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2005.03.26

『シャレード』(2002年)

この作品はジョナサン・デミ監督、サンディ・ニュートン、マーク・ウォルバーグ主演の少し風変わりな巻き込まれサスペンスのようです。
私の大好きな作品の感想です。なおこの文はネタバレ全開となっています。

2002年 マグネット・エンタテインメント/シネマ・エステチコ・プロ/メディア・ストリーム・フィルム/ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ=ドイツ作品
ランニング・タイム◆104分
原題◆The Truth About Charlie
プロット◆謎のカネの争奪戦に巻き込まれる話しのようです。
音楽◆レイチェル・ポートマン にぎやかに鳴っています。
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質はよいです。スクイーズ収録のフル表示。画面サイズはワイド。上下に黒味あり。

キャスト
サンディ・ニュートン→離婚したいレジーナ
マーク・ウォルバーグ→謎のジョシュア・ピーターズ
ティム・ロビンス→大使館のバーソロミュー
バク・ジュンフン→アジア系のイル・サン・リー
テッド・レビン→白人のザダベック
リサ・ゲイ・ハミルトン→黒人女性のローラ
スティーブン・ディラン→問題のチャーリー
クリスティン・ボイソン→ドミニク警視
シャルル・アズナブール→本人役です。

オリジナル1963年版とのキャスト比較です。
オードリー・ヘップバーン→サンディ・ニュートン
ケイリー・グラント→マーク・ウォルバーグ
ウォルター・マッソー→ティム・ロビンス
ジェームズ・コバーン→バク・ジュンフン
ジョージ・ケネディ→テッド・レビン
ネッド・グラス→リサ・ゲイ・ハミルトン
大体このような振り分けとなります。どのキャラも違うタイプに変更になっています。で、どのキャラもまあ何とかなっています。
ジョナサン・デミ監督の常連らしいテッド・レビンだけ、この中では1番似たキャラとなっています。

オードリー・ヘップバーンを囲む男優陣の豪華キャストが印象的なオリジナルの『シャレード』(1963年)は見ていますが、神聖オードリー・ヘップバーンというわけでないのでリメイクに対しての偏見はありません。

ジョナサン・デミ監督の演出はよいと思います。
原題がオリジナルとは違っています。
話しの方はオリジナルとだいたい同じに進行しています。
キャスト、エキストラ等で有色人種が混じっているので普通のフランス人も見てて納得でしょう。
ジョナサン・デミ監督はさすがにセンスがいいです。見てて安心。
斜めの構図を多用していました。ですが特に意味がなかったりします。


プロローグ
列車内にて。セックスの後でシャルルと呼ばれている男殺されたようです。

リゾートです。カリブ海らしい。
サンディ・ニュートン扮するレジーナが登場。子持ちかと思ったら知人の息子でした。マーク・ウォルバーグ扮する男も登場しています。
子持ちで追われてしまったら違う話しになってしまいます。

空港です。フランスのバリ。
レジーナはまたマーク・ウォルバーグに会います。偶然ではない?。男はジョシュア・ピーターズと名乗ります。オリジナルの1963版はピーター・ジョシュアとなっていて名前を入れ換えています。洒落ています。
会話のシーンではカメラがやたらとパンしています。2人の時だけ?これはあまり意味がないような。

アパートに帰るレジーナ。フランスのバリ。
夫のチャールズはいない。空っぽの部屋内は荒らされています。
ピアノを壊されて、壁には穴があいてます。
典型的な家捜しされてるような感じ。ベッドのマットも切り裂かれています。
アパート内には人影がチラチラと見えてます。女性警視と部下の刑事がもういるんです。滑って転びそうになります。危なっかしくて素敵です。
ここでドミニク警視とデサリーヌ刑事が登場。

死体の検分に行くレジーナ。
地下道なんですが、左右の上下に蛍光灯がつながって配置されてるが面白い。

警察にてチャールズの死体を見るレジーナ。死体からの主観ショットです。
事情聴取となります。各国パスポートがたくさんあるチャールズ。新婚3ヶ月。家財道具を売り払って180万ドル。と断片的に説明が入ります。
パスポートが何通もあるシーンはオリジナルとホトンド同じになっています。
いいじゃん。

こちらも警察でチャールズの死体を見る怪しい男2人と女1人。
死体からの主観ショットです。ここはオリジナルとは違ったメンバーとシチュエーションになっています。

レジーナが警察を出るとこにて。
レジーナとぶつかったのは喪服の顔にはベールの御夫人で、ここでもう出ています。この人がマガリ・ノエルです。

アパートのレジーナ。
電気が無くてロウソクに布団がなくて床で寝ているレジーナ。
ノックの音がします。ちょうどよくジョシュアが訪ねてきます。アパートを出てタクシーでホテルに向かいます。

タクシーで移動です。
パリなのでちゃんとエッフェル塔があります。
街中にはバイクがたくさん走って停まっています。いいな。
タクシーの中で身の上話をするレジーナ。
ホテルに着きます。何故かレジーナのことをレジーと呼ぶジョシュア。

ホテル・ラングロワにて。
休むレジーナ。

ジョシュアがホテルを出たところで女性警視とコンタクトしています。
ここは普通に切り返しています。カメラは動いていない。

アメリカ大使館からの呼出で遊園地に行くレジーナ。
街中はクルマやバイクで混雑しています。歩道にはバイクがたくさん停まっています。

遊園地にて。
『第三の男』(1949年)みたいに観覧車でティム・ロビンス扮するアメリカ大使館関係者バーソロミューと会い話しをします。
レジーナは英国人なのか。
チャールズのカネは600万ドルになっています。
ティム・ロビンスは何となくオリジナルのウォルター・マッソーと似た感じになっています。

それで遺品の手帳の予定を見て下町に行くレジーナ。
ロジェ・コミティ?
パリはずっと曇りや雨になってます。地面は濡れている。撮影が大変そう。
ご主人の知人と称してローラがコンタクトしてきます。危ない雰囲気になりますがジョシュアが来て助かります。

ローラを演じてる黒人女優さんは誰かに似ている。それは吉本新喜劇の池野めだかに似ているのです。

地下鉄でホテルに戻ります。
地下鉄のシーンは観光映画みたいでいい。

ホテルに戻るレジーナ。
このホテルのエレベーターが古い。一応作動しています。
エレベーター内でザダベックに襲われるレジーナ。一騒動になっています。
ここはジョシュアが助けます。そのまま行ったきり。

部屋内でバーソロミューの携帯に連絡するレジーナ。ジョシュアが戻ります。
レジーナはシャワー中でジョシュアは何故かシャルル・アズナブールのCDをかけます。その間に遺品バッグを調べるジョシュア。
『ピアニストを撃て』(1960年)の短いシーンが流れます。ダンスしている2人の近くで何故か本物のシャルル・アズナブールも登場して歌っています。
幽霊かと思ってしまった。まだ生きてた?

電話がかかって来ます。先程のザダベックです。ジョシュアはダイルで、そのダイルは怪しいと警告します。
レジーナはジョシュアを部屋から出します。
部屋を出たジョシュアは3人のいる部屋に直行してじゃまするなとまかせておけと意見します。
この辺まではオリジナルと同じ進行となっていすま。

翌朝にて。レジーナの部屋に食事を運ぶジョシュア。
ところがレジーナはもう出ていっています。さてどうする?
ホテルからシトロエンのタクシーで移動しています。

パリの街の描写があります。シトロエンのタクシーとか駐車しているバイク群とかロケの効果が出ています。
ところでバイクが美しく撮れている日本映画は見たことありません。暴走族絡みかタイアップかでどちらも見られたものではないです。

日本のクルマのことで。
軽自動車のワンボックス、5ナンバーと3ナンバーのワンボックス、BMWとベンツ。後は大小のトラック。こんな感じか。
この作品ですがさすがに日本車は全然出てこない。パリだからなのか、映画だからなのかはよくわからないけど。

レジーナは携帯電話からダイルの名でジョシュアを呼び出して口論となります。
店へ電話してダイルの名前で呼び出します。
レジーナは携帯電話、ジョシュアは電話機の子機。これで口論しています。
普通に話せるのに興奮しているのか直接対面しても携帯電話で話しをしています。こういうのは好きです。言い訳をするジョシュア。
ここで店員がジョシュアに品物を「ダイル様どうぞ」とダメを押しています。面白い。

レジーナはタクシーに乗って北駅へと向かいます。ジョシュアも乗り込みます。
北駅前でチャールズの母が登場。後になって素人のはずですがやることをえげつない。強運だし・・

列車でロンドンに行くつもりのレジーナ。
片道切符を買っています。ジョシュアは往復切符。

ロンドン行きの列車に乗るレジーナ。他の面々も乗り込みます。
例の3人組が列車内を探し回ります。隠れるレジーナ。
そんなとこでザダベックが突然死します。

警察にて。
この件で全員警察に勾留事情聴取となります。
元傭兵の残りの2人、レジーナ、ジョシュアといます。
女性警視からチャールズの母の話を聞くレジーナ。
チャールズですが実はシャルル・デ・ラック?、これが本名らしい。
ドミニク警視とレジーナが話しをしつつタバコを火をつけています。

この作品はフランス語と英語がちゃんぽんになってます。
一応そのような設定らしい。

で、現実の日本ですが、外人からは発音にケチを付けられ、日本人から英語なんて喋りやがってと絡まれる。
これでは英語が普及するわけがない。

カフェにて。
チャールズの遺品をぶちまけて2人に調べさせているレジーナ。
サラエボの話しとは?いつの戦争の話し?
カフェの外には例の母がいたりします。

夜、ジョゼフィーヌ号にて。
レジーナがイブニングドレスだから高級レストランといった感じ。

エッフェル塔はてっぺんからサーチライトを回してるのか?

ダンスホールというかタンゴクラブにて。
レジーナとジョシュア。タンゴを踊ります。
次々とレジーナのダンスパートナーが変わります。別なとこでは男同士のカップルもいます。さすがおフランスです。
歌手が見事な歌を聞かせてくれます。ここは音楽の趣味がいいようです。実はよくわからん。ここで歌ってるのがアンナ・カリーナのようです。

店の外に出たとこでレジーナをかばったローラはクルマにはねられて死に至ります。
下手人は逆恨みのチャールズの母です。
これでローラは退場となります。

ところで列車で殺人騒ぎがあったのでロンドンには行かずにパリに戻ってるようです。
ようやく気がついた。

いよいよ、例の下町になります。前にも行ったノミの市に出かけるレジーナ。
レジーナはわかったとなっていますが、何がわかったのかがわからん。
やっぱりオリジナルと同じように現金を切手に換算していたようです。

イポリット氏の話しを聞いてるアジア系の男。
がっぽり儲けたイポリット氏。で、すぐ死亡したらしい。で、イポリット氏は何をしてた?、それは切手の売買です。
これで切手のことに気付いたアジア人の男はこの場を去りホテルに向かいます。追うジョシュア。

走って移動の2人。
地下鉄に乗ります。ここは仲良く地下鉄にいる。
地下鉄を降りたらまた全力で走って競争です。
ホテルに入ってからは階段で乱闘となっています。文字通りの脚の引っ張り合いが面白い。

ホテルに戻るレジーナですが玄関で滑って転びます。素敵です。
アジア系の男が消火器で殴られて昏倒しています。死んではいない。
家捜しをしているジョシュアを見て逃げるレジーナ。この辺からオリジナルとは違っています。

外に出たらまた雨が降っています。ここはロンドンか?
雨の中を逃げるレジーナ、追うジョシュア。

例の下町にて。
路地の奥にバイクが2台停まっています。
ジョシュアはダイルに続いて今度はバーソロミューと名乗ってます。
バーソロミューがカーソン・ダイルとなってます。

レジーナですが成り行きで切手を燃やしてしまいます。
ここでフランス当局とアメリカ大使館関係者が勢ぞろいしてにらみ合いとなります。誰が何という名前なのかよくわかなかったりします。ここは聞き流す。
アジア系の男がカーソン・ダイルを説得というかそんな感じになっています。
結局説得されて逮捕されるバーソロミューです。オリジナルとは違う展開になっていました。

エピローグ。
騒ぎを収まってアメリカ大使館に向かうレジーナ。
橋の上でまた喪服の婦人とコンタクトしています。

大使館にて。
出勤するジョシュアのバーソロミュー。
面会に来るレジーナ。
この辺はホトンドオリジナルと同じです。
違うのはシャルル・アズナブールが出てくるとこです。

ジョシュアにレジーナが会いに来ます。本物の切手を渡します。
2人がいい雰囲気になったとこで何故か本物のシャルル・アズナブールが登場してエンドとなります。わけわからん。

後タイトル。
シャルル・アズナブールの歌からサン・トゥワン留置場のシーンとなります。
『ピアニストを撃て』(1960年)からフランソワ・トリュフォーの墓のショットがあります。

キャストで・・・
サンディ・ニュートンがとても素敵に撮れています。何となくオードリー・ヘップバーン風にも見えます。
黒目が大きなとこがチャーミング。滑って転ぶとこもいいし、モデル体形ではないものいい。私の好みからするとオードリー・ヘップバーンよりいいです。
『ミッション:インポッシブル2』(2000年)で引用されている作品で『汚名』(1946年)のイングリッド・バーグマンと『泥棒成金』(1955年)のグレース・ケリーの代わりをやっていてこの作品ではオードリー・ヘップバーンの代わりをやっているサンディ・ニュートン、似ているからではなく全くタイプが違うからキャスティングされているのでしょう。

マーク・ウォルバーグはどう見てもケイリー・グラントには見えません。
でもいい感じです。→『『愛されちゃってマフィア』(1988年)のマシュー・モディンと同じような感じです。
アジア人の男は何となくティム・ロビンスの弟に見えます。意外と出番が多くて最後まで残っていました。アジア系キャラにしては珍しいケースです。


そんなわけで要するに『サムシング・ワイルド』(1986年)と『愛されちゃってマフィア』(1988年)の中間なノリのようです。私はジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』(1991年)より『愛されちゃってマフィア』(1988年)の方が好みなで、この作品が好きです。これは佳作です。



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