仮病がバレてまた話がこじれます。
今度はアニー・スミス夫人が一芝居をうちます。
ジェフの両親がやってきてジェフと一緒にソリで引き上げます。
これで残るはアニー・スミス夫人とスミス氏となります。

で、納まるとこに納まる予定調和のエンドとなります。


キャロル・ロンバードはおでこがいい。いかにもアメリカのロマンティック・コメディ女優らしい人です。実生活でもこのような感じらしい。ヒッチコック監督得意のセクハラ口撃なんて軽く受け流し何てことはなかったでしょう。

ロバート・モンゴメリーというと全編主観ショットで通してるフィルム・ノワールの『湖中の女』(47年)が見たいですね。主観ショットなので肝心の主演ロバート・モンゴメリーがあまり映っていないとのことです。


そんなわけでキャロル・ロンバードのおかげなのか水準の出来のロマンティック・コメディの作品でした。本『映画術』は全く触れてなかったけど丸っきり無視するのは惜しい作品です。

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